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「反原発」や「消費税増税」は日本の将来に影響しない・・・地方の再生と活用を語れる政党に投票したい

2012-08-08 03:20:00 | 時事/金融危機
 

■ 何を基準に政党を選択するのか? ■

巷では消費税増税を巡る内閣不信任案提出で盛り上がっています。

政治プロレスの実況はマスコミに任せるとして、
今回は、もし解散総選挙となった場合、
私達は何を基準にして、政党を選択するかという点を
考察してみたいと思います。

■ 消費税増税は選挙の見せ掛けの争点 ■

先ず第一に認識すべき点は、
「消費税増税」や、「脱原発」は、
選挙の為の見せ掛けの争点に過ぎないということ。

消費税増税が景気に悪影響を及ぼす事は、
消費税に賛成している民主・自民・公明の3党とも理解しています。
いえ、消費税増税の糸を裏で操る財務省だって、そんな事は百も承知です。

ですから、実施は2014年となっており、
その時点での景気動向によっては、増税は見送られます。

要は、消費税増税は「日本は財政赤字の削減に取り組む」という
意思表示を海外に示すだけのものであって、
アナウンス効果で、格付けを短期的に維持する為のものでしょう。

財務省の本当の狙いは、納税者番号(マイナンバー)制度であり、
消費税増税を隠れ蓑に、この法案をスルリと通すのでしょう。
今後、財政が危機的状況に陥った時、
取れる所からしっかり取る為には、
国民の所得と資産の把握が何よりも大切です。

消費税増税はあまりのも国民の反発が強いので
仮に廃案になっても構わないのでは無いでしょうか。

国民は「民主主義の勝利」を錯覚し、
その裏で、所得と資産の把握が確実に進行します。

まあ、所得のほぼ100%を捕捉されているサラリーマンにとっては、
不公平が是正されるという意味においては好ましいかもしれません。

■ 「脱原発」の旗はいつでも降ろせる ■

「脱原発」「反原発」についても見せかけの争点です。

何故なら、彼らは「原発停止」とは言っても、
「原発の解体」とは言っていないからです。

日本のエネルギー需給が悪化したり、
化石燃料のコストが高騰して経済に悪影響を与えた場合、
「原発再稼動」というカードはいつでも残されています。

原発を停止した結果、日本経済なり、人命に
明らかな悪影響が発生した場合、
移ろいやすい世論は、「原発再稼動止む無し」に傾きます。

ですから、「国民の生活が第一」や「大阪維新の会」の主張する
「原発再稼動反対」や「脱原発」は、
「政治手法」であって、「政治理念」では無いのです。

■ 選挙の本当の争点は、「戦後の日本を維持」するか、「新しい日本を目指す」のか ■

本来、選挙の争点は「戦後の日本を維持するう」のか、
それとも「新しい日本を目指す」のかの選択でなければなりません。

実は前回、民主党政権誕生の折に、
国民は「新しい日本を目指す」選択をしたはずです。

要は「コンクリートから人へ」の選択です。

ところが、民主党はおざなりんな「仕分け」でお茶を濁し、
結局のところ、勢いの衰えた自民党の様な政党になってしまいました。

■ 公共事業は必要不可欠 ■

結局、民間の景気が低迷する中で、
地方経済を支えるのは公共事業しか無く、
地域の建築土木に従事する労働者が少なからず存在する中で、
急激な公共事業の縮小は、失業率の増大を招きます。

ですから、日本の社会を維持する為にも、
官僚達は、建築土木系の公共事業を一気に縮小する事に抵抗します。

しかし、その反面、自民党の一部議員の様に、
利益誘導の温床である公共事業に復活を願う議員も居ます。

日本の財政赤字が醜く膨らみ、
大幅なインフレでも起こらない限り、
将来世代の負担が急増する中で、
不要な公共事業を増やす事は、愚行です。

日本は中年から老人になろうとする国です。
これは、国民の人口動態だけでなく、
高度成長期に整備されたインフラが、
これからメンテナンスや更新時期を迎えるからです。

後、10年も経てば、古いインフラの更新が
公共事業の大半を占める様になるでしょう。
古いインフラは必要性の高いインフラですから、
これらの更新に掛かる費用は無駄ではありません。

しかし、一方で、少子化で確実に人口が減少する地方に
高規格の高速道路を整備する事は、
完全な無駄になります。

多くの、自民党議員が、自分の選挙の得票の為に、
国家の将来など無視して公共事業を誘致しようとしています。

これは、許されざる行為だと私は思います。

■ 日本の魅力が失われれば、企業は海外へ流出する ■

現在、日本が最も危惧すべき事は「企業の海外流出」です。

例えば、無駄な公共事業の結果、
法人税率が上昇すれば、
少なからぬ企業が、海外本社という選択をするでしょう。

日産などは、香港本社を計画していますし、
パナソニックもシンガポールに本社機能を移転する計画がある様です。

日本の国内市場とアジア市場を比べた場合、
その市場規模の差は今後さらに拡大して行きます。

少子高齢化で需要の低下が確定している日本で
ビジネスを続ける限界を企業は実感しています。

法人税の上昇や、高い電気代の負担、
さらには円高による競争力の低下など、
日本に企業が魅力を感じなくなる要素は沢山あります。

■ 外需と内需はどちらが大切か ■

財政出動して内需を喚起すれば、
国内企業は復活するという意見も耳にします。

確かに日本の内需は巨大で、
日本は米国に次いで、外需依存度の低い国です。

しかし、これは外需が少ないという事と同義ではありません。
日本のGDPは巨大なので、外需も金額ベースでは充分に大きいのです。

もし仮に、外需がゼロになったとします。
さらに、仮に所得黒字もゼロになったとします。
極端ですが、日本が外貨を稼げない状態が出現したとします。

すると、日本は日本国内の第一次産業の生産量の中で
国内経済を回す事になります。

食料費輸入も絶たれ、エネルギー輸入も絶たれ、
工業の材料も絶たれたた状態は、
明治時代と同等の生産力しか維持出来ません。

コンクリートを作ろうにも、
石灰石はあっても、セメントを生成するエネルギーが無い。
ビルを建てようにも、鉄鉱石が不足する。

外需が縮小しれば、今の日本の内需は維持出来ないのです。

エネルギーや原材料を使わないサービス業を成長させれば良いという人も居るでしょう。
しかし、それとて、内需産業では外貨獲得には繋がりません。

仮にコンピューターゲーム産業が巨大化したとします。
日本人の多くがプログラマーになって、
過労死するぐらい一生懸命働いて稼ぎまくったとします。

彼らが生活する為には住居や食料が必要です。
彼らは稼いだお金で、それらを購入しますが、

食料の供給者や住宅の供給者が稼いだお金でゲームソフトを買えば
ゲームソフト産業の従事者は、仕事と給料を確保して、
又、食料や住宅を購入します。

一見、国内の景気が良好に循環している様に見えます。

しかし、確実に食料や住宅建材が消費されてゆきます。
輸入が途絶えた状態では、徐々に食料も建材も供給不足に陥ります。
これらの価格は次第に上昇し始めます。

供給不足によるインフレが発生するのです。

内需の拡大によって名目GDPは確かに拡大しますが、
インフレによって実質GDPは減少するかも知れません。

昭和30年代、40年代を思い返して見ましょう。

日本は巨大公共投資の時代で、
現在よりも外需依存度が低い時代です。

この時代、庶民にはマイホームもマイカーも夢の時代です。
所得のほとんどが、衣食費に消えてしまいます。

ちょっと例えが極端でしたが、
日本が現在の豊かな生活を享受できるのは
少なからぬ規模の外需産業がもたらす外貨が、
日本の物質的豊かを支えている事を無視する事は出来ません。

■ 外需産業は製造業だけでは無い ■

外貨を獲得する産業は、製造業だけではありません。

ソフトウエアー・ビジネス、
コンテンツ・ビジネス、
金融ビジネスなど、様々です。

アメリカは製造業の衰退を、
これらの産業によって補ってきました。

今後、日本の製造業が海外流出を余儀なくされた場合、
日本は製造業に代わる、外需獲得産業を成長させなければばりません。

■ 橋本市長のビジョンは正しい ■

大阪の橋本市長は、規制緩和や、地方行政の独立性を高める事で、
国際都市大阪の魅力を高め、産業を誘致しようとしています。

大阪をシンガポールにすると考えれば、分かり易いかもしれません。

これは、製造業の衰退が余儀なくされる状況で、
間違った選択では無いと思います。

世界の国々がボーダレス化する中で、
都市国家が魅力を競い合う時代が到来しています。

■ 新しい日本の選択は、多くの古いものを犠牲にする ■

全ての国民に対してハッピーな選択など存在しません。

橋本氏の主張は、地方や衰退産業の切り捨てを意味します。
これには多くの日本人が同意出来ないはずです。

一方で都市の住人は、橋本氏の主張に共感します。

同様に橋本氏の主張は、老人や弱者を切り捨てます。
これは老人や弱者には受け入れ難い政策です。

しかし、一方で、力のある若者の共感を生みます。

■ 地方VS都市 / 老人VS若者 / 弱者VS強者 ■

日本は衰退しつつある国家です。

余力がある内は、相反する勢力の双方の主張を両立出来ました。

今後の日本では、これまで表面化してこなかった
多くの対立が明らかになってくるでしょう。

都市 VS 地方
若者 VS 老人
強者 VS 弱者

これがこれからの日本の政治お対立軸です。

■ 負け組みの自立は可能か? ■

国家の存亡が掛かった時、
弱者は強者の犠牲になります。

地方、老人、弱者が、従来の政策の延長線上では必ず犠牲になります。

都市の発展のビジョンは既に橋本氏らが示しています。

では、「負け組み」のビジョンを示している政党はあるでしょうか?
自民党などは、従来のぶら下り型の政策しか提示出来ません。

民主党や、公明党、旧左派勢力も、福祉のぶら下り型の最たるものです。

もっと、地方の魅力を語れる政党は無いのでしょうか?
もっと、老人のパワーを引き出せる政党は無いのでしょうか?
もっと、弱者の自立を支援出来る政党は無いのでしょうか?

そこら辺のカギは、自給社会が辛うじて生き残る、
地方の自立と再生に隠されている様にも思えます。

65歳は都会では老人ですが、地方では若者です。

月収、10万では都会では生活出来ませんが、
地方では、精神的に豊かに生活できる金額かも知れません。

単なる財源移譲の地方分権では無く、
地方の秘める力によって、日本の再生を語れる政党が現れたら
私は躊躇無く、その政党に投票したいと思います。



本日は、私自身、考えがフワフワとまとまらないのですが、
「反原発」や「消費税増税」に目を奪われていると、
日本は大きな変革のチャンスを失うのではないかと心配になります。