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「マイルドヤンキー」とネトウヨ・・・知られざる国民の4割

2017-10-01 05:27:00 | 分類なし
 

■ 最近「しまむら」にハマっています ■

最近「しまむら」にハマっています。

自転車で急な雨に降られてずぶ濡れになったり、暑さに我慢出来ずに自転車のウエア―のいままで海水浴場で泳いだりした時に、私は替えの衣類を「しまむら」で現地調達します。田舎に行くと、少し大きな街には必ず国道沿いに店舗があり、価格も安いので大助かりです。

私はだいたいスポーツウエア―と下着類を買うのですが、下着は安くて着心地が良い。Tシャツなども意外にカッコいい柄があったりして、普段着に着ていると友人から「それ良いね、どこで買ったの?」と聞かれます。「あ、これ、しまむら。」って答えるのが快感になっています。

■ 「しまむら」と「マイルドヤンキー」 ■

「しまむら」に行くと気づくのですが地域によって品揃えに特色が有ります。都会の店舗は基本的にオジサン・オバサン向けのちょっとダサめの服と、子供や若い人向けの微妙に派手なプリントの服や、妙にファーが付いたりしたフワフワした服が多い。

ところが、田舎に行くと何故だか若者向けの品揃えに迷彩ガラが多くなります。私も娘のアパートに急に泊まる時などに普段着を買いますが、家に着て帰ると家内が「何、ヤンキーみたいな服」って笑います。ジャージやスエットも、何故かヤンキーっぽい雰囲気が漂います。

先日、千葉市内で電車の前の座席に座っていた中学生が「しまむら」のジャージの上下を着ていたのですが、彼は髪型から眉の形、目つきまで、明らかにヤンキー風。

思わずスマホで「しまむら ヤンキー」と検索すると、「マイルドヤンキー」なる言葉がヒットした。

1) 地方に多く生息する
2) 低学歴、低収入
3) ヤンキー風であるが、ヤンキーでは無い

4) 地元を愛していて、地元から外に出たがらない
5) 好きな言葉は「絆」
6) 家族や友人を大事にする
7) 好きあアーティストは「皆で努力する」EXIL(イグザイル)

8) 「しまむら」で服を買う
9) 子どもの時から、ちょっと派手な安い服を親が着せる
10)ヤンキー風の身なりを好む
11)30を過ぎても茶髪や金髪
12)子供は短髪で襟足を一部分だけ伸ばすなど、独特の髪型

13)車は軽のワンボックス、コスパの良さを得々と話す
14)コスパ重視の軽ワンボックスを無駄にドレスアップしてコスパを落としている
15)コンビニのコーヒーに詳しく、コスパの良さを説く

16)日本を軽視する中国や韓国を許せないと思っている
17)従軍慰安婦問題や、尖閣問題を熱く語る

概ね、上記の様な特徴を備えているそうです。

思わず「ある、ある!!」って電車の中でポンと手を叩いてしまいそうになりました。

■ 日本の消費の4割はマイルドヤンキー層が支える ■

実はマイルドヤンキー層というのは日本の人工の4割近くを占めるとの推察もあります。

大手企業のマーケッター達は、いかに商品を売るか時代のトレンドを日々探していますが、彼らの多くは都会の人達をターゲットにしています。「オシャレ」とか「スマート」というのが彼らの作り出す商品の共通の要素。

ところが、これらの商品の消費者の反応は芳しく無い。都会では売れても、地方では売れなかったりする。トレンドが掴みきれない・・・これがマーケッタ―達の悩みらしいのですが、実は彼らは「マイルドヤンキー」が地方における消費の主体である事を知らなかった。

マイルドヤンキーは都会の人達とは異なる価値観やセンスを持ち、その数は日本の人口の4割にも相当するとも言われています。この層にアピールしなければ大ヒットは生まれないらしい。

「しまむら」が地方でユニクロよりも指示されるのは、「しまむら」がマイルドヤンキーのニーズを的確に捉えているからで、都会のセンスを基準とするユニクロはこの層を取り込めません。

■ ネトウヨと共鳴するマイルドヤンキー ■

実はマイルドヤンキーは今後、政治的にも大きな存在感を示すと私は考えています。

ネトウヨと呼ばれる人達は、最初は学力の高い若者の間から生まれました。SAPIOや正論なんていう保守系の雑誌を読む様な人達が「戦後の自虐的な歴史感はおかしい」という思想の染まり始めます。ネトウヨ的な言論の一般化に大きく貢献したのは週間SPAで連載されていた「ゴーマニズム宣言」という小林よしのり氏の漫画です。これによって多くの若者が「戦後史の呪縛」から開放されます。

この世代はバブル崩壊後に成人した人も多く、「就職氷河期」など呼ばれた様に高学歴でも高収入の職に付けず、「不満」を抱えた世代です。

この時期、中国や韓国の台頭は著しく、同時に小泉政権の政治姿勢に中韓が不満を募らせた時期でもあります。教科書検定問題や、従軍慰安婦の問題を中韓が厳しく追及する中で、日本の若者達の中に「卑屈な闘争心」が生まれる様になります。

この「卑屈な闘争心」あるいは「空虚な虚栄心」にネトウヨ言論は見事にアピールします。「日本の実力はこんなモンじゃない!!」「中国や韓国なんて日本のマネをしているだけだ」と彼らは考えたのです。

彼らは日々の生活の不満や怨嗟を、中国や韓国に向ける様になり、ネットによってこれは拡大再生産されて行きます。

初期のネトウヨはコンピューターを自在に扱える都会の若者の中で生まれますが、ネットやスマホの普及によって、あるいは大衆的な雑誌やTV報道によってネトウヨ的な思想は広く全国に浸透して行きます。

初期のネトウヨ言論は「修正史観」を中心に構築されていましたが、そこからアカデミックな要素がスッポリと抜けて「中国や韓国は歴史を捻じ曲げて、ナマイキ!!」といった感情的な物だけが拡散して行きます。

都会に比べて所得が低い地方の若者の多くは不満を募られていますが、その簡単なはけ口が「中国や韓国はナマイキ」という形でポンと与えられます。

又、マイルドヤンキーの彼らにとって「日本人は大事な絆で繋がれた仲間」なので、「日本人を悪く言う中国人や韓国人は許せねぇ!!」となる訳です。

こうして、日本の人工の4割を占めるとも言われるマイルドヤンキーは、ネトウヨ言論と親和する事で、憲法改正にも肯定的です。

尤も、日頃彼らは選挙に行かないので、彼らの影響は政治的には目立ちません。しかし、国民投票という「「お祭り」が始まれば、彼らもきっと投票所に足を向けるはずです。そしてその時、マスコミの多くの関係者が、想像以上にネトウヨ化した日本の実態に気づくはずです。

そう、都会のマスコミ関係者の多くが、企業のマーケッター同様にトレンドを見誤っているのです。