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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

エボラ出血熱は脅威か?・・・先進国の都合に翻弄されるアフリカ

2014-08-12 09:51:00 | 時事/金融危機
 

■ 空気感染しない致死率の高いウィルスは脅威では無い ■

エボラ出血熱の死者が1000人を超えて、WHOは「非常事態」を宣言しています。メディアなどもウィルスの恐怖を煽りたてています。

確かに当事国であるギニア、リベリア、シエラネオネとその周辺国は「非常事態」です。

一方、エボラ出血熱が先進国にとって脅威かと言えば、その影響は極めて限定的です。エボラ出血熱は空気感染しませんので、当該国で患者と接触をする様な医師などしか感染の機会はありません。

エボラ出血熱の潜伏期間は1週間程度で致死率は50~90%と非常に高率です。ウイルスが体内に数個新入しただけでも感染する事から、非常に恐ろしいウイルスである事に間違いはありません。

一方、空気感染しないので、患者と直接接触したり、患者が触れたものや、出血や排出物に触れなければ感染しません。要は、患者の隔離が出来れば拡大は容易に阻止出来ます。そして、発病してから劇症化するまでの時間が短いので、患者が自ら歩き回ってウィルスをまき散らす事が出来ません。

一方、潜伏期間の7日間に、感染者との接触で感染を拡大する可能性が高く、発病者が確認された地域を早期に封鎖する事が、感染拡大の決め手となります。

今回の感染拡大の最大の要因は、現地の住民が感染者を隠してしまった事です。エボラの致死率が高いので、発病して病院に搬送された患者の多くは死亡してしまいます。医学的知識の乏しい地域では、「病院に行くと殺される」との噂が広がり、シャーマンがこれを助長した様です。

その結果、感染者を地域や家族が隠してしまい、早期隔離に失敗したのが今回の感染拡大の一因とも言われています。

■ 先進国での感染拡大の確率は低い ■

借りにエボラ出血熱が先進国に持ち込まれたとして、大都会で感染は拡大するでしょうか?

私達が普段生活していて体液の接触がある様な濃密な接触はあまり大勢とは交わしません。キスの習慣がある国は別ですが、少なくとも日本人は握手もしないので、感染確率は欧米よりも低いはずです。

ウイルス保持者が使った食器などや、排泄物からの感染もあり得ます。

エボラウイルスは細胞膜様の脂質の外膜(エンベロープ)を持っており、これはアルコールや石鹸で容易に破壊されるので、食器などからの感染拡大は限定的です。

確かに発病すれば全身出血を伴う劇症化で致死率が高いのですが、反面、患者を見逃す確率は低く、早期隔離と接触の可能性のある周辺の人達の一定期間の隔離で、先進国へ侵入したエボラ出血熱はほぼ確実に封じ込める事が出来ます。

■ 映画「アウトブレイク」によって間違ったイメージを植え付けられたエボラ ■

多くの人々がエボラ出血熱と言うと映画『アウトブレイク』を想起しますが、あのウィルスはエボラ出血熱と違い「空気感染」します。

クシャミや咳などで空気中に飛散したウィルスが活性を失わない場合、ウイルスの拡散と感染の拡大は飛躍的に高まります。しかし、エボラ出血熱は空気感染しないので、むしろ「性病」に近いものとイメージした方が正しいかと思います。

エボラ出血熱の脅威を過剰に宣伝したという意味においては、『アウトブレイク』は悪影響が大きかったのではないでしょうか?

ハリウッドが世界の経営者の広報機関であるという陰謀論を採用するならば、現在の「ウイルスビジネス」の広報活動の一環だったのかも知れません。

■ エボラの発見から40年近くワクチンが開発されなかったのは経済性が無いから ■

エボラ出血熱が初めて見つかったのは1976年です。それから何度かの感染拡大がありましたが、40年近く、ワクチンが開発される事は有りませんでした。

エボラ出血熱は西アフリカの一部の地域の風土病で、先進国の人が感染する確率は極めて低く、空気感染をしない事から、ウイルスと患者の封じ込めが容易です。この事はワクチンの開発の優先度が低い事を示しています。高い資金を費やしてワクチンを開発しても、先進国に売る機会はほぼゼロです。一方、西アフリカの国々は貧しいので、高いワクチンを大量には買えません。

ワクチンの開発には、ウイルスの入手と管理、弱毒化か遺伝子の解析、ワクチンの製造と臨床試験という手順が必要になり、エボラの場合はクラス4の実験室でしか扱えないので、多くの研究者がエボラウイルスの研究に携わる事は不可能ですし、製薬会社としても利益が見込めません。

一方で最近は遺伝子解析から合成ワクチンを製造する事も可能で、現在研究開発が進められているであろうエボラワクチンはこのタイプになるでしょう。

■ アフリカの開発がエボラワクチンを必要とする ■

今回のエボラ出血熱の感染拡大の一因としてウイルスの弱毒化が影響しているかも知れません。本来致死率の高いウイルスを宿主を殺してしまう為に感染拡大の機会が少なく、多少の流行の後には自然に終息します。

しかし、致死率がある程度より下がると、保菌者がキャリアーとして動き回る事で感染を拡大し易くなります。くなると封じ込めが難しくなってきます。

本来、西アフリカの僻地に先進国の人が赴く事は稀ですが、鉱山開発などでその機会は増える傾向にあります。

グローバル化の時代、アフリカの風土病であるエボラ出血熱も、飛行機によって世界各地に拡散する恐れは否定できず、弱毒化による将来的な感染力の拡大も視野に入れる必要性があります。

エボラ出血熱のワクチンは「アフリカ開発」の観点から、必要になったとも言えます。

■ WHOのワクチンキャンペーンの一環であろう ■

「新型インフルエンザー」以来のチャンスとばかりにWHOのマーガレット・チャンがまたハシャイデいます。ワクチン・ビジネスは次世代の重要な医療ビジネスなので、ウイルスの脅威を煽りチャンスをWHOは見逃さない様です。

西アフリカの一部の諸国限定の「非常自体」をあたかも「世界全体の非常事態」に誇張するWHOとロイターなどのマスコミの姿勢は、いつもながら見ていて反吐が出まます。こういった詐欺ビジネスの延長線に、「子宮頚ガンワクチン」の後遺症問題がある事に私達は気づく必要があります。

TVや新聞を見ていると、わが身や家族に危険が及ぶ事もあるのです。
いえ、太平洋戦争に導いたのが朝日新聞や読売新聞であった事を考えると、TVや新聞は昔から私達に害を及ぼし続けているのかも知れません。




地政学リスクとドル安の関係・・・利益の最大化

2014-08-11 08:51:00 | 時事/金融危機
 

■ 地政学リスクが拡大すると、どうしてドル安になるの? ■

一昔前ですと地域紛争など「地政学的リスク」が拡大すると「有事のドル買い」が発生し、「ドル高」「米国債券高(金利低下)」が発生しました。

しかし、リーマンショック以降は地政学的リスクが発生すると「ドル安」に振れる傾向が堅調です。

何故この様な事が起きるかと言えば、先週金曜日の日本株市場と為替市場の関係を考えれば何となくカラクリが見えて来ます。

外国人投資家が日本株を売って利益を確定する時、「円高ドル安」の状況の方が為替差益によって利益を拡大する事が出来ます。

今回はウクライナ危機に端を発してヨーロッパでリスクオフの動きが先行しておきます。それに連動して日本株市場も値下がりすると多くの市場参加者が予想します。この時点で為替市場で円買いドル売りを仕掛けて、円高ドル安の状況を作ります。

報道などでは「ウクライナなどの地政学的リスクが意識され、安全資産としての円買いが進みました」などと説明されますが、これは全くのウソ。

■ 円安に振れにくいドル円市場 ■

日本株市場は2012年11月以来外国人投資家が10兆円以上も買い越しています。この時期は日銀の大規模な量的緩和を予測して円安が先行して発生しています。外国人投資家の多くは円安になって割安感の出た日本株を買い進め、日本株の相場を吊り上げています。

外国人投資家の中には短期的に資金を運用するヘッジファンドなども含まれるので、彼らは日本株を上値で売り抜け、さらに下落時に空売りでもう一儲けしようと考えています。

現在の日本株市場は、個人投資家や国内の機関投資家は慎重です。外国人投資家が株を売ると、薄商いの中でストンと日経平均が下落してしまいます。下落時には日銀や年金資金などの公的資金が買い支えてしまうので、大きな値崩れはありませんが、外国人投資家が利益をい確保して上値で売り抜けるには厄介な市場となっています。

彼らが日本株を売り抜ける前に、あまり円安が進行してしまうと為替差損が発生して利益が縮小します。ですから、外国人投資家が株式を始めとした日本の資産を売り抜けるまで、ドル円相場は、円安が進行しにくい状況です。

■ 日銀の追加緩和は日本株の暴落後? ■

日銀の追加緩和のタイミングは、アメリカの利上げを援護する目的で来年後半になるのではないでしょうか?その場合、円安が進行するので、日本株を外国人投資家が売り抜ける最後のタイミングは来年の後半では無いでしょうか。

それまでは、相場が上昇したら日本株を売って日銀や公的資金に買い支えさせる状況が続きます。GRIF(年金積立金)で日本株を買い支える事がほぼ確定している様なので、外国人投資家はしばらく細かな売りで利益をチョコチョコと稼いで行くのでしょう。

そして、アメリカの利上げ前に絶対に大きな売りを仕掛けて来ます。この時は日銀のGRIFも買い支えには入らず、相場が下落するのに任せるのではないでしょうか。

そして、日銀は日経平均の暴落を理由に追加緩和に踏み込むのでは?その前に消費税率10%への引き上げは達成しなければばらないので、次の様なシナリオが考えられます。


1) 2015年10月に消費税率が10%に引き上げられる
2) 景気が大幅に落ち込み、日本株が売られ易い状況が出来上がる
3) 米の利上げ予測が遅れる様な要因がクローズアップされ円高に振れる
4) 外国人投資家が空売りも含め、最後の日本株売りを仕掛ける
5) 日経平均が10000円を割り込む暴落を演じる
6) 日銀が大規模な追加緩和に追い込まれる

■ 日本の財政を支える不景気 ■

日本人にとっては悪夢のようなシナリオですが、既に日銀の財政ファイナンスに突入している日本にとって、金利上昇を抑制しながらインフレを達成するのには、「不景気+円安」の組み合わせは不可欠です。

様なコストプッシュ・インフレによるスタグフレーションです。当然、個人の実質所得は低下して生活レベルも悪化しますが、日本財政を延命させて年金や福祉を維持するには、目下の所この方法しか有りません。

三橋一派の様に、「景気が回復すれば税収が改善して財政赤字が減る」と主張する人達も存在しますが、彼らは金利上昇と大規模緩和下でのインフレの進行を軽視し過ぎています。

■ ウクライナ情勢に関してはロシアも同じ穴のムジナ ■

今回の日本株下落の遠因はウクライナ情勢ですが、ロシアは国境付近に軍を終結させて演習を行い、危機を演出しています。

表向きはウクライナ現政権のロシア系住民の弾圧に対する牽制とされていますが、どうも中途半端さが漂います。

ロシアとしてもウクライナ領内に侵攻すれば欧米との関係修復は絶望的となりますので、もう少し軍事介入の大義名分が整う状況が発生するまで、具体的な軍事行動はまだまだ先になりそうです。

アメリカの利上げ時期を考えると、やはり軍事介入はアメリカの利上げ時期と重なり、今度はユーロに相当な下落圧力が掛かるので、「有事のドル買い」が発生し、アメリカ国債にも資金が還元して来るというシナリオでしょう。



お盆休みなど無いしがない個人事業主なので、ウサ晴らしに「あまり嬉しく無い未来」を妄想してみました。当たらない事で有名な人力予測なのであまり信用なさらぬよう・・・。



米国債金利は何故下がっているのか・・・影で米国債を支える中国

2014-08-08 05:37:00 | 時事/金融危機
 



■ テーパリングが開始されたのに米国債金利が低下している ■

FRBは今年1月からQE3のテーパリングを開始しています。毎月MBSと米国債の購入額を50億ドル、合計で100億ドル(約1兆円)ずつ縮小しています。FRBは長期債を中心に米国債を購入していましたから、本来ならば米長期債の需給関係が悪化して金利が上昇するはずです。

上のグラフは2月から現在までの10年債金利ですが、テーパリング開始から米国長期債の金利は低下し続けています。これは不思議です。

■ 米長期国債金利低下の原因 ■

長期国債の金利は、需給関係よりも将来的な景気動向予測の影響を受けやすいと言われています。米長期国債の金利が低下するのは、市場が将来的な米国経済の動向を悲観的に見ている現れなのでしょうか?

私は市場が自由なプレーヤーに支配されているのならば、長期国債金利は将来的な景気予測を反映すると思いますが、一方で市場がある意図を持った者に支配されている時は、長期国債金利は需給関係を反映すると考えます。例えば、現在の日本国債金利の低下は、明らかに日銀による購入の影響を受けています。

■ 米国債保有を急増させている中国 ■

中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の初代主席を務めた劉明康氏が講演で「中国は外貨準備の約半分を米国債で保有している」と4月の講演で語っています。

2014年3月末時点での中国の外貨準備は3兆9500億ドルですから、その半分の1兆9750億ドル相当の米国債を保有している事になります。しかし、中国の米国債保有額は1兆2729億ドルと発表されていて、7000億ドル程足りません。

中国は4月も外貨準備を1300億ドルも増やしています。

かねてより中国は米国債を他人名義でロンドン市場で購入していると噂されていました。最近ではベルギーの米国債保有が飛躍的に拡大していますが、ユーロクリアーに米国債を預けているのは中国でないかと言われています。

この様に、中国は表に出ない米国債保有を拡大している様です。

■ 中国が裏で米国債保有を増やす理由 ■

中国製品の多くがアメリカに購入されますし、多くの貿易決済はドルで行われます。輸出大国中国のドルの保有高は、放っておいても日々増え続けます。これをドルで保有するより米国債で保有する方が金利が付くだけお得です。

中国製品の最大のお得意様はアメリカですから、中国はアメリカ経済の悪化を望みません。ですから貿易によって増え続ける外貨準備をドルや米国債で持つ事には合理性があります。4兆ドル(約400兆円)という膨大な外貨準備を有する中国は、短期的にはドルや米国債の下落を好みません。

一方で、保有する米国債をFRBに預けておくと、米中関係が悪化した場合に凍結されてしまう恐れがあります。そこで中国は他人名義やユーロクリアーでの米国債保有を増やし、対米交渉のカードとして利用しているのではないかというのが大方の人に見方です。

■ 米中関係はズブズブだ・・・・ ■

「FRBのテーパリングは成功している、来年は順調に利上げが行われるだろう」という論調が広がっていますが、テーパリングが成功して金利が抑え込まれている原因は中国による買い支えと、地政学リスクの拡大によるリスクオフの流れです。

米中関係は表面的な対立とは裏腹に、ズブズブの関係となっています。

■ 中国が米国債を売る時 ■

私は陰謀論者ですから、アメリカが中国に大量の米国債を持たせる理由を邪推してしまいます。

次の金融危機が勃発すればドルや米国債とて無傷では居られません。多分、2017年頃にバブル崩壊が起きそうですが、その時米中関係が悪化していれば、中国が米国債売却で一気のドルと米国債を葬り去る事も考えられます。

「中国が米国債を売却したから米国債が暴落した」と言えば、ドル崩壊の責任を中国に転嫁する事が出来ませす。当然、中国はアメリカと敵対していますから、責められても痛くも痒くもありません。

ウクライナ問題で米ロ関係が決定的に拗れるならば、米中関係も今後悪化して行くでしょう。ただ、切っ掛けが必要ですから、尖閣有事が利用される可能性は低くありません。

こう考えるとウクライナ問題は対岸の火事などではありません。世界の経営者が世界を分断しようと目論んでいるならば、尖閣有事はきっと起されますし、ドル基軸体制も崩壊します。


地政学リスクが単なる米国債への資金誘導なのか、それとも世界の線引きの変更の為なのか、ウクライナ、中東、東アジアの情勢からは、しばらく目が離せません。

ソフトバンクの躓き・・・Tモバイル買収交渉断念

2014-08-07 09:55:00 | 時事/金融危機
 

■ 米国でもスケールメリットを狙ったソフトバンク ■

ソフトバンクが米携帯電話会社3位のスプリント・ネクステルを買収してから1年余り。

米国の携帯電話業界は上位4社のシェアが大きく、べライゾン・ワイヤレスとAT&Tモビリティーが2強。その半分の契約者数でスプリント・ネクステルとTモバイルUSが追う形でした。

2位と3位の溝は大きく、スプリント・ネクステルは高速通信の整備が遅れた為に利生者の流出が続き赤字を連続して計上していました。ソフトバンク買収後は積極的に高速通信網を整備していますが、利用者の流出に歯止めが掛かるには今しばらく時間が必要な状況です。

ソフトバンクのスプリント・ネクステル買収には???な点が多いのですが、どうやら孫氏は初めからTモバイルの買収を念頭に置いていた可能性があります。そうで無ければ、スプリントの経営改善が完了する前にTモバイルを買収する様な事はしないはずです。

2弱を統合してベライゾンとAT&Tとスケール的に対等に渡り合える第三の勢力を創る事で、業績が低迷していたスプリントとTモバイルの業績を急回復させる事が狙いだったのかも知れません。

■ 米の規制当局を説得出来なかった ■

スプリントとTモバイルの統合によって、より消費者にメリットのあるサービスを展開する事を孫氏は考えていた様です。これは、日本におけるソフトバンクの常套手段です。要は、アメリカの携帯電話サービスに低価格競争を持ち込もうとしたのです。

一方規制当局は、携帯業界が3強に絞られる事で競争が減少し、消費者にデメリットをもたすと判断した様です。多分、これは表向の理由で、ソフトバンクが仕掛ける低価格競争が過当競争お生み出して業界全体が疲弊する事を恐れたのでは無いでしょうか?

いずれにしても、スプリントによるTモバイルの買収計画は一旦棚上げになった様です。

■ スプリントの経営を再建できるのか? ■

スケールメリットという孫氏の戦略が頓挫した今、スプリント社が契約者の流出に歯止めを掛ける為には、高速通信網の整備と、低価格でサービスを提供する事しか方法はありません。しかし、これは利益を削る事になり、スプリント社の経営は改善しません。

各社高速通信網を整備しつつある現在、「ソフトバンクだけがiPhoneを扱っている」といった魔法の杖が無い限り、将来的にもスプリント社の経営の改善は望みが薄いでしょう。

■ 孫氏はハメられたのでは? ■

今回のTモバイルを巡る顛末は、バブル時代に三菱地所がロックフェラーセンターを買収した時の事を想起させます。

1989年に三菱地所はロックフェラーセンターを買収します。
これは、アメリカの富の象徴を日本人が買ったという事で、随分と攻撃されました。
ところが、三菱銀行はその後のバブル崩壊で、
結局、半額でロックフェラーセンターを手放しています。
買い取ったのは、ロックフェラーです。

実は、ここにはこんなトリックがありました。

<2chより>

1.バブルの時、不動産高騰で絶好調の三菱地所がNYのロックフェラーセンタービルを買収。
 因みにその時アメリカ人は「アメリカの魂を買った」とかなんとか言ってジャパンバッシング。
 ↓
2.NYが新しい法律「NYの不動産やテナントビルの売買や賃貸は元の持ち主の許可を得ないと勝手に行ってはならない」を施行
 ↓
3オーナーなのに好きに売れない、テナントも入れられないで三菱地所涙目。家主の権利の大部分は何故かロックフェラーが保持。
 ↓
4.折しもプラザ合意で人為的にドルをドンドン下げ、ロックフェラービルの価値も下落。2年で買ったときの半額に。三菱地所超涙目
 ↓
5.バブル崩壊の足音が迫る中、さすがの三菱地所も持ちこたえられ無くなったところを、ロックフェラーが買い取りを打診。
 背に腹は替えられず半額で売るハメに。三菱地所超々涙目
 ↓
6.先の法律を適用すればロックフェラービルの権利は旧オーナーの三菱地所が持つはずだが。その法律は買い戻した直後に無かったことに
 三菱地所超々々涙目

<引用終わり>

結局、ロックフェラーは労せず多額の資金を手にいれたのでした。
これに似た事例は数多くありました。
その後、アメリカは詐欺同然の金融改革で、不死鳥のごとく復活します。


今回もソフトバンクがスプリントの買収を決定した時、円高は最高水準でした。実際に買収した時期は円安に振れていましたが、ソフトバンクは為替予約によって円安リスクを回避しています。

しかし、Tモバイルの買収を却下された為に、スプリント社を回復軌道に乗せる事が難しくなりました。

どうもソフトバンクはアメリカに嵌められた感じがします・・・。

■ 国内の通信事情の利潤率は低下して行く ■

国内では大手3社がiPhoneを扱う様になり、ソフトバンクの優位性は既にありません。さらに、スマホの通話料金の固定サービスが始まるなど、価格競争が激化しています。これでは、従来の様な利潤を確保する事は難しくなります。

さらにスプリント社が赤字を脱却出来なかった場合、ソフトバンクは要らぬお荷物を背負ってdocomoとauと渡り合う事になります。

■ これ以上早くペダルを漕ぐ事は可能なのか? ■

ソフトバンクは巨大な有利子負債を抱えています。今までは事業に陰りが見えると大型買収を繰り返して急場をしのいで来ました。要は自転車操業を繰り返しているのです。

ソフトバンクはスプリントの業績が悪化した場合、さらに大きな買収案件を見つける事が出来るでしょうか?・・・・多分、その可能性は低いはずです。

「自転車操業の極意はペダルを思い切り回す事だ」をモットーにこれまで拡大を続けて来たソフトバンクですが、今回の買収失敗が躓きの始まりとなるのか、それとも逆境を蹴散らして新たな発展を遂げるのか、ソフトバンクからは当面目が離せません。

マレーシア航空機撃墜の犯人は誰?・・・ウクライナ軍のスホーイ25による撃墜の可能性

2014-08-06 09:27:00 | 時事/金融危機
 



■ マレーシア航空機を現場空域に誘導したウクライナの管制 ■

先日、「ウクライナで撃墜されたマレーシア航空機は燃料を節約する為に危険空域を飛行した」と書きました。確か紛争地帯の上空を飛行ルートに選ぶ事は危険を伴います。

一方で、マレーシア航空機が撃墜された時、その近くをウクライナ軍のスホーイ25が2機飛行していた事をロシアは事件当初からレーダーの記録と共に指摘しています。

さらには、ドイツ紙Wahrheit für Deutschlandが、マレーシア航空のボーイング777型機を撃墜したとみられるウクライナのスホイ25のパイロットから話を聞くことに成功したとする記事を掲載した。パイロット達は、スホーイ25の30mm機関砲でマレーシア航空機を銃撃したと語っています。匿名のインタビューなので信憑性は定かではありません。

ネットでは「実用上昇限界が7000mのスホーイ25が10000mを飛行するマレーシア航空機を追撃する事は不可能だ」との指摘が散見されますが、この場合の実用上昇限界とは「30m上昇するのに1分掛かる」限界高度の事で、スホーイ25の到達高度は10000mを超えています。

一方、ウクライナの管制官はマレーシア航空機に対して「通常の飛行プランよりも2000フィート(=約600メートル)も低く飛ぶよう指示」しています。

1) 10000m付近に予めウクライナ空軍のスホーイ25が2機待機
2) ウクライナの管制官がマレーシア航空機に高度を下げる様に指示
3) ウクライナ空軍のスホーイ25が30mm機関砲でマレーシア航空機を銃撃

ロシア政府は「スホーイが撃墜した」とは言っていませんが、「民間航路である現場空域にスホーイ25が飛行していたのか理由を明らかにせするべき」と主張しています。同時に、「事件当時ウクライナの上空を飛行していたアメリカの偵察衛星の写真を公開するべき」とも指摘しています。

ロシアはスホーイ25による追撃の可能性を事件当時から匂わせています。

■ 親露派の交信はいつの物なのか? ■

ロシアの指摘に対してウクライナ保安庁が提示しているのは、親露派の交信を傍受したとされる記録です。


「マレーシア機撃墜:親露派の関与「捏造」…ロシア側が反論」毎日新聞 7月20日
http://mainichi.jp/select/news/20140721k0000m030104000c.html より引用

<引用開始>

前略

国営テレビによると、ウクライナ保安庁が公開した交信記録をロシアの専門家が分析したところ、複数の音声をつなぎ合わせて編集したものと断定。武装集団メンバーが「撃ち落とした」と言うのは前日の16日に親露派が撃墜したウクライナ軍のスホイ攻撃機を指し、マレーシア機墜落後に現場から「民間機だ」と伝える交信を合成したと伝えた。

 親露派が撃墜に使ったとされる地対空ミサイル「ブク」の車両を東部国境からロシア領に移動させている場面としてウクライナ当局が公開した動画映像についても、露国営テレビは映像に出てくる広告の看板などからウクライナ政府軍が管理下に置くドネツク州西部で撮影されたものと報じた。

後略

<引用終わり>



ブークミサイルは白煙状の航跡を残し、それは20Km以上離れた場所からも視認される様です。事件の当時、ブークの航跡の目撃証言は無く、また、もし航跡が存在したならばアメリカは偵察衛星の写真を公開するだけで、スホーイによる撃墜の可能性を否定出来ます。しかし、アメリカはこれを提示する事が出来ません。

■ ウクライナ軍が撃墜したとすれば目的は何か ■

もし仮にマレーシア航空機をウクライナ軍が撃墜したとすれば、その目的は何だたのでしょうか?

この事件以来国際世論は親露派をテロリスト扱いし始めました。

しかし実際には親露派は撃墜現場を丁寧に保全し、乗客に死体は腐敗しないように冷蔵貨物車で保管しています。ボイスレコーダーやフライトレコーダーも保管していました。オランダは親露派の対応に対して感謝の意を示しています。これらの事は日本や欧米のマスコミではあまり報道されれいません。

ウクライナ軍は親露派をテロリスト扱いし始めた国際世論を利用して「テロリストを制圧する」という名目で、親露派の拠点であるドメツク州での攻撃を激化させています。一般市民が街に残っている状況で街を包囲し、攻撃しているのです。

国債世論はウクライナ軍の攻撃に対して批判的ではありません。「テロリストを攻撃するのは当たり前だ」という空気が醸成されているからです。

■ 結局、欧米とロシアの対立、そして地政学的リスクが残った ■

私は陰謀論者ですが、今回の事件はアメリカとロシアの共同謀議だと推測しています。ロシアもアメリカもお互いを非難しつつ、決定的は証拠を突きつけていません。

結果的にロシアはウクライナの親露派への積極的な支援を手控えているので、ウクライナ軍はドメツクで軍事行動を拡大しています。一般市民の犠牲者が増えたところでロシアは重い腰を上げてウクライナに軍を展開すると予想されます。こにれよってウクライナの内戦は膠着状態になり、欧米とロシアの溝は決定的に深まります。

ソビエト崩壊後、欧米とロシアの融和ムードが続いていましたが、アフガン侵攻と同様に、ウクライナ侵攻(?)によって、欧米とロシアやそれを支持するであろう中国や途上国との溝が深まって行きます。



■ アメリカ国債の金利上昇を抑制する地政学リスク ■


時同じくしてイスラエルとハマスの戦闘が起きています。世界はここに来て急にキナ臭くなっていますが、7月後半からヨーロッパを始めとしてリスクオフの動きが発生しています。

市場が暴落する様な落ち込み方ではありませんが、バブル化していた南欧債から、ドイツやアメリカ国債へのシフトが発生しています。

アメリカはテーパリングによって、米国債(長期債)のメインフレーヤーたるFRBが米国債の買い入れをこの10月にも終了します。米国債の金利が上昇しやすい状況にあって、地政学リスクによるリスクオフの動きは、米国債金利の上昇を抑制します。

この様な動くは、リーマンショック直後にはイスラエルがガザに侵攻したり、イラン危機が強引にクローズアップされるなど、米国債に金利上昇圧力が掛かるたびに繰り返されています。

今回のウクライナ問題に関しては、アメリカとロシアの阿吽の呼吸の様なものを感じるので、米国債支援、エネルギー価格の吊り上げ、今後の世界のブロック化への布石などの目的を持った共同謀議が遂行されているのでしょう。

■ 表面的対立は「興行」 ■

「世界共同謀議」という究極の陰謀論の視点に立つと、ウクライナ問題や尖閣問題などは全く別の姿を見せてきます。

今回のウクライナ危機もアメリカのシンクタンクである「ランド研究所」が筋書きを書いている様ですが、表面的な対立はプロレスの様なもので、一種の見世物に過ぎません。

大国同士が結託している事が公になれば、世界の人々は自分達の政府を全く信用しなくなります。ですから、多くの国の利害が対立していると思わせておいて、実は世界は裏では繫がっているほうが、色々を利益を最大化しやすくなります。

「対立」というプロレス興行を打っておけば人々はそれに熱狂し、一部の者達が利益を独占している構造を見逃してしまうのです。

ただ、「世界」は70余年の間、曲りなりにも世界戦争を回避してきているので、「世界の経営者」は私欲に溺れる悪意の存在とは私には思えません。ただ、それらしく世界を「運営」する中で、多くの悲劇が生み出され続けています。それとて、より大きな悲劇を防ぐ手段だとすると・・・・。

陰謀論者の戯言ではありますが、一見不合理に見える世界の動きは、意外にも合理的なのかも知れません。