■ 「英雄」の死 ■
昨日TVを付けたらオバマ大統領が映っていました。
ビックリしました。「オバマショック」の会見かと思いました。
「ドルはもう駄目になった、アメリカ国債もデフォルトした。ゴメン!!」って言うのかと思ったら、「アメリカ主導の作戦で、ウサマ・ビン・ラディンうを殺害した」と言っていた。
どこの国に、人を殺した事を得々と話す大統領がいるのだろうか?・・・アメリカだ。
どこの国に、人が死んだ事に狂喜乱舞する国民がいるのだろうか?・・・アメリカだ。
全く狂っている。
ウサマ・ビン・ラディンはイスラム教徒の「英雄」です。「英雄」の死に狂喜乱舞する映像を見て、イスラム教徒達はどう思うのだろうか?
■ 「英雄」の素顔 ■
ウサマはサウジアラビアの富裕な家庭に生まれます。
父親のムハンマドは建築業で成功し、一代で巨大企業グループを作り上げました。
ムハンマドはパパ・ブッシュのサウジアラビアでの石油事業のビジネスパートナーでもありました。
アフガニスタンのソ連が侵攻した時、ムハンマドはアフガニスタンのイスラム教徒を資金的に支援します。息子のウサマはこの戦いに身を捧げる事を決意し、アフガニスタンに乗り込み、アルカイーダを組織します。この時アルカイーダを支援したのが、アメリカのCIAです。
アフガニスタンからソ連が撤退した後、ウサマは反米に転向し、ユーゴスラビア紛争でバルカン半島のイスラム教徒を支援して戦います。そして、911テロを成功させて、アラブの「英雄」となります。
■ 「結果」で判断すべき ■
ウサマが反米に転向した理由はいろいろと取りざたされています。
イスラムの聖地サウジアラビアの米軍基地を、ショートパンツ姿で歩く米軍の女性兵士の見て激怒したとか、色々と噂されます。
歴史家や国際情勢の分析家は原因を探ろうとします。しかし私は「結果」こそが全てだと思います。911の後、世界がどうなったかで、「ウサマの存在の意味」が明確になります。
① 911はテロとの戦争の口実になった
② アフガン戦争、イラク戦争によって冷戦終結後縮小されていたアメリカの軍事産業が潤う
③ 一方でアメリカの財政赤字は増大する
911は現在の世界情勢を作り出すターニング・ポイントだったのです。
ここで911米国自作自演説をいくらでも論ずる事は出来ますが、それは怖いので止めときます。
■ 「文明の衝突」とウサマ ■
CIAや国務省は戦後ロックフェラー(軍産複合体)が牛耳ってきました。ウサマはCIAのエージェントであり、アルカイーダを利用して、「宗教の対立」を決定的なものとしました。
サミエル・ハンティントンの著した「文明の衝突」で、キリスト教文明とイスラム教文明があたかも対立している様なイメージを大衆に植え付けています。「文明の衝突」は1993年の夏に、「フォーリン・アフェアーズ」に掲載され、論争を呼びました。
「フォーリン・アフェアーズ」はアメリカの外交問題評議会(CFR)が発行する雑誌です。外交問題評議会を立ち上げたのはロックフェラーです。アメリカの外交はCFRによって立案されます。それは、共和党政権でも民主党政権でも同様です。ヒラリー・クリントンはCFRに所属しています。オバマは所属していません。
ウサマはCFRの筋書きに沿って、「文明の衝突」を現実のものにする為の実働部隊と、「イスラムの英雄」と言う象徴性を担っていました。
■ ウサマを逆利用するオバマとロスチャイルド ■
これまでウサマ殺害報道は海外では何回かあり、その度に否定されてきました。
今回はオバマ大統領自らが会見をしましたから、「公式な死亡」となります。
死体はDNA鑑定された後、米原子力空母上から海に流されたと報道されています。
死体を埋葬すると、そこが聖地となる事を恐れての処置だと言われています。
陰謀論的には、ラディンの死を曖昧にする事で、ラディンの復活を望むテロリスト達の「やる気」を鼓舞する作戦かもしれません。さらに、ラディンが死自体が本当は一番怪しいのですが・・・。
さて「英雄の死」はどんな影響を世界に及ぼすでしょうか
① イスラム過激派の活動が活発化する
② 中東の反米政権が反米姿勢を強める
既に、中東では多くのロックフェラーの傀儡政権が民主化革命で倒れつつあります。これはロックフェラーの利権を、ロスチャイルドが奪還している事の表れだと昨日書きました。
目的は原油価格高騰による利潤の獲得と、インフレの促進による借金の減額、そして原子力推進と石油資源の温存だと思われます。
しかし、民主化革命だけでは、戦争は発生しません。
油はばら撒かれていますが、火種が無かったのです。
そこで、「英雄の死」というマッチを吸って、レバノン辺りに落としてみます。
ヒズボラが腹いせに、イスラエルをロケット砲で攻撃するかもしれません。
ファハタとハマスが和解を勧めるパレスチナも、この機に乗じてイスラエルの入植地を攻撃するかもしれません。
現在イスラエルは激変する中東情勢に怯えているはずです。ちょっとした挑発で過剰に反応するかもしれません。アラブ諸国の足並みを乱していた、リビアもシリアも自分の事で手一杯です。イランのシーア派と、エジプトのムスリム同胞団が中心になって、打倒イスラエルの狼煙が上がる可能性は否定出来ません。
CIAのエージェントのウサマが、反CIAのオバマやロスチャイルドに利用されたのが、今回の「ウサマ殺害」であったと私は勘ぐっています。
■ ドルとユーロはどうなる? ■
ドルはQE3が無くなった事で、6月以降、非常に不安定な状態となります。
ユーロも債権危機がとうとうスペインに達し、フランス、ドイツに危機が波及しそうです。
円も震災と原発事故でかなり怪しい状態です。
ここで戦争が起これば、「通貨」に対する不安が噴出し、世界的なインフレの引き金になるかもしれません。要は原油が高騰するのです。
これは世界経済のブレーキになりますが、影響は新興国にも及びますので、先進国の優位性が一気に失われる訳ではありません。
中、長期的に見れば、パンパンに膨らんだ各国の財政赤字の解消と、未だに解消されないデリバティブ商品の現金化に役立ち、ドルとユーロの危機を解消する方向に働きます。
■ IMFの特別引き出し権(SDR)という選択肢 ■
中東有事と石油高騰が発生すれば、ドルもユーロも円も元も、「紙のお金」自体の信任が揺らぎます。そこで登場するのが、IMFの特別引き出し権(SDR)です。
SDRはニクソンショックの時に、ドルの崩壊に備えて準備されたシステムです。
各国の通貨をある比率でバスケットに入れ、このバスケットを基軸通貨の代わりに活用するというシステムです。
SDRの良く出来ているのは、変動相場制は残しておくので、各国の通貨のレートは刻々と変化していきます。しかし、バスケット全体で見れば、足し引きゼロなので、SDRの価値は変動しないという事になっています。
現在の様に、全ての紙幣の信任が揺らいでいる時は、SDRに部分的な金兌換の機能を付加しても良いかもしれません。
SDRに積極的なのはBRICS諸国とフランスのサルコジ大統領です。
北アフリカ情勢を見ても、フランスとイギリスの動きが突出しています。
ロスチャイルドの意向を受けてサルコジ大統領が動いているならば、SDRの導入もあながち夢物語では無いでしょう。
■ 危機こそが世界を変えていく ■
SDRの議論はリーマンショック直後からありましたが、ドルが頑張っていたので、現実味の薄い話とされてきました。
しかし、中東有事と通貨危機が重なれば、リーマンショック以上の崩壊の危機が訪れます。
SDRがドルやユーロ、そして円やその他の通貨の生き残りに不可欠となった時、世界に初めての統一通貨が生まれるのかもしれません。
SDRはシステムなので、通貨としての紙幣を発行するかどうかは分かりませんせん。
そこで私は幻のSDR紙幣をデザインしてみました。
通貨の単位は「ラディン」とします。1ラディンに印刷されるのは当然世界を変えたこの人の肖像と、人々の目に焼きついたあの光景であるべきです。
これは、陰謀を働く者達の勝利の印なにです。
さり気に、ドルのデザインを残すなど、通貨の歴史にも気を遣ってみました。