人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

緩慢な死よりもガラガラポン

2011-07-19 07:20:00 | 時事/金融危機
 

■ 池田先生がリフレ論支持に??!! ■

池田信夫先生が、リフレ論支持者になった?

「いろいろ考えたけどやっぱリフレ論を支持します---池田信夫」
http://agora-web.jp/archives/1052119.html

よくよく読んでみると、

「日銀が民間の有価証券や不動産を1000兆円規模で買い取って、
 資金を供給すれば数%のインフレ(あるいはバブル)が起こり
 実質賃金も実質政府債務も減少し、
 年金の実質支給額も大幅に減って、
 老人から現役世代に大幅な所得移転が起こり
 日本経済の問題は一挙に解決します。」

「日銀は無責任な行動にコミットし
 ブレーキを壊す必要があります。
 白川総裁が約束しても誰も信用しないので
 大多数に人々の予想を変えるには
 白川氏を更迭して亀井静香氏が総裁に就任し、
 三橋貴明氏を副総裁にして
 理事を全て金子洋一氏や勝間和代氏などの
 リフレ派に交代させるくらいのショックを与える必要があります。」

「大インフレによって一時的には大規模な倒産が起こり、
 失業率は数十%に達するでしょうが、
 日本には生きている意味の無いゾンビ企業が多すぎるので
 この際それを一気に清算すれば
 政府が「構造改革」なんかするよりは
 はるかに早く問題が片付きます。」

「最終的には。亀井氏を更迭して「新円」に機影変えれば
 インフレは止まります。
 そいれには数ヶ月から数年かかり、
 物価がオーバーシュートして
 数百倍のハイパーインフレになって
 日本経済が壊滅するリスクもありますが、
 今のようにゆるやかに衰退するよりはましです。
 終戦の焼け跡から、
 日本は世界最高の成長を実現したのです。」


池田先生、大丈夫です。
アメリカ発の崩壊が、世界をさらなる成長軌道に乗せてくれる事でしょう。

同じ誘惑に駆られているのは、日本もアメリカもヨーロッパも一緒です。


■ 池田先生はリフレ論に宗旨変えしたのか ■

池田先生はこれまで「反リフレ論者」でした。

「日銀がマネタリーベースを増やしても、
 国内に資金需要が無いので
 資金は海外に流出し、
 国内の景気浮揚には寄与しない。」

「公共投資など政府部門の支出は
 効率が悪く、乗数効果が低いので、
 有効では無い」

「規制緩和による産業構造の変革こそ
 長期的景気回復に繋がる。」

これらが池田先生の持論でした。

「むやみにお金をばら撒けば、
 ゆるやかなインフレが発生して
 景気が回復する。」

という「成り行き主義」のリフレ論者を
池田先生は批判されてきました。

しかし上の文書を一読すると、
池田先生がリフレ論に宗旨変えしたように読み取れます。

■ 日本に対する諦観 ■

池田先生のこの文章は
リフレ論者に対する強烈な皮肉と、
日本人に対する捨て台詞と読み取る事が出来ます。

原発問題で論理的思考を展開する池田氏に対して
社会の反応は感情的で幼稚です。
日本人はあまりにも情緒的です。

これは一種社会の「優しさ」とも受け取れますが、
「甘さ」の社会と取る事も出来ます。

現在の日本にはゾンビ企業が沢山あります。
これは企業の規模によらず、
様々な業種に及びます。

本来なら、倒産してしかる企業を
国や銀行が支え続け、
雇用を確保する為に、
雇用助成制度で本来仕事の無い社員を研修に通わせます。

企業にすれば、むやみに解雇するよりマシで、
政府にすれば、見かけの失業率を低く抑え、
失業の急増による社会負担よりも安上がりという事にります。

このような中途半端は甘えの構造は
社会福祉を始め、日本のあらゆる分野に
構造的に組み込まれています。

今回の福島原発事故でも同様な構造が露呈しています。
武田邦彦先生も、「エコポイントを貰う」という表現で
婉曲に批判しています。

「自分の生命の判断を国家に預け、
補償金と自分や子供の生命を測りに掛ける」

とかつての武田先生ならば露骨に批判しますが、
現在の武田先生は「エコポイント」などと
分かり難い表現をしています。

池田先生の本意は、「責任ある成長戦略」でしょうが、
官僚も、政治家も、国民も責任を回避して
甘えの構造に沈溺する日本に
明るい未来を見出す事を諦めたのでしょう。

これこそが、「成長の限界」であり「緩慢な死」です。
「成長の限界」どんな社会システムでも発生します。
戦後60年以上を経過して、
先進国の多くは既に「緩慢な死」の途上にあります。

だからこそ、ハードランディングを
イルミナティーが模索するのだというのが
私の持論です。