■ 同じに育てても、「読書嫌い」の息子と、「読書好き」の娘 ■
毎年、夏休みになると娘が「お父さん本買って」とせがみます。
我が家の子供達は、小学生時代はマンガや児童書を読ませ、
中学からはライトノベルと、平易な普通の小説を読ませています。
なるべく「課題図書」や「名作」と呼ばれるものは避け、
子供が共感を覚えやすい作品を読ませて育ててみました。
大人の小説でも同時代性を持った作品に、子供は抵抗を覚えない様です。
長男は中一の時に「亡国のイージス」を読んで面白いと言っていたのですが、
そこから親離れが始まり、読書の傾向も次第に周囲の友人の影響を受け、
ライトノベルの王道的な作品ばかりを読む様になりました。
(私がライトノベルを読むのは、息子の本棚から拝借したからです。)
それも次第に興味が薄れ、だんだんと本自体を読まなくなってしまいました。
そんな息子も「ハルヒ」と「化物語」シリーズは貪る様に読みますから、
やはり子供は「面白い」ものを直感的に嗅ぎ分ける習性がある様です。
一方、娘は、読書のセンスが良い。
三崎亜紀の「となり町戦争」は、何故か小学校の学級文庫にあったのですが、
小学校6年生にして「となり町戦争」を面白いと言う子供も珍しい。
その後、「バスジャック」や「失われた町」を中学時代に何度も読み返えす程の
三崎亜紀の大ファンとなります。
「何処が良いの?」と聞いても、答えは要領を得ませんが、
彼女なりの「面白い」のツボに嵌るらしく、
読み返す度に、新しい発見をしては報告して来ます。
彼女が好きな作家は以下の通り。
三崎亜紀・・・文庫化された作品はどれも一番好きだとか
桜庭一樹・・・さすがに「私の男」は読ませていませんが、「赤朽葉家の人々」もOK
恩田陸 ・・・「夜のピクニック」「ネバーランド」は大好き
乙一 ・・・「失われた物語」は本がボロボロになる程読んでいます。
有川浩 ・・・「塩の街」が好きみたいです
伊坂幸太郎・・・「アヒルと鴨とコインロッカー」だけがマスト。
これらの作家の特徴は、文章が平易であるという事でしょうか。
一方、文章が難しくなると途端に読めなくなります。
西尾維新は「化物物語」「傷物語」で中断中。
福井晴敏は「ターンAガンダム」を読ませて見ましたが100ページで挫折。
一方、J・G・バラードの「結晶世界」は面白いと言うし、
小川洋子の「猫を抱いて像と泳ぐ」は大好きだと言うのだから、
どこに「読める、読めない」の基準があるのかは全く不明です。
さらには、女子高生らしく「携帯小説」も夢中で読んでいるから、
ジャンル自体にヒエラルギーは存在しないのでしょう。
ただ、面白いのは「一般書籍の振りをしたラノベの類似品」には否定的で、
「謎解きはディナーの後で」よりは
「文学少女」の方が余程面白いと言います。
ここら辺は、編集者の腹の中を見透かした様な発言で、小気味がいい。
■ 2012年の夏読書10冊 ■
毎年、夏になると娘や息子の為に10冊ほどの本をまとめ買いします。
中学生や高校生でも、さらには親の私達が読んでも楽しめるセレクトにする事で、
親子の会話も弾みますし、本をのコストパフォーマンスも上がります。
2012年の夏読書の10冊は、以下の通り。
有川浩・・・「レイツリーの国」
「海の底」
「図書館戦争」
「図書館内乱」
恩田陸・・・「ねじの回転 上/下」
(これに合わせて、226事件繋がりで宮部みゆきの「蒲生邸殺人事件」
を読ませたかったのですが、引越しの際に図書館に寄贈してしまいました)
桜庭一樹・・「ブルースカイ」
三崎亜紀・・「鼓笛隊の来襲」
乙一 ・・「平面いぬ。」
辻村深月・・「太陽の坐る場所」
筒井康隆・・「時をかける少女」
藤原伊織・・「テロリストのパラソル」
シリーズ物や上下巻が含まれるので、正確には10冊ではありませんが、
ちょっと大人の本を混ぜておくのが「ミソ」。
意外な作品に子供は食いつくものです。
でも、ここに「嵐が丘」を混ぜておくと、
絶対に読まないのが不思議な所。
近代の名作って、サービスが足りないのか、
それとも私達がサービス満点の書籍に慣れ過ぎてしまたのか・・・。
本日は、夏休みの高校生にお薦めの「夏読書10冊」を紹介しました・・・。
これらのタイトルは、高校生が読んでも、大人が読んでも面白いハズ。
読書から遠のいてしまった大人の方のリハビリにもお薦めです。