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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

イタリアがヤバイ・・・早すぎる危機

2011-07-12 03:43:00 | 分類なし
 



■ イタリアがヤバイ ■

ギリシャ問題は混迷の度合いを深めています。
フランスの提案するロールオーバーが却下され、
部分的デフォルトという案が浮上しています。
「部分的デフォルト」が「デフォルト」なのか
又もや、格付け会社が因縁を付けてきそうです。

ところで、先週末から急激に
イタリア危機がクローズアップされています。
「銀行株の売り浴びせらせ」から始まっり、
国債金利の急上昇の事態に発展しています。

これはどうも「仕掛けられた」気配が漂います。

■ 日本に似て非なるイタリア ■

イタリアは先進国の中でも国債発行残高が
GDP比で135%と高く、
それでも国債の国内消化率が高く
しかし最近のイタリア国債は、
60%が海外勢でした。

政治も決して安定した国とは言えません。
かつては少数政党の連立で、
首相がコロコロ変わっていました。

現在はメディア王のベルルスコーニ氏が
比較的長期に渡って首相を務めています。

ベルルスコーニ氏と言えば女性問題。
彼は現在も裁判中の身です。

日本では菅首相に避難が集中していますが、
イタリアの首相に比べれば、
何倍もマシに思えてきます。

■ 攻撃は銀行株の下落から始まった ■

イタリアの危機は先週末の
銀行株の攻撃から始まっています。
そして株式市場全般から、
国債市場へと危機が広がっています。

イタリア経済が急激に悪化した形跡は無く、
ギリシャの国債をイタリアが
特に大量に保有してはいません。

今回のイタリアの銀行株と国債の下落は、
あきらかに投機筋が仕掛けたものです。

■ ユーロ危機が本格化する ■

ギリシャやポルトガルはGDPも小さいので、
ユーロ危機の演出にはなりますが、
「実際の危機」のアパタイザーの様な存在です。

ところがイタリア危機となれば、
その影響はヨーロッパの他の国々に波及します。

■ 早すぎ居るユーロ危機の本格化 ■

イタリアはPIIGSの一員ですから、
その危機はある程度予測されていまししたが、
市場が予測する危機よりも
かなり早い時期に危機が訪れました。

今後イタリアの金利上昇が
イタリアの財政を圧迫すれば、
財政悪化は急速に進行し
仕掛けられた危機が、
本当の危機に進展します。

さらにはイタリア危機はユーロ危機を誘発します。

■ ドル崩壊が早まっている? ■

一方、アメリカでは未だ債務上限が引き上げられません。
オバマ大統領は短期的処置を否定していますので、
これから8月に掛けて、「米国債危機」がクローズアップされます。

さらには効用統計をはじめ、
住宅着工件数など実体経済の指標の悪化が長期化しています。
米国は「景気回復局面」では無く「二段底」に落ちつつあります。


ドルは現在、強い下落圧力に晒されています。
そこでドルの一人負けを防ぐ為
「イタリア危機」を仕掛けたのではないでしょうか?

「ドルもユーロも等しく危機」という状況を強引に演出しています。

■ 他人事ではないイタリア危機 ■

日本の財政赤字は世界最悪クラスです。

しかし日本国債はほとんど国内で消化されており、
貿易黒字国である事から、
日本国債の暴落を海外から仕掛ける事は困難とされてきました。

しかしイタリアの攻撃を見ていると、
銀行株への攻撃が先行して行われました。

現在日本の銀行は自己資本を増強する為に
大量の株式を発行しています。
そして株主の少なからぬ割合が海外の投資家です。

日本国債は国内の銀行や生命保険会社が大量に保有しています。
生命保険会社も昨今は第一生命の様に株式会社化しています。

さて、これらの金融株が暴落したらどうなるでしょうか?
自己資本が大幅に毀損して、
海外業務から撤退を余儀なくされるかも知れません。
最悪は債務超過が発生するかもしれません。

「○○銀行が危ない」などと噂が流れれば、
預金が大量に引き出される事も考えられます。

そうなれば、銀行は日本国債を売却してでも
預金引き出しに応じる事になります。

こんな事が複数の金融機関で発生すれば、
さすがに日本国債の下落は防ぎようも無く、
暴落を恐れた多くの金融機関が
われ先に日本国債の売却に走るかもしれません。

これに対し、政府は金融機関への資本注入や
一時国営化で対抗するでしょう。

その資金は何処から出るのかと言えば
赤字国債の増刷です。
しかし買い手の金融機関が崩壊寸前ですから、
国債利回りは急上昇します。

国債金利の急上昇は、日本の財政破綻を意味します。

・・・危機は意外と思わぬ所から訪れるのかも知れません。