人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

前原前外務大臣と山口組

2011-08-27 08:43:00 | 時事/金融危機
 

■ 紳助引退のターゲットは前原氏? ■

どうやらここら辺の事象がある様です。

http://blog.livedoor.jp/shinichiro_suda/archives/2341244.html

真相は闇の中。

どうやら小沢氏、鳩山氏は海江田経済産業省を推すらしい。
ちょっとこれも微妙なチョイスですが、
幹事長ポストを巡る攻防だとも・・・。

民主党内のフェラ組とチャ組は、どうやら決裂したらしい。
あるいは、決裂を受けての「紳助事件」なのかも知れませ。
幹事長ポストを奪う為の脅しかも・・・。

候補者の顔ぶれ、勢いを見ていると、
今更、野田氏が当選するとも思えず、
前原代表の既成事実をマスコミが作る裏で、
幹事長ポストを巡る熾烈な争いが勃発しているのかも知れません。

という事で、幹事長ポストに小沢派が付けば、
小沢派の勝利と見て良いかと・・・。

何れにしても、今、首相になる方は貧乏クジです。
本当は経済運営に明るい方に首相をお願いしたいのですが・・・。

尤も、首相はアメリカの言いなりにならざるを得ないので、
亀井氏当たりが、微妙なポジションに居て、
政局がらみで、シャシャリ出てきて、
重要な決定をポンとしてしまうというのが、
最も機動性のある政策決定である事を考えると、
あれ・・・現在の混迷した政局こそが、
日本にとって最適だと気付くのは私だけでしょか?

アメリカが何を言ってこようが、
弱い首相では法案を議会通過させられません。
無理な要求には「政権が維持出来なくなる」と言えばいいし、
それでも無理難題を押し付けられたら、
歴代首相の様に、1年毎に交代すれば約束は反故にされます。

うーん、日本人ってなかなかズルイですね。
何か、原発の事故当初、東電の記者会見の担当が
毎回違っていたのと似ていますね。
あの時は、「顔を覚えられない為」という理由だったようです。
小物の知恵ではありますが、
「弱者の生き残る知恵」とも言えます。

裏で小沢氏が、仙石さんあたりと連携していて、
マスコミの上層部をそれを知っていながら
小沢保護の為に、小沢叩きをする・・・。

CIAが手を焼いた戦後日本の政治家と官僚の
「面従腹背」の伝統は、脈々と引き継がれているのかも知れません。
(小泉氏は例外でしょうが・・・)

本日はちょっとニヤニヤしてしまう妄想をしてしまいました。

世界経済は崖に向って前進している・・・リーマンショックを振り返る

2011-08-27 07:01:00 | 時事/金融危機


先日の記事で私自身、仕組債が良く分かっていなかったので、
補足と共に、リーマンショックを振り返ってみます。


■ 「仕組債」という発明 ■

「仕組債」はデリバティブを組み込んだ債権です。

デリバティブとは、金融派生商品の事で、
先物やスワップなどを駆使してリスクヘッジをした商品です。
非常に複雑な構造をしており、
リスクと利益が非対称な商品が多いので、
金融市場が安定している時は高い利益が出ますが、
一度、市場が不安定化すると大きな損失を被ります。

リーマンショックの際も、仕組債が危機を拡大しました。
住宅ローンはMBS(住宅担保証券)と呼ばれる証券化され販売されます。

MBSはデフォルトリスクがあるので、
デフォルトリスクをヘッジする為に、
MBSのCDSが販売されます。
CDSとはクレジット・デフォルト・スワップの略です。

CDSは債権や証券の保証を商品化したもので、
一定の保障金を支払えば、購入した債券や証券が破綻した時に
投資した金額が保障するシステムです。
元来は、債権や証券の購入者がリスクヘッジの為に購入します。

ところが、CDS単独でも流通できるので、
債権や証券の購入者以外がCDSを購入するケースもあります。
さらに、CDSを証券化さいたCDOなる商品も作られ流通しました。

CDSの利回りは、元となる債権や証券のデフォルトリスクによって決まりますが、
将来のデフォルトリスクを正確に推測する事は不可能です。
大きな危機が発生すると、CDSのリスクは急激に膨らみます。

CDSは一例ですが、デリバティブ商品を組み込んだ仕組債は、
危機が発生すると、リスクが一気に増大する金融商品です。

■ リーマンショックの下地 ■

リーマンショックは貧乏人の住宅ローン危機から始まりました。

アメリカではフレディーマックやファニーメイという政府系の住宅融資機関があります。
これらの機関は、銀行から住宅債権を買い上げる会社です。
銀行は債権を売却できるので、貸し付けたお金を即座に取り戻す事が出来ます。
そうして、資金を新たなローンに回せるので利益の機会が拡大します。

本来ローンは借り手の返済力が問題視されます。
しかし、金融機関は貸し付けたローンの債権を売る事が出来るので、
多少返済力に問題がある借り手にもお金を貸しやすくなります。

一方、債権の買い手は、リスクばかり取る訳にいかないので、
MBSという住宅担保証券を組成して、これを販売する事で、
リスクを回避します。

MBSは多くの住宅債権をバラバラにして一まとめにする事で、
信用の低いサブプライム層のローンを元に作られたMBSに
AAAなどの高い信用があるかの様な錯覚を生み出していました。
これに利用されたのが「大数の原理」です。

「個々の債権にはそれなりのデフォルトの危険性がありますが、
大量の債権を一まとめにすれば、その多くはデフォルトしないので、
3%程度のデフォルト率で収まるのならば、その債権の集合体は安全である」
という数学的イカサマです。


この様にして大量に売り出されたMBSにも当然リスクがあるので、
AIGなどの保健会社がMBSのCDSを販売しました。

MBS自体が「借金の寄せ集め」であるのに、
さらに、その「借金の保障」までも商品として販売したのです。
世界最大の保険会社であるAIGがMBSのCDSを大量に販売し、
ゴールドマンサックスなどの金融機関が大量に購入しました。

■ 金利の上昇が全ての歯車を逆転させた、金利上昇 ■

サブプライムローンの破綻は、金利の上昇から始まりました。

低い金利で供給される資金は貧乏人でも借りられます。
さらに、最初の数年間は返済金利は極限まで抑えられていますので、
無収入の人でも、住宅を購入出来ました。

アメリカでは住宅価格が値上がりすると
その値上がった金額が、新たな抵当と生みます。
住宅価格が右肩上がりに値上がりし続ければ、
たとえ無収入でも借金を繰り返して返済が可能という
あり得ない幻想の上にサブプライムローンは構築されました。

金利の猶予期間を過ぎたてサブプライムローンの金利が上がり出すと、
そもそも返済能力の無い人たちは返済が困難になります。

住宅価格の値上がり分を担保に、
低利で借金をして、返済の上昇分を補うというのが、
当初の目論見でした。

ところが金利お上昇が、このシステムを破綻させます。

アメリカの低金利を支えていたのは、
日銀が供給する低利で大量の資金です。
日銀の量的緩和は、資金需要の無い日本から流出し、
円キャリートレードという形で、
海外の債権市場を支えていました。

日銀が金利を上げたので、金利上昇が発生し、
サブプライムローンの借り換えが滞りました。
そうして、サブプライムローンが破綻し始めました。

破綻が増えた為に住宅ローンの金利が上昇し始めました。
さらに、差し押さえによる中古住宅の増加が、
住宅価格を下落に転じさせました。

住宅価格の右肩上がりの上昇によて、
新たなローンを組んで返済を続けるという
サブプライムローンのシステムが完全に崩壊し、
デフォルトが急増し、益々住宅価格の下落に拍車が掛かりました。

■ デリバティブが拡大させた危機 ■

サブプライムローンのMBSはAAA格だったので、
さらに様々なデリバティブ商品の中に組み込まれていました。

サブプライムローンの破綻は、これらの商品の信用も一気に失わせました。
これらの商品に含まれる、サブプライムローンのMBSの比率は、
それ程大きくありませんでしたが、
どのくらいサブプライム関連のMBSが含まれるか、正確に分からなかったのです。

デリバティブ商品はわざと複雑に作る事で、
リスクが判断出来ない商品へと、歪んだ進化を遂げていました。
サブプラムを含んだ金融商品が、さらに他の商品と組みわされて
をれをバラバラにして組みなおした様な商品が多数販売されていました。

こうなると、自分の持っている仕組債に、
どれだけサブプライムが混入しているか、誰にも分かりません。

この様な「仕組債」は、アメリカは元より、
ヨーロッパで大量に流通していました。
ヨーロッパの金融機関は、怪しい「仕組債」
をアメリカより多く作り出し、そして保有していました。(世界中の6割)

債権や証券の価格は市場で決まります。
これらの「仕組債」は、サブプライムが含まれるかも知れないという恐怖から、
一気に市場価値を失って行きました。

冷静に考えれば、サブプライムローンの損失はそれ程大きくは無いはずですが、
デリバティブの手法を駆使して作られた「仕組債」のリスクは誰も判断が付かず、
結果として、必要以上の価値の喪失が発生しました。

■ リーマンブラザーズの破綻 ■

全世界の金融機関が、サブプライムの恐怖におののきます。
手持ちの金融商品の価値が、あっという間に減少し、
各銀行とも手持ち金融商品を時価評価すれば
債務超過に陥りました。

幾つかの銀行が経営難に陥る中で、
投資銀行のリーマン・ブラザーズが破綻します。
米政府がリーマンを救わなかった事で
世界の金融界はパニックに陥ります。

資金の流出を恐れ、手元にドルを抱え込んだので、
ドルの流通量が一気に消滅し、
「流動性の危機」が発生しました。

資金繰りが出来なくなった銀行は、
政府に泣きつきました。
そして、政府が資金注入(事実上の国営化)をする事で、
倒産を回避したのです。

■ ゴールドマンを危機に陥れたCDSの崩壊 ■

多くの金融機関がパニックになる中で
ゴールドマンサックスだけはサブプライムローンのMBSを売り抜けていまいた。

ところが、勝ち組であるはずのゴールドマンにも危機が訪れます。

MBSの保障として発行されていたCDSは
保障していたMBSが破綻した事から、
多額の補償金を支払う義務が生じしまた。

世界最大の保険会社であるAIGは、
このCDSの支払いが出来ずに破綻の危機に陥ります。

ところが、AIGからCDSを大量に購入していたゴールドマンは
AIGが破綻すれば、CDSの損失が100億ドル発生する状況でした。

2007年12月末、議会が公的資金の注入を1票差で可決します。
AIGにも資本注入が行われ、
ゴールドマンは国民の税金100億ドルを手に入れました。

■ MBSをFRBが買い上げる ■

さらに紙切れ同然となっていたMBSをFRBが買上げました。

ゴールドマンはサブプライムのMBSを売り抜けた後、
底値で買い戻しており、
このタダ同然のMBSをFRBに売却して、又もや利益を上げました。

ほぼ一人勝ち状態となった、ゴールドマンは、
リーマンショックの直後で萎縮する金融機関を尻目に、
果敢にリスクを取って大儲けをします。
主に、コモディテー部門の儲けが大きかった様です。

リーマンショックで世界経済は萎縮し、
商品市場は必要以上に価格が下落していました。
ゴールドマンはここに投資して、大儲けしたのです。


■ 再び危機に向うアメリカ経済 ■

リーマンショックから3年が経とうとしています。
さて、金融危機は過去の話となったのでしょうか?

現在、危機が噂されているバンカメの問題は、
カントリーワイドが売り出したMBSです。

住宅市場が下げ止まらない米国では、
リーマンショック以前に売り出されたMBSが
査定の甘い融資によって作られたものだという訴訟が発生しています。

カントリーワイドの発売したMBSの殆どが、
不良商品であったとして、
バンカメは投資家から次々と訴訟を起こされています。

この事は、「MBSが未だに紙屑同然の価値」でしか無い事を物語っています。
FRBも、多くの金融機関も未だに多くのMBSを保有しています。

住宅ローンの90%以上は、現在も滞り無く返済されています。
MBSも満期まで保有すれば、利益の上がる証券です。

しかし、「市場で売買出来ない」という事は、
金融商品としての価値は、全く無いといって良いでしょう。

住宅価格は下げ止まらず、MBSの危機は拡大こそすれ、
全く解決はしていません。

■ QE3の発動は、崩壊の引き金 ■

長期金利が上昇すれば、住宅市場は崩壊します。

もしFRBがQE3を発動すれば、
資源インフレが発生し、金利の上昇圧力が高まります。

金利の上昇は、住宅市場を壊滅させ、
かろうじて均衡を保っているMBSを再び直撃します。

バーナンキは、もうヘリコプターから紙幣をばら撒く事は出来ないのです。

そして、世界は一歩一歩着実に、
崩壊の淵に向って進んでいます。

■ バフェットが50億ドルをバンカメに出資 ■

オマハの賢人、ウォーレン・バフェットがバンカメに50億ドルを出資しました。
年利6%の配当を、優先株から確保する様です。

先日も紹介した様に、バフェットは
「基軸通貨であるドルは幾らでも刷れる」的な発言をしています。

はたして、FRBはQE3を発動出来るのか・・・。


自身のファンドを解散し、市場から手を引いたジョージ・ソロスが正しいのか?
あるいは、アメリカの復活を信じるバフェットが正しいのか?

結果はFRBが追加対策を検討する9月末に持ち越されました。
しかし、決着は既に付いている様に思えます。