■ ジェロニモ作戦 ■
<スポニチ より引用>
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/05/04/kiji/K20110504000753620.html
-前略-
作戦中は現場からの映像を交え、リアルタイムでホワイトハウスの作戦司令室に伝えられ、大統領やブレナン氏らが見守った。そして「ジェロニモが殺害された」と同容疑者の暗号名で殺害の一報が届くと、大統領は沈黙の後で「We got him(仕留めた)」とつぶやいた。03年、イラクを占領統治していた連合軍暫定当局のブレマー行政官が、サダム・フセイン元大統領拘束に成功した際に発した言葉だ。
-後略-
<引用終了>
今回のウサマ殺害作戦の暗号名は「ジェロニモ作戦」。
アメリカ海兵隊の特殊部隊SEALS(シールズ)が、パキスタンの首都イスラマ・バード郊外の富裕な住宅地にあるウサマの潜伏先を急襲。40分に渡る作戦の結果、ウサマを射殺しました。
主権国家の首都の近郊を軍が急襲するなど、本来ありえない事ですが、アメリカに国際法を説く行為は、馬の耳にコーランを読み聞かせる行為以下の効果しかありません。
海兵隊は大統領の命令で行動できる軍なので、議会承認もいりません。これでは議会制民主主義など無いも等しいです。大統領の一存で戦争が始められます。
「ビンラディン容疑者殺害、「許可得ず一方的」=パキスタン外務省」(ロイター)http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20932820110504
■ インディアンの英雄「ジェロニモ」 ■
作戦名に付けられた「ジェロニモ」は、アメリカ・インディアンの英雄の名前です。アパッチ族のシャーマンであったジェロニモは、インディアン達が居留地に押し込められた後も、最後まで白人(アメリカ人)と戦い、1886年に投降するまで、白人相手にゲリラ戦を行いました。
最近はインディアンをネイティブ・アメリカンと呼びますが、これはインディアンと白人の戦いを歴史の隅に隠す行為だと私は思います。かつて北米には500万人を超す先住民族(インディアン)が住んでいましたが、白人は彼らの土地を奪い、彼らを殺戮しながら領土を拡大して行きます。
結果的に95%のインディアンが殺害されまた。
アメリカ人はヒトラーを非難しますが、その建国の歴史の初期において、アメリカ人はユダヤ人虐殺に匹敵する民族浄化(ジェノサイド)を行っているのです。
アメリカの歴史は、建国の頃から血塗れてているのです。
■ ウサマをジェロニモに例える無神経さ ■
今回の作戦で、アメリカは「イスラムの英雄」のウサマに「インディアンの英雄」であるジェロニモをオーバーラップさせています。
当然の権利を求め戦う者を、蛮族と見下す無神経さを露にしています。
これは、ホワイトハウスとそれを操る者が無神経なのでは無く、イスラム教徒の神経を逆撫でする為に、ウサマをジェロニモにあえてオーバーラップさせているのです。
わざわざ作戦中のホワイトハウスの様子をリークし、オバマが”We got him"と言ったなどという、不謹慎極まり無い情報まで流して、イスラム教徒を思い切り挑発しています。
日本では、熱狂するアメリカ国民の間抜けな映像しか放送されませんが、イスラム教徒達は若者を中心に怒りに打ち震えている事でしょう。
作戦名から推測しても、今回のウサマ殺害の目的が透けて見えます。
皆さん、アメリカ人と一緒になってウサマの死を喜んでいると、痛い目にあいますよ。
尤も、痛い目にあわせるのは、イスラム教徒では無く、世界を動かす者達ですが・・。
最後にニューズ・ウィークの社説を紹介します。必読です。
「ビンラディン後のイスラム―情勢見極める必要」
http://jp.wsj.com/Opinions/Columns/node_231614