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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

SPEEDIの内部被爆データ・・・1/20にすれば等価線量

2011-05-10 05:55:00 | 福島原発事故
 



■ 原子力安全保安員のSPEEDI内部被爆データ ■

原子力安全保安員のSPEEDI内部被爆データ が公開されています。

3月12日から4月24日までの積算データです。

これを見ると、「一才児 甲状腺の等価線量」が100(mSV)を越える地域が広範囲に広がっています。

この数値は等価線量ですので単位は(mSv/Kg)です。

甲状腺の重さは20g程度ですから、甲状腺の組織荷重係数は0.05となり、実効線量は等価線量の1/20となります。

1才児甲状腺の等価線量で100(mSv/Kg)=5(mSv)となります。

この数値に、外部被爆を加算する必要があります。

政府の暫定基準値20(mSv)に比較すれば、低い数値となりますが、国の平常時の基準値1(mSv)に比べれば、高い数値となります。

ちなみに、外部被爆のデータは下図が公表されています。



http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/0312-0424_ex.pdf

お子様の甲状腺被爆には充分注意が必要です。
武田邦彦先生のブログで、具体的対策が説明されています。

<追記>

本日は「六号通り診療所」の院長先生が、放射性ヨウ素について書かれています。私のブログを読んで楽天的な気分になられた方は、先生のブログをお読みになって、是非対策を!!

放射線は恐れすぎても、安心し過ぎてもダメです。
危機管理としては「最悪を想定」し、精神管理としては「対策したから自分は大丈夫」というのが正解。



リスクのトリアージ・・・被害を最小化する為に

2011-05-10 04:58:00 | 福島原発事故
■ はじめに ■

本日の記事を読まれて不愉快な思いをされる方がいらっしゃると思います。この記事を載せようかどうしようか、何度か逡巡しました。

色々な方の議論がかみ合わず、原発に対する国民の統一した見解が成立しないのは、それぞれのリスクが同じテーブルに載せられていないからだと思います。

無根拠で不謹慎な数字を提示いたしますことを、最初に謝罪いたします。


■ 原発事故の損失の分類 ■


原発事故に関して、様々な方が、様々な立場から発言されています。
経済の損失に重点を置かれる方は、「原発推進」的立場でしょう。
一方、人命を重視される方は「原発反対・慎重」という立場で発言されています。

視点が異なるそれぞれの意見ですが、やはり大事な事は「人が死なない」という事です。
そこで、原発事故とその被害の分類を、「人的被害」を元に検討してみます。

「原発を止めたら熱中症で死ぬ人が増える」と言われても何人亡くなるのか具体的数字は誰も示しません。「20(mSV/年)では、将来癌になる人が多発する」と言われても、何人癌になるか言う人は居ません。

以下の数字は何の根拠もありませんし、全く不愉快な数字でありますが、比較する為には仮定が必要だと考え、強引に数字を仮定しています。


原発が突然メルトダウンした場合(類推)

① 高線量率被爆による急性障害
  臨界事故による2次的大量被爆が発生した場合・・最大500人(チェルノブイリ並)


現状の状態で冷温停止し、放射線の放出を止められた場合

② 原発周辺での100(mSv/年)程度の低線量率被爆
  仮に1万人の0.5%が癌のリスクを負う・・・・・・50人(LNT仮説)

③ 原発周辺での20(mSV/年)程度の低線量率被爆
  仮に20万人の内0.1%が癌のリスクを負う・・・・200人(LNT仮説)

④ 子供の甲状腺癌
  チェルノブイリの死者・・・・・・・・・・・・・9人(患者は公式には4000人)


計画停電など間接的被害(関東と中部)

⑤ 電力不足による死亡
  夏場の熱中症による死亡を想定・・・・・・・・・612人増

 (2007年の907人の死者数の半数を65才以上老人とし、その30%を東京電力管内とし
  、中部電力管内を15%とし、2007年の3倍発生すると仮定)
 
 (工場や野良仕事、建築現場や学校には元々冷房は設備されていないので、老人の自宅
  での死亡を強引に類推した。)

⑥ 停電による経済損失によって発生する失業等で増える自殺者
                ・・・・・・・・・300人増 (年間3万人の1%)

隠蔽されている(かもしれない)事故の真相によって日本経済が混乱・破綻した場合

⑦ 失業による自殺者の増加・・・・・・・・・・・・10,000人増(年間3万人の30%)


⑧ 年金破綻による老人の餓死や熱中症死・・・・・・ 3,000人増

以上の数字には何の根拠も無い事をご了承下さい。

■ 日本の将来を考えたリスクのトリアージ ■

日本人は情緒的思考をするので、一人の命と、千人の命の重みを比較する事を嫌います。

しかし、国家の非常時にあたり、政府や省庁では、上の様な仮定をしながら、人的被害の最小化を図るのでは無いかと思います。

重大事故に際して人命救助の優先度を決める、「トリアージ」に似た選択が今回の事故に際しえてもされているのでは無いでしょうか。

■ 一番被害が大きいのは、経済崩壊と国家破綻 ■

私の実にいい加減な仮定において、一番人的被害が大きいのは、原発事故の重大性に経済が過剰に反応して発生する、日本の経済崩壊とそれに伴う国家財政破綻です。

次に被害が多そうなのは、計画停電による経済被害による失業による自殺者の増加や、熱中症死の増加です。これは、東京電力管内においては不可避の事態となっています。

次に被害が多そうなのは、原発が再暴走して大規模爆発を起こし、現在福島原発で作業に当たられている方が、重大な被爆を受けるケースです。

最後が、原発周辺地域の低線量率被爆による長期的な発癌率の増加と、子供達の甲状腺癌です。ここで、問題なのは、子供の甲状腺癌を除けば、発癌までに10年20年というタイムラグがあり、癌の治療もこの間に進歩する可能性があるという点です。

■ 「情報の隠蔽」が必要であった ■

非常に不愉快な「比較」を試みた結果、政府が「情報を隠蔽」し、菅総理が「浜岡を停止」させる理由がおぼろ気に見えてきます。

「大地震」と「大津波」の直後に「原発の即発臨界爆発事故」が連続して発生すれば、いくら強いと言われる日本経済も大打撃を受けます。特に、市場の反応は予測不能ですから、過剰に反応すれば、日本発の世界恐慌の引き金く可能性も十分にありました。

3号機の即発臨界爆発は、アメリカやフランスなどは映像を見ていただけでも解析出来たでしょうし、実際にアメリカやフランスの退避指示は、それを裏づけます。

ただ、アメリカやフランスやその他の国が、表立って日本政府の隠蔽を暴く事はありませでした。いえ、むしろ隠蔽に関しては「共犯」と考えるのが妥当でしょう。

もし、3号機の爆発と同時に、即発臨界が公表されていたら、東京はパニックに陥り、株価も為替もどうなっていたかは、想像すら出来ません。金融破綻や債務超過による倒産の続出という事態も起こり得たのです。

■ 浜岡の停止も必要であった ■

浜岡原発は東海地震の活断層の上に建てられています。東北地震で周辺のプレート境界の歪が増大し、東海地震の発生確率が高まったとも言われています。

今、もし東海地震が発生した場合、浜岡原発で重大事故が発生しないとも限りません。

連続した2度の原発事故は日本の信用を失墜させ、浜岡から放出された放射性物質が、東京に大量に到達した場合、東京の首都機能は停止します。

その場合、やはり株価の暴落や、円の暴落が発生し、日本経済が突然死する可能性は低くありません。

「浜岡停止」をアメリカが4月頃から要求していたとの噂もあります。日本経済の突然死は世界恐慌の引き金を引くからです。(武田先生情報によれば、横須賀基地の保安の為だそうです)

昨日、TVで浜岡について語る菅総理を見たら、目に輝きがありませんでした。
「浜岡停止」は「英断」では無く、「アメリカの外圧」の結果なのかもしれません。

■ 「危機管理」とは「切捨て」と同義 ■

「危機管理」とは、「リスクの切捨て」と同義です。

最大のリスクを回避する為に、低位のリスクは切り捨てる必要があります。
今回、もし政府が公開すべき大きな情報を隠蔽したとしても、その事を今攻め立てても仕方が無いのかもしれません。

来るべき時が来たら、国民に事の仔細を伝え、内閣総辞職をして、国民にワビを入れるしか無いのでしょう。しかしそれは、決して「今」ではありません。

本日は、不謹慎な内容なので、色々ご意見もおありかと思ます。でも、世の中は「非情」が必要な事態も発生します。