■ 何かが始まっている ■
先週から「何かが始まっている」。
1) ギリシャは一部デフォルトを視野に入れている
2) イタリアの銀行株から始まった攻撃は、国債に波及
3) ポルトガル、アイルランドの格付けが「投機的」に格下げ
4) スペインの国債金利も急上昇
そして本日
5) ムーディーズがアメリカ国債や政府関係債の格下げを示唆
■ 「危機」の始まりなのか、「危機のふり」の始まりなのか ■
世界の資金がドルとユーロを回避して
円とスイスフランに流れ込んでいます。
円は78円台に上昇しています。
これら「危機」の始まりなのか、
あるいは「危機のふり」の始まりなのか、
判断は微妙です。
■ ドル安は、強制的な米国救済手段? ■
円売りドル買い介入を促す為、
あるいは中国のドル買いを促す為のドル危機ならば、
またもや私達のお金がアメリカに流れてゆきます。
もうこれはほとんどヤクザの揺すりの手口です。
政府・議会・FRB・格付け会社が一体となって、
日本やドルにペックする国々を恐喝しています。
「オラ、オラ・・・デフォルトしちゃうぞー」
「ドル買えやぁー。」
■ ユーロは欠陥通貨 ■
ヨーロッパはしたたかなのもで、
ユーロ危機を演出する事で
ドルと足並みを揃えています。
ユーロは元々欠陥通貨です。
ユーロという共通通貨を採用する限り
景気が後退しても、通貨はある程度強いままです。
結果、経済が悪化した国から資金が流出し、
財政赤字を膨らめる事になります。
これが財政を一つにしている国ならば、
ギリシャの財政赤字はドイツやオランダなどの
税金によって補填されます。
東京の税収が、全国に還元されるのと同じです。
しかし財政が異なるEU諸国の間では
ギリシャ一国の救済とてままなりません。
ユーロはこのまま崩壊の淵を覗く事になります。
■ 危機を利用する欧州 ■
ヨーロッパの悲願は、ヨーロッパの政治統一です。
先ず手始めに通貨と労働市場を統合しました。
しかし、これではユーロは危機に脆弱です。
そこで危機を利用して一気に財政統合の動きに出るでしょう。
ユーロのメリットはスケールのメリットですから、
全世界の通貨が危機の遭遇する時に、
あえてユーロを離脱する事にメリットはありません。
結局、ヨーロッパはユーロ危機を起爆剤に
統合の道を模索していくのでしょう。
■ 日本の経済のファンダメンタルが強い訳では無い ■
ドルやユーロに対して円が値上がりする事に対して
次の様な説明をする方達が居ます。
「やはり日本の経済は基礎体力があるから円が上昇する」
「債権国で貿易黒字国の日本は危機に強い」
円高を仕掛けられているのに暢気なものです。
きっとこの方達は最近居酒屋にも行った事が無いのでしょう。
都心はともかくとして、
郊外や地方都市の居酒屋はガラガラです。
■ スイスフランは特別である ■
円と一緒の挙動を示すスイスフランになぞらえて、
円とスイスフランこそが最強国通貨と勘違いする向きもあります。
スイスフランは特別です。
大した産業も無いスイスの通過が何故強いかと言えば、
やはり世界の怪しいお金が集まっているからです。
「ヤバイ時にはスイスフランで仕舞っておこう」の法則です。
スイスは「したたか」な国です。
過去にも「マイナス金利」を採用した事があります。
銀行にお金を預けておくと、「金利を取られる」のです。
たとえマイナス金利でも安全ならば資金はどんどん逃避してきます。
スイスフランの新券発行が2010年から2012年に延期されたのは、
スイスフランの切り上げが起こる可能性を示唆しています。
■ クサイ芝居には飽き飽きした ■
アメリカもヨーロッパも、役者の質が落ちています。
小物達が繰り広げる学芸会レベルのクサイ芝居には飽きてきました。
そろそろ幕引きとして欲しい所です。
客席に明かりが付いた時、
ポケットの中の財布が摺られていた・・・
そんな、怪しい芝居小屋に私達は迷い込んでいます。