■ 新年恒例企画 「人力で初詣」シリーズ ■
新春の雪を被った富士山。(検見川浜から)
2013年がいよいよスタートしました。
皆さん、明けましておめでとうございます。
さて、元旦と言えばこの企画、「人力で初詣」もう5回目になります。
実は12月の初旬にひいた風邪が全然直らなくて、
かれこれ一か月あまり、咳が止まりません。
元々、左の気管支が少し弱いので、
5年に1度くらい、一冬中、軽い気管支炎が続く事があります。
そんなこんなで、ほぼ1か月、運動らしい運動をしていません。
さぞ、体重が増えたと思いきや、逆に体重が減った・・・。
多分、筋肉が落ちたからでしょう。
だから、今年は「マラソン初詣」はパス。
そうなれば、自ずと自転車で初詣となります。
■ オールド・カスタムMTBを手に入れた ■
実は年末にヤフオクでオールド・マウンテンバイクを手に入れました。
イギリスのRALEIGHというメーカーが90年代にアメリカで製造した、M80というMTB。
クロモリのダブルバデット(パイプの肉厚を2段階に変化させ軽量化)、
ダウンチューブは太目のパイプをハンドル側は縦に押しつぶして楕円に、
ペダル側は、横に押しつぶるという、少し変わったフレームです。
当然、サスペンションはありません。
これにドロップハンドルを装着して、
シクロクロス風にアレンジしてあります。
フロントシングル、リア6速。
タイヤは26インチのブロックタイヤ。
クロモリのフルリジットのMTBは街乗りで非常に便利です。
歩道の段差なんて、ガンガン乗り越えてゆきますし、
パンクの心配もあまりしなくて良いので安心です。
太目のブロックタイヤもクッション性は抜群。
ただ、100Kmを越える長距離を走るには、やはり車体の軽いロードが向いています。
MTBはギアー比が低いので、高速巡航には向きませんし、
重たいブロックタイヤで長距離や山登りはちょっとキツイ。
まあ、体調も悪いので、辛ければ近場のお寺か神社に行先を変更しても良い・・・
そんな、いい加減な気持ちでスタートした今年の「人力で初詣」
目的地はズバリ、鴨川!!
■ 平地は良いけど、登りがキツイ ■
重たく、路面抵抗の多いブロックタイヤですが、
平地を走行する分には、あまり問題無いようです。
ギアー比が低いので、ペダルも軽めで楽に走れます。
但し、最高速度は制約を受け、30Km/h巡航はちょっと無理。
その分、空気抵抗で体力を奪われないので、結構イケソウな気がします。
いつもの様に、小湊鉄道の牛宿から養老清澄ラインに進路を取ります。
ここから、道が蛇行する養老川を渡る度に、
緩やかなアップダウンが連続し、
さらに、途中、キツイ坂が2つ程あります。
イヤーーー、上り坂、キツイ!!
MTBはリアーのギアーが大きいので、
一番軽いギーアーにすれば、急な坂でも結構登れます。
しかし、軽いギーアーでクルクル漕いでも、ほとんど進みません。
その代わり、乳酸が太腿にガンガン溜まります。
もう、腿パンパンです。
「正月早々、どういう罰ゲームだよ」とボヤキながら養老渓谷に到着。
ここまで、70Km。
養老渓谷で足湯に浸かっていたら、
高校生くらいの女子が先客でした。
彼女、カバンから時刻表を出して見入っていました。
これって、今はやりの「鉄女」ってやつですね。
小湊鉄道は、鉄道ファンには人気のローカル線です。
さらに、上総中野で「いすみ鉄道」に接続するので、1粒で2度オイシイ。
ちょっと、話しかけようかと思いましたが、
グラサンでボウズ頭のオヤジに怯えてしまいそうなので止めときました・・・。
■ 両腿がつりっぱなしで、ようやく麻綿原に・・・ ■
養老渓谷で小湊鉄道に乗って帰りたい誘惑に打ち勝って、
一路、麻面原高原を目指します。
会所から先は、ひたすら登り。
最期は山登り・・・・。
両腿の前が、ずっと攣ってます・・・。
でも、ペダルを回していた方が、歩くよりも楽。
最期の坂は、休み休み、どうにか登ります。
「正月早々、どういう罰ゲームよ」と再びボヤク頃、
ようやく、麻綿原高原に到着です。
毎年、7月中旬頃より山を埋め尽くすアジサイも、
真冬の今は、この通り。
■ ダート走行。この為にMTBを漕いで来た!! ■
いつもなら、ここから坂を一気に下って、天津小湊に出るのですが、
今日の目的は「初詣」。
実は、麻綿原高原の隣の、「清澄山」は「清澄寺」というお寺があります。
日蓮上人が若い頃修行して、得度したのがこのお寺。
杉の大木がうっそうと生い茂るこの深山のこの寺は、
南房総の観光地の一つでもあるます。
そして、麻綿原高原から清澄山へはハイキングコースでしか行けません。
そう、だからぞこ、重たいMTBでワザワザ出動したのです。
いつもはロードなので、指を咥えて見てるしかなかったダートコース。
本日は、思い切り楽しめます。
・・・・って、もう既に足が残っていませんが・・・。
ハイキングコースの入り口は厳重にバリケードで固められています。
「車輛通行止」と書いてあります。
自転車って・・・「軽車輛」とか「自転車」って書いてないからイイカ?
多少、良心が咎めましたが、バリケードの隙間から自転車が通れるので・・・。
ここからは、山道が3Km続きます。
緩やかなアップダウンを繰り返しながらも、基本は登り。
比較的道幅が広いので、初心者でも安心のコースです。
実は、MTBで山道って初めて走ります。
いつも、街乗り専用なので。
イヤー、面白い。
ちょとしたブレーキングでテールが流れるのでスリル満点。
さらに、軽いギアーだと、結構坂も登れます。
小枝を踏みしだきながら、小石を弾きながら・・・
ウーン、ブロックタイヤって、こういう目的で使うもんだよな・・。
実は、私、マウンテンバイクって理解出来ませんでした。
何んで自転車で山を走らなければいけないの?
そう思っていました。
しかし、実際に山道を走ると、ロードには無い楽しさが一杯。
スリルも一杯。
流石に初心者だから、あまりスピードは出さないけれど、
登りだけでも、この楽しさはクセになりそうです。
ただ、道を荒しそうで、良心が傷みますが・・・。
そうこうしている内に、突然視界が開けます。
房総の山並みに向こうに、太平洋が広がります。
■ 日蓮宗4大霊場の一つ、清澄寺 ■
山道が終わり、舗装道路に出ると、直ぐに清澄寺の山門が現れます。
771年開山で、山岳信仰の場でもあります。
日蓮上人が若かりし頃修行し、
出家得度および立教開宗した寺として
久遠寺、池上本門寺、誕生寺とともに日蓮宗四霊場の一つです。
ちなみに誕生寺は、清澄山の麓、海に面した天津小湊の街中にあります。
その名の通り、日蓮が生まれた寺として、多くの人の信仰を集めます。
山門の仁王は、あまり怖くない・・。
素朴と言うか・・・どこかのオッチャンみたいなお顔です・・・失礼。
境内でひときわ目を引くのは杉の巨木。
「清澄の大杉」と呼ばれ、国の天然記念物に指定されています。
正月ですが午後4時なので、人手のピークは過ぎている様です。
1682建立の本堂。
読経の声がスピーカーから流れていますが、
さすがは日蓮宗の4大霊場だけあって、迫力があります。
この鐘楼は新しく、平成7年に出来たものだそうです。
1647に建立された中門。
2度程改修された様ですが、当時の風情を良く残しています。
県の指定文化財です。
中門の柱には「道場」の看板が。
1647年建立の庫裏。現在は改修中でした。
こちらはクスノキの巨木。
「大楠」と呼ばれ、県の天然記念物です。
境内の池はモリアオガエルの産卵場所として知られています。
池の上にせり出した杉の葉に、モリアオガエルが泡状の卵を産み付けます。
こちらも県の天然記念物に指定されています。
私が高校生の時、カエルの卵の真下の池の中で、
蛇がオタマジャクシが落ちてくるのを待っている所を見ました。
天敵は一枚上手という事でしょうか・・・。
実は、清澄山は野生ランの生育地として、マニアには知られた場所。
杉の巨木に、野生のセッコクやフウランが着生していて、
台風の後などは、それが地面に落ちていると言われています。
高校生の頃、友人とランの採集に来たことがあるので、
清澄山は、私にとっては思い出の場所です。
境内の屋台をスナップ。
しかし、縁日のお面って著作権とか無視ですよね。
そんなヤボな事、言いこなしですが・・・。
■ 海までは一気に下ります ■
日没前には鴨川に着きたいので、
おながが空いたのを我慢して、清澄寺を後にします。
海までは標高差300mの一気の下り。
道幅が広いので、スピードが出ますが、
オールドMTBのカンチブレーキは効きが渋い。
ブロックタイヤも接地力が弱そうで、
ロードの様にはコーナーを攻められません。
元旦なので、直線以外は安全運転で下ります。
ビュンビュン風を切って、指先が冷たくなる頃に安房天津に到着。
■ 新春の房総の海、そして鴨川 ■
海岸線に出たのは、日没直前。
出発が9時と遅かったので、どうにか暗くなる前に鴨川に着きそうです。
新春の房総の海は穏やかでした。
鴨川へは、暗くなる前に到着。
一応、お約束なので「鴨女」を写真に収めます。
実は、この文理開成高校は、経営破綻した様で廃校になるようです・・・。
マドカの母校が無くなっちゃう!!
こちらもお約束の一枚。
『輪廻のラグランジェ』の鴨川タイアップには色々な意見がありますが、
私にとっては、マドカが暮らす街として、鴨川に来る楽しみになっています。
彼女達が、この砂浜に居る様な、そんな錯覚に囚われます。
■ 本年もよろしくお願いします ■
お土産の干物を買って、駅で自転車を畳んだら
後は特急に乗って一気に帰るのみ。
しかし、今回の「人力で初詣」は辛かった・・・。
もう、ほとんど「ジャージ部魂」だけで乗り切ったって感じ。
2013年、どんな苦難も乗り切れる気がしてきました。ファイトォー!!
皆さんにとっても、本年がステキな年になりすように、
霊験あらたかな清澄寺に祈願してきました。
お賽銭の額は45円だけど・・・・。
「始終ご縁」が我が家の決まりです。