ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【本】トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇

2008年06月26日 22時03分09秒 | 読書記録2008
トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇, トルストイ (訳)中村白葉, 岩波文庫 赤619-1, 1932年
(Чем люди живы?, Толстой, 1881)

・トルストイが見聞きしたロシアに伝わる民話などを編み直した物。どれも平易で、宗教的・道徳的内容が濃く、『信ずる者は救われる』という筋書き。『人はなんで生きるか』、『火を粗末にすると――消せなくなる』、『愛のあるところに神あり』、『ろうそく』、『二老人』の五篇収録。
・「「『親はなくとも子はそだつ、が、神がなくては生きてゆけぬ』ということを言いますが、ほんによく言ったものでございますね。」」p.42
・「神さまがおっしゃるには――『行け、そしてその母親から魂を取れ、そしたら三つの言葉がわかるだろう――人間の中にあるものは何か、人間に与えられていないものは何か、人間はなんで生きるか、この三つのことがわかるだろう。そしてそれがわかったら、天へもどってくるがいい』」p.46
・「一ばん大切な条文はな、君、ひとつだよ――神さまを忘れてはならないということだ、」p.66
・「「口惜しいって!? そんなこたねえよ、とっつぁん! この世の中じゃ罪のほかにゃなにも口惜しがることはねえだ。魂より大切なもな何もねえだでな」」p.140

うゆう【烏有】(「烏(いずくんぞ)有らんや」の意)何もないこと。皆無。烏有に=帰す[=属す] すっかりなくなる。特に、火災で滅びる。

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