広島県、白滝山の風力発電 自然の景観が失われてゆく・・・。
■ 世界の再生可能エネルギブームはとっくに過ぎ去った ■
先日、日経新聞の一面に、風力発電を後押しする為に、
送電網の構築を電力会社と風力発電事業者が共同で取り組み、
政府がこれを助成してゆくという記事が出ていました。
日本は原発の再稼動がままならず、
二酸化炭素の排出の少ない再生可能エネルギーで
原発停止の不足電力をバックアップする計画をしています。
一方、世界の情勢は「再生可能エネルギーブームは過ぎ去った」です。
「オランダの洋上風力発電、コスト高で陰り」
http://www.jiji.com/jc/rt?k=2011111700309r
1)オランダは洋上風力発電を推進していた
2)1Kw当たり0.18ユーロ(17円?)の買取補助金を出していた
3)財政が逼迫する中、補助金を継続する事は出来なくなった
4)洋上風力発電は建設コストが高く、維持費も高いので補助金無しでは採算が取れない
5)陸上の風力発電私設は(低音騒音など)周辺住民と多くのトラブルを抱えている
「ソーラー発電大国・ドイツの落日 収益急減 最大手メーカー破綻」
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120405/mcb1204050115001-n1.htm
脱原発、太陽光発電の優等生と目されるドイツでも
太陽光発電は、総発電量の3%に過ぎません。
さらに、こちらも買取補助金の削減で、採算性が取れなくなっています。
この様に、再生可能エネルギーはイニシャルコストやメンテナンスコストが高く、
現在の発電効率では、事業として成り立ちません。
そこを「補助金」や「電力会社の買取義務」で誤魔化してきましたが、
結局、長引く世界不況による財政悪化で、
この矛盾だらけのエネルギー政策は世界各地で頓挫しています。
■ 二酸化炭素による温暖化仮説自体が崩壊寸前 ■
そもそも、再生可能エネルギーを後押ししていたのは
「二酸化炭素による温暖化仮説」でした。
ところが、太陽活動が低迷期に入る事が心配されだし、
NASAや日本の国立天文台が、「寒冷化」を警告する状況において、
二酸化炭素による温暖化仮説は、その存在自体が崩壊寸前になっています。
長期的には温暖化よりも、寒冷化が心配されているのです。
■ 今年の夏が涼しいのはエルニーニョの影響 ■
原発停止の状態で、大規模停電が心配されたこの夏の日本ですが、
結局、稼動した原発は関西電力の大飯発電所の2基だけでした。
関西電力は原発の依存率が60%と電力会社の中では最も高く、
原発を停止した状態では、大規模停電の危険性がかなり高かったのです。
実際に8月3日の電力需要は2682万kWで
関西電力管内の原発以外の総発電量を上回っています。
朝日新聞は、近隣電力会社からの融通で賄えたと報道していますが、
気温がこれより高ければ、近隣の電力会社とて余剰電力は底を尽きます。
朝日新聞の記者は、電力インフルラは決して停電を起さないように、
常に余剰の発電力を2割程度保持するという
社会インフラの鉄則を全く理解出来ていない様です。
これで、「大新聞」の1面なのですから、全く持ってレベルが低過ぎます。
それでも、反原発派は、今年は関西電力以外で、
原発を再稼動しないでも乗り切れたと主張するでしょう。
しかし、今年の夏が例年よりも涼しい事に皆さんはお気づきでしょうか。
気象庁はエルニーニョの発生を発表しましたが、
エルニーニョの年は日本の夏は低温傾向になります。
今年はエルニーニョが発生したばかりですから、
低温といってもい「冷夏」には至りませんせんが、
1983,1993,2003年と、日本は記録的な「冷夏」でした。
「米の緊急輸入」をご記憶の方も多いでしょう。
記録的な冷夏が10年周期で発生している事と、
エルニーニョが発生した事により、
来年の日本は「冷夏」に警戒が必要かもしれません。
一方、エルニーニョの発生は「冷夏」「暖冬」を齎します。
これは、電力需給が逼迫した日本にとっては救いの神かもしれません。
■ 楽観的気象予測で大失敗したアメリカの穀物備蓄 ■
日本の場合は「涼しい夏」が結果オーライでしたが、
アメリカはこの夏の気象予測を楽観的に行った為、
干ばつに対する警戒を怠り、
トウモロコシや大豆を中心に、穀物備蓄に影響が出ています。
今年の冬は雪が少なく、干ばつの可能性があったにも関わらず、
それを甘く見た生産量予測が穀物市場を混乱させています。
この様に、気象の予測は難しく、
今年の日本の電力需給は、たまたま幸運に救われたと言えます。
■ シェールガス革命が再生可能エネルギーブームを終焉させる ■
再生可能エネルギーブームにトドメを刺したのは、
アメリカを始めとするシェールガスの増産です。
本来採掘不可能と言われていた、硬い地層の中の天然ガスを
岩盤を砕いてガスを採掘する技術を確立した為に、
採掘可能天然ガスの埋蔵量が飛躍的に増大し、
それによって、天然ガスの相場が大幅に下落しました。
安価なシェールガスの普及と、
財政難による再生可能エネルギーへの補助金カットが
世界の再生可能エネルギーブームを終焉へと導いています。
確かにシェールガスによる火力発電は二酸化炭素を排出しますが、
最新のガスタービン発電器は、廃熱も回収すれば、
エネルギー効率が85%という圧倒的な高効率発電です。
地球温暖化があまり経済的なメリットを生み出さない一方で、
経済的にメリットの大きいシェールガス発電が普及しだし、
結局、経済原理によって再生可能エネルギーブームは終焉に向います。
■ ガスタービン発電機は、航空機のエンジンだった ■
ここで注目すべきは、シェールガスのタービン発電機が
実は航空機のエンジンを流用したものであるということです。
日本で導入されている発電機も
GE製であたり、ロールスロイス製だったりします。
これらの会社は、民間航空会社にも航空エンジンを供給していますが、
軍事用のエンジンも開発する大企業です。
隙間産業的な風力発電や太陽光発電会社が、
「緑の党」などの、市民運動に支援されて成長したのに対して、
ガスタービン発電機は、政治家にも影響力を振るう軍事産業が支配しています。
■ 原発を新たに建設出来ない日本に、発電機とシェールガスを売り込むアメリカ ■
福島原発事故により、日本では将来に渡り、
新規の原発は建設不可能になりました。
GEやウエスティンハウスなどのアメリカ(日本と合弁ですが)の原発メーカーは
今後、日本で新規の原発建設の受注は不可能です。
しかし、原発の再稼動が出来なければ、
日本にガスタービン発電機とシェールガスを売り込む事が可能です。
その結果、使用出来ない原発の維持コストと廃炉コスト、
さらには、核燃料は廃棄物の保管コストが電力料金に圧し掛かります。
そして、天然ガスの輸入量の拡大あ、日本の貿易収支を赤字にしました。
これは、必ず国民の生活の負担と、日本経済の衰退という形で、
私達を苦しめるはずです。
■ 菅首相を初め市民引導の残党と、情緒的判断しか出来ない反原発が日本を衰退させる ■
私は反原発活動家達と、民主党の左翼活動家達の成れの果てが会談する
上の映像を見て、唖然としてしまいました。
こんな、正式な場で帽子も取らず、
論理的な理論展開も一切出来ない「にわか反原発活動家」と、
かつての反原発の夢を再び追い始めた、
賞味期限切れの左翼政治家達が、
日本のエネルギー行政を歪めようとする姿に怒りを抑えられません。
確かに菅首相の福島原発事故時の行動力を私は高く買います。
しかし、反原発を政治的に利用しようとする、
今の菅元首相を私は全く支持出来ません。
■ 中東有事一発で高騰するシェールガス ■
国家のエネルギー政策は、常に有事を想定して行うべきです。
もし中東で戦争が始まれば、
世界のエネルギー価格は急騰します。
シェールガスでさえ、例外では無いのです。
もし、その時原発の再稼動がまま成らなければ、
日本の発電コストは跳ね上がり、
さらには貿易赤字が瞬く間に積み上がってゆきます。
国内の製造業は、高い電力コストを嫌気して、
工場を海外に次々に移転する事でしょう。
この様な不安定でエネルギー政策で経済が破綻した時、
官邸の周りを取り巻く人達は何と言うのでしょうか?
「政府の無策が原因だ」と言うに決まっています。
このような「無責任な市民」に翻弄される「議会制民主主義」には
根本的な欠点があり、それが、先の戦争を招いた事を日本人は自覚すべきです。
根本的な問題は、危険でないレベルの放射線を危険とプロパガンダする
世界を支配する人々ではありますが・・・・。
<追記>
石油や天然ガスのコストが高騰したら、
再生可能エネルギーの採算性が向上するという意見もあるでしょう。
しかし、石油の高騰は、物価に反映されますから、
太陽電池パネルや風力発電機の製造、設置コストも同様に高騰します。
ですから、現在設置されている再生可能エネルギー以外は、
従来エネルギーとのコスト差が逆転するとは思えません。
そして、現在、再生可能エネルギーの発電シェアーは1%程度です。
こんな物に国のエネルギーの未来を託す事自体がナンセンスと言えます。
無駄の生産こそが経済成長の原動力と言うのならば、
再生可能エネルギーこそが、その最たる物なのかも知れませんが、
日本各地に取り残された風力発電機が、
経済大国日本の墓標とならない事を切に祈ります。
・・・最近マジメな記事が多いので、
本日は思い切りベタなアニメ記事でも書こうと思ったのですが、
上の映像にあまりのショックを受けたので、
マタマタ、煽り気味の記事になってしまいました。
明日は絶対に、「アニメ・ネタ!」