アンサンブル・ド・ミューズ ニュースレター

レッスンの事、日々の出来事などいろいろと…。

種彦さん…♪

2015-06-01 09:22:08 | Weblog
その新刊が出たのは2年半ほど前だ。
すぐに読みたいのはやまやまだったが、文庫化されるまで待った。
いつも、大抵、そう。文庫で読む。
何故ならば、極めて狭~い狭い住まいゆえ、新刊(単行本)だと置き場所に困ることになるから。
読む本、読む本全部新刊(単行本)を買っていたら、年末には寝る場所がなくなる…
てなわけで、文庫になるのを待ちました。
『けさくしゃ』 畠中恵著 新潮文庫
江戸時代後期に活躍した実在の戯作者柳亭種彦が主人公。
この人物が武士だということは、中学か高校のどこかで習ったので知っていましたが、
高屋彦四郎知久
というのが本名で、二百俵取りの旗本だとは、そりゃ知らなんだ。
ついでに二百石二百俵と、どう違うのか調べちゃったもんね。
で、この作品ではまだ柳亭種彦なる戯作者は出来上がっていない。
戯作者への道を踏み出したばかり、いや、踏み出そうかなぁ~どうしようかなぁ~、くらいの状況だ。
身の回りで起こるちょっとした出来事の真相を、事実を基に戯作(物語)に直すことで解明していく、というのが柱になっている。
駆出し版元の山青堂、中間の善太、大身旗本石川伊織夫妻、そして種彦の妻勝子さんなど、好い感じの登場人物たちが彩りを添える。
主人公の種彦といえば、二百俵取りの旗本の殿さまで23歳。
見目形良く、狂歌や義太夫にも造詣が深く、古典も学んでいるという洒脱な男である。
が、腰のものが竹光でないのが自慢というくらいだから、やっとうの腕前はからっきし、な残念な殿さまだ。
普通はさ、主人公といやぁ二枚目で頭が良くて腕っぷしも確かでってのがオヤクソクじゃない?
それがさ、見目は好いけど腕に覚えはなし、ついでに病弱だってんだから…。
身体も弱く喧嘩も弱い種彦さんに対して、目端が利いて大いに頼りになる中間の善太。
さて、善太の正体は…
さらりと読めて楽しいお話、まさに戯作だね。
さて、柳亭種彦の戯作『僞紫田舎源氏』、こちらのほうも読んでみたいような気もするなぁ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする