■ 小泉元首相と同じ政治手法の小池百合子 ■
小池百合子氏の政治手法は、一言で言ってしまえば「ポピュリズム」。とにかく「大衆を扇動」する事が上手。
1)争点を明確にする
2)敵を悪者に認定して徹底的に攻撃する
3)自分をヒロインに演出する
都知事選挙では・・・
1) 豊洲の危険性を不必要に煽り、存在しない「危険」によって豊洲移転を争点とした
2) 豊洲移転を決定した石原元知事や都議会自民党を徹底的に攻撃した
3) 悪の都議会自民党と戦う自分を上手にヒロインに仕立て上げた
この政治手法はかつての小泉元首相に似ています
1) 郵政民営化を争点とした
2) 郵政民営化に反対した議員を「抵抗勢力」と認定して攻撃・排除した
3) 既得権と戦う自分をヒーローに仕立てた
これにはマスコミの協力が不可欠です。大量の情報を国民に送り続ける事で、国民は洗脳されて行きます。
■ 小池百合子氏が殲滅したのはリベラル勢力 ■
今回、希望の党を立ち上げ、自民党に真っ向勝負を挑んだ小池百合子氏ですが、都議選の時と何だか雰囲気が異なります。
1)国民が争点と考える「森友加計疑惑」に関して「忖度が強くなった」程度の批判に留め
「消費税増税中止」「原発廃止」という耳障りの良い政策を争点化しようとしている
2)安倍政権に対する批判もいつもの「個人の人格攻撃」的な徹底さに欠いている。
都議選で共闘した公明党への攻撃を、希望の党候補者に禁じている(公明党は政権与党)
一方で、希望の党への民進党議員の参加に際して「安全保障と改憲」の踏み絵を迫る
3)個人的にはヒロインと言うより、絶滅寸前のリベラル虐めに見える
小池氏本人が衆議院選挙に立候補すれば、「安倍政権打倒」の本気度が国民に伝わりますが、それもしない・・・らしい。(前言撤回は彼女のお家芸なので100%ではありませんが)
森友・加計問題を争点にして安倍首相を個人攻撃すれば、ある程度の票が集まるのに、どうもそれもあまり乗り気では無いらしい。
一方で、民進党を解党して、リベラル勢力の凋落ぶりを世間にアピールする事には、小池氏、マスコミともに余念が無い様です。
立憲民主党を旗揚げした方達・・・・「落ち武者」といった風情が漂っています。さらに、民進党との野党共闘で久々に存在感を高めていた共産党は・・・小早川が敵側に寝返った豊臣方みたいな気分を味わっています。
面白いのは自民党で、選挙後の共闘を睨んでか、希望の党の攻撃の手が緩やかです。各選挙区の候補は死活問題なので苦々しく思っているのでしょうが、自民党の主だった方々からは「同じ志を持つ者、お互い頑張りたい」みたいな余裕な発言が聞かれます。
■ 安倍首相辞任のシナリオ ■
安倍首相は勝敗ラインを「自公で過半数」としています。それを割れば責任を取って首相を辞任すると思われます。
希望の党の結党前までは、「さすがに自公で過半す割れは無いだろう」と思っていましたが、今となっては過半数割れは十分にあり得ます。
そうなると安倍総理の辞任が濃厚になりますが・・・これ、今後の国会運営を森加計問題で紛糾させない為には最良の手かも知れません。
自民党の総裁=総理もフレッシュな人に交代させ、小池氏と共同で「憲法改正の必要性」や「国家安全保障の考え方」を国民に真摯に説明する姿勢を示すのでは無いか。岸田氏や河野氏なら国民の受けも良いかも知れません。
又、安倍氏に虐げられて来た石破氏なども適任かも知れません。
何れにしてても、自民・公明・希望・維新による2/3以上の議席獲得は確実な訳で、憲法改正論議は一気に加速するでしょう。
■ 正しい事が国民の利益になるとは限らない ■
私個人としては憲法を改正して、自衛隊をきちんとした軍隊として統制する法整備は重要な事と考えています。ですから憲法改正には賛成です。
しかし、それが日本の為になるかどうかは・・・疑問にも思っています。
必ずや自衛隊は中東の戦争に駆り出されて、今以上の危険な任務に当たり、犠牲者も出るでしょう。東アジアにおいても、アメリカの軍事的影響力の低下を、日本や韓国などが補う事が増えるでしょう。
・・・こんなはずでは無かった・・・そう国民が感じる事も増えると思います。
これは「国際貢献」という言葉で正当化されるのでしょうが・・・正義はいつも強い者の味方をします。少なくとも日本の国民は、敗戦国の国民として、いつでも世界の弱い国や人達に同情的でした。強者の理論で彼らに自衛隊が銃を向ける事は許しませんでした。
この、戦後日本を貫いていた正義がどこまで守れるか・・・実は憲法が改正されてから、日本人の正義が試されるのかも知れません。