ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

犬ヶ島

2018年06月17日 | 映画


ウエス.アンダーソン(グランドブダペストホテルやムーンライズキングダムの監督)の「犬ヶ島」を見る。元々結構好きな監督なので作品は殆ど見てる。どれもオタク的な映画愛に満ちた作品で面白い、が、一般受けはしなさそうというのが特徴でもある。今回はストップモーションアニメ(人形などを少しづつ動かし撮影したアニメ)、しかも舞台は日本。映画はいきなり小太りの少年の太鼓から始まる。かなり変な感じを受けるが、これは彼のどの作品にも共通すること。

日本のある街で狂犬病のような病原菌による犬の病気が蔓延し、隔離するためにすべての犬をゴミ島(犬ヶ島)に隔離する。そんな中ある少年(アタリという名前)が自分の愛犬を救出するために一人飛行機で島に乗り込む。そこで出会った犬たちと一緒に愛犬を探しそして犬たちを解放する、というお話しだが、まずおかしいのはこのアタリの顔。全く格好いいという類の少年ではない。初めに思い出したのは石田徹也の絵画に出てくる飛行機と合体した人物の顔。幸薄そうなどこか物悲しさを感じさせるあの顔だ。喋り方もぼそぼそ。全体もそんなトーンで、ディズニーの対極にあるアニメと言うしかない。間違いなくこの映画も一般受けはしないしヒットもしない。しかし魅力的。子供と犬が主人公だけど子供向きではないという珍しいアニメである。
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