■ ジム・ロジャーズは全くの正論を述べている ■
先日、ファンドの帝王、ジョージソロス氏が
クォンタム・ファンドを解散するという記事を書きました。
そのソロス氏と共同でクォンタム・ファンドを
運営していたのが、ジム・ロジャーズ氏です。
現在は引退してシンガポールで暮らしている
ロジャーズ氏のインタビュー記事を見つけました。
「私の資産は「商品と外国通貨」 日本株や日本円を保有するのは、あと数年 ジム・ロジャース」
(阿修羅の記事は違法にアップされたものの様なので
直リンクを外しました)
これが中・長期的に見た世界経済の行方なのでしょう。
日本の衰退や、農業の成長性も含め、私も全くの同意見です。
結局経済ニュースを賑わせるのは、
短期の情報ばかりです。
「株価が幾ら上がった、為替がいくら変動した・・・」
こういった情報は、ディーラーには有益ですが、
一般庶民の投資には、むしろ不用なノイズです。
私達は中・長期的なビジョンに立って、
資産管理と将来設計をすれば、
そうそう間違う事は無いのでしょう。
但し、ロジャーズ氏の意見は非常に常識的です。
しかし、世界には「非常識のリスク」も少なからず存在します。
オバマが突然ドルの終焉を宣言する・・
中東で突然戦争が勃発する・・・
東アジアで戦争が始まる・・・
東海地震と南海地震と小田原地震が同時に発生して、表日本が壊滅状態になる・・・
「そんな事起こる訳ないだろう」と言われそうですが、
ロジャーズ氏は、商品と通貨の分散投資で
非常識なリスクにも対応している様に思われます。
先日来のアメリカの債務上限引き上げ問題ではありませんが、
危機とは意図的に仕掛けられる場合も多いのです。
そして、資産運用はそれらの「非常識な危機」対する対応も
不可欠である事を、ロジャーズ氏の戦略は物語っています。
ロジャーズ氏が日本の命運を5~10年と見ている事が
少々私を悲しくさせます。
高齢化の進行や、財政の悪化など
当たり前と言えば、当たり前なのですが、
「英語の出来るスマート(賢い)日本人は、日本を離れるだろう」
という予測が、現実とならない事を希望します。
最後に、ロジャーズ氏もこれからは農業、
特にコメが重要だと考えている様です。
コメは単位面積当たりの収量が小麦などよりも多く、
田んぼに水を循環させる事で
連作障害が出ないという優れた特性を持っています。
カリフォルニアの様な乾燥地で地下水を汲み上げた稲作では、
土壌の塩分濃度が上昇したり、地下水が枯渇して
持続的な稲作は不可能です。
また稲は亜熱帯由来の作物なので
温暖な気候を好み、高緯度地域での作付けは不可能です。
世界を食料難が襲った時、
私達は日本に生まれた事を感謝するのかもしれません。