何度も書いているので繰り返しになりますが、
金融株の下落が世界的に止まりません。
9月以降、金融危機が再発するならば、
多分こんな状況が発生するのでは無いか。
ちょっと雑な記事ですが、
今朝の妄想を書いておきます。
■ 9月危機 ■
9月から世界の金融機関は総崩れ状態になりそうです。
各金融機関は、市場の収縮を予測して
万人単位の人員削減を始めています。
香港上海バンクがアメリカの全支店を売却したのを筆頭に、
バンカメ、ゴールドマンなど、軒並み投資部門を縮小しています。
銀行のCDS(クレジットデフォルトスワップ)のスプレッドは、
軒並みリーマンショック時を上回っており、
世界的な金融危機は不可避となっています。
時期的には9月から始まり、10月頃に世界は騒然としそうです。
■ アメリカ ■
口火を切るのは、バンカメでしょう。
モルガンスタンレー、シティーあたりが追随しそうす。
ドル危機がクローズアップされると、
金FET取引から金現物へのシフトが起こり、
実物金の裏打ちの無いまま大量に金FRTを発行したJPモルガン当たりも
金の取り付け騒ぎを起こしそうです。
■ ヨーロッパ ■
ヨーロッパではイタリアの銀行が既に株価急落で
株式の取引が停止され始めています。
50倍を越えるレバレッジを掛けていたドイチェバンクも
デレバレッジが加速すればかなりヤバイ事になりそうです。
ヨーロッパのメガバンクはどこも似たり寄ったりで、
ヨーロッパの国債危機が進行すれば、
ソシエテ・フランスや、ドイツの州立銀行なども
経営が悪化しそうです。
実はデンマークとスイスが密かにかなりヤバイらしい・・。
特にスイスの銀行は金策に走り回っているが貸してが無く、
ロシアに泣きついている様です。
■ 日本 ■
三菱はリーマンショックで潰れかけたモルガンスタンレーを救済し、
現在筆頭株主です。
モルガンスタンレーが潰れる様な事があれば1兆円規模の損失。
日本の銀行はデリバティブ取引の損失は少ないでうすが、
自己資本比率の問題が発生します。
資本比率に預金の占める割合の日本の銀行は、
株価下落等で自己資本が低下するとBISの規定に抵触し、
国際取引が出来なくなります。
自己資本を補充する為に株を発行して増資を図ろうにも、
株価が8500円代を目指して下落している状況では、
株価の希釈化を招く増資は、むしろ銀行株の下落を加速させます。
■ 世界的に融資が引き上げられ始めた ■
各銀行は資産が急速に不良債権化する中で、
融資を急速に引き上げ始めました。
先月、ドイチェバンクは韓国から資本を引き上げようとしましたが、
韓国の裁判所がドイチェバンクの口座を凍結してしまいました。
急激な資本引き上げは、韓国経済を崩壊しせるからです。
口座凍結自体、あり得ない処置ですが、
それ程までに韓国はヤバイという事です。
韓国ばかりでは無く、アジアの新興国はどこも同じ状況です。
シンガポールなども完全にバブルですが、
中国ばかりでは無く、これらの国々でバブル崩壊が近づいています。
■ 金融機関を救済出来ない国家 ■
リーマンショックの際は各国は銀行を一時国有化するなどして、
危機をしのぎました。
これは、銀行の不良債権を国家に付け替えただけで、
各国の財政状況を急激に悪化させました。
今、もし、リーマンショック以上の金融危機が発生しても
各国政府は銀行に資本注入する事は出来ません。
もし、国債を増発して、銀行を救済すれば、
各国の国債は信任を失い暴落します。
各国の銀行を国債をたっぷりと溜め込んでいますので、
国債の暴落は、金融機関の破綻に直結します。
■ 通貨が信任を失う ■
ドルやユーロや円がどうこという事では無く、
全ての紙の通貨や、資産が価値を失う事態が訪れます。
最後の手段は中央銀行による資産買上げですが、
これは通貨の垂れ流しを意味しており、
高インフレが発生します。
財政赤字をパンパンに膨らめた現状で、
インフレが発生すれば、金利が上昇し、
国債の利払いはハネ上がります。
国債金利を支払う為に、大量の国債を発行しなければ成りませんが、
買い手は既に中央銀行しか居ない状況になっているはずです。
結局、各国紙幣が単なるプリンティング・マネーと化す訳で、
これは通貨が信任を失う事を意味します。
■ 利益はどこへ行ったのか ■
それでは私達の利益は何処へ消えたのでしょう。
そんな物はとっくに誰かのポケットの中です。
現在の世界は債権金融システムが肥大化して、
借金を借金で穴埋めする事を「利益」と言い換えていたに過ぎません。
シャドー・バンクシステムは、返済時期が来れば崩壊するのは当然です。
■ 借金がチャラになる ■
高インフレ(広義のハイパーインフレ)が発生すれば
国家や金融機関の借金は相対的に目減りします。
金融機関の破綻は、借金の踏み倒しと同意ですし、
国債のデフォルトも他国に対しては、借金の棒引きです。
住宅ローンなど個人の借金もインフレが進行すれば、
負担が軽くなりますが、所得がインフレ率と同率では上がらないので、
個人がインフレの恩恵に預かるまでにはタイムラグが生じます。
■ 企業倒産の嵐 ■
日本では既に銀行は融資をあまりしていませんが、
世界的金融危機が発生すれば、融資は急速に減少し、
企業の経営環境は悪化します。
個人消費も激減しますので、
世界は「不況」に逆戻りします。
消先進国における消費の落ち込みは、
新興国経済にも重大なダメージを与えます。
中国はリーマンショック以降、大量の元を発行し、
不動産バブルによって、成長率を維持してきましたが、
不動産バブルも崩壊寸前です。
次の消費減退を凌ぐまでには、中国の内需は成長していません。
結局、世界はデカップリングをする事が出来ずに、
世界同時不況=「恐慌状態」を向えそうです。
■ 預金は守られるか ■
「1000万円までなら預金は保障される」というペイオフですが、
積立金の総額は8兆円程度。
http://www.dic.go.jp/newzaimu/shiryohen3-2.html
さらにその内の1兆円程度は、国債などで運用されています。
もし大手銀行数行が同時に破綻する様な事態が発生したら、
8兆円程度で、全ての預金が保護されるとは思えません。
メガバンクですら破綻する状況で、
地銀や信金などが無事でいるとも思えません。
巨大な金融危機が発生したら、
銀行のシャッターが開かないという事態になります。
当然、ネットバンクやATMもシャットダウンでしょう。
預金は銀行に現金としてあるのではありません。
預金は貸し出されているので、銀行には返すお金が無いのです。
こうなれば、タンス預金か貸金庫が一番安全と言う事になります。
■ 金は安全か? ■
金は既に過大評価されています。
現物金の100倍は発行されているという金FETは論外ですが、
現物金も3000ドル位がピークでは無いでしょうか。
今後、金価格は急激に上昇し、
どこかで崩壊します。
通貨防衛の為に、金の自由市場を閉鎖するという荒業を使われたら、
我々庶民には、対抗する手段はありません。
後は国家が金を接収するだけです。
裏の市場は存在するのでしょうが、
庶民がアクセスできるものではありません。
■ 日本は大丈夫か? ■
日本の命脈は日本人が握っています。
8割以上が国内で保有されている日本国債が崩落すればアウト。
国債防衛の為には各金融機関が協調して、
日本国債を買い支える事になりますが、
国債価格が大幅に下落すれば、
既に日本国債でお腹がパンパン状態の日本の金融機関は、
評価損によって破綻します。
筆頭は「ゆう貯銀行」です。
まあ、国債を大量保有するメガバンクや地方銀行、
生命保険、損害保険各社も状況は似たり寄ったりです。
短期国債にシフトしたとは言え、
三井住友銀行も、日本国債を大量保有しているはずです。
日本国債は、日銀がほとんどタダの金利でお金を貸し出し、
金融機関が安全に利ざやを稼ぐ事で維持されて来ました。
国債の買い手となる金融機関の経営悪化により、
日本国債の受給バランスは一瞬で崩壊しそうでうす。
これを避ける手立ては、思いつきません。
■ あながち妄想とも言えなくなってきた ■
半年前なら荒唐無稽な妄想と言える内容ですが、
現状、あながち妄想とも言えなくなってきました。
いやだ、いやだ・・・。