大阪ステーションシティシネマの今週の上映スケジュールを開いたら、いきなり知らないタイトルの映画が公開されているのを発見。これは何だろう、と調べるとなんと廣木隆一監督の新作だった。そういえばキネ旬でインタビューが載っていたな、と気づく。山本直樹原作のSM映画だ。廣木さんが好きそうな題材。
それにしても素敵なタイトルだ。今これが一番に見るべき映画だな、と思い劇場に行く。1月の『ノイズ』に続いて2か月 . . . 本文を読む
雛人形の職人を主人公にしたお仕事小説だ。高齢化が進む中、若い社長が社員たちを束ねて業界の再生を目指すドラマ、ということにしてもいいのだけど、少し違う。実は「お仕事小説」なんていう軽さとも違う。でも、職人の匠の技を描くとかいうのでもない。では、何なのかというと、これはひとりの青年の生きざまを描く小説なのである。たぶん。
37歳の若者が160年続く老舗の8代目若社長として店の存続をかけて戦う姿を描く . . . 本文を読む
久々の三木聡監督の新作だ。そして、なんとこの題材である。彼がこんな「SF大作映画」を彼が手掛けることになるなんて、想像もつかないことだ。だから面白い。もちろん、この内容である。これは誰もが思いつきそうで誰も本気で映画にしようとは思わないような、だから、彼にしか思いつかないようなとんでもないお話なのだ。だから、期待は高まる。どんな映画が始まるのか、そこにはワクワクしかない。脱力系コメディとSF大作映 . . . 本文を読む
2015年本屋大賞を受賞した上橋菜穂子によるファンタジー小説の映画化。僕はファンタジーは苦手でこういう「冒険もの」も得意ではないから、本屋大賞受賞作であるにも関わらずこの映画の原作小説は読んでいない。それに映画にもあまり期待はしていなかった。だけど、度重なる公開延期で、とうとうこの時期まで上映できないという現状の中でのようやくの公開である。なぜ、ここまで遅れたのかも気になっていたので見に行ったのだ . . . 本文を読む
夫を亡くした後の日々を描くエッセイ集なのだが、切々と綴る彼への想いが胸に突き刺さる。こんな個人的なことをありのままに新聞紙上で展開していいのかと驚く。でも、それが嫌じゃない。それくらいに彼が好き、という想いが伝わるからだ。身も世もない。淡々としたタッチで綴られてあるけど想いが溢れすぎて熱い。いいのか、これで、と思うくらいに。もちろんこれはこれでいい。あからさますぎて恥ずかしくなるほどだけど。
僕 . . . 本文を読む
TBSによるたぶん深夜ドラマだと思う。huluで見つけた。どんなもんだか、とまず1話だけ見たのだが、これが実に面白いので、なんと最後まで見てしまった。24分で7話だからそれほど負担ではない。
失恋した女の子がお見合いサイト(そんなのがあるんだろうか?)でみつけた「すぐ結婚したい、」という男性と出会いから2回目で結婚するとかいうようなお話で、あり得ないし、怖い。これはふつうならホラー映画ではないか . . . 本文を読む
昨年12月の公演を配信で見た。タカハ劇団を初めて見たのだが、とても刺激的で面白い。もちろん生で見たならもっと感動したのだろうけど、配信でもこの作品の面白さは十分伝わってきた。近未来の日本を舞台にしながら、最後は戦時中へと至る。先の大戦中の日本を想起させるあからさまなラストの展開は少し安易だが、(赤紙とか、お国のために死ぬという美談に貧しい庶民たちが踊らされていく、とかいう部分)ここにある恐怖はあの . . . 本文を読む
副題に『万年筆よろず相談』とある。三宮のかたすみ、ひっそりとたたずむ小さな洋館。そこにある万年筆の修理、販売をしているお店が舞台だ。店主とアルバイトの大学生のところにお客が自分の万年筆を持参してやってくる。彼らはそれぞれ問題を抱えている。店主は修理と共に、かれらの悩みの相談に(たまたま、なんとなく成り行きで)乗り、なんとなく解決していく、なんていうよくあるパターンの短編連作である。こういうパターン . . . 本文を読む
この映画を見る前日、WOWOWによるTVシリーズを見た。とても面白くて、ぜひ映画も見たいと思い早速見にいった。このドラマを見るまで保護司の仕事なんて全く知らなかった。だから、彼らが臨時の国家公務員で、無報酬で働いているというのは驚きだった。完全なボランティアの(ような)仕事なのに、とんでもなく大変で危険でもある。(先日見た映画『ノイズ』の冒頭、諏訪太朗演じる保護司が前科者である渡辺大知に殺されてい . . . 本文を読む
ジョエル・シュマッカー監督の作品をリメイクした。油の乗り切った頃の彼の作品群は毎回とても刺激的で次は何をして(しでかして)くれるのかと、楽しみだったし、もちろんどの作品も見ていて楽しかった。あれから何年過ぎたのだろうか。(調べたら30年ほどだった。なんとオリジナルは1990年作品。もうそんなにも歳月は経っていたのか!)久しく彼の名前を聞くことはない。僕も忘れていたくらいだ。でも、この映画のリメイク . . . 本文を読む
よくある英語版リメイク。フランス映画『エール!』が元ネタ。聾唖者の家族の世話をするけなげな女の子のお話。オリジナル版は以前見ている。結構好きな映画だったけど、それほど印象には残っていない。だから、今回のアメリカ映画(カナダとの合作)としてのリメイクに期待はしてなかったし、見に行く気もなかったのだが、信頼できる友人から勧められて、それではまぁ、見ましょうか、という気になった。見てよかった。
こんな . . . 本文を読む
20年の歳月をかけて到達した新境地、らしい。『デッドエンドの恋人』が第1期の到達点で、これが30年目の第2期のスタートだと後書きに書かれてあったが、そんな大袈裟なことなのか、と少し驚く。膨大な量の小説を量産している彼女の30年の作家人生を振り返ると、彼女はいつも同じ小説しか書かなかったな、という感想が浮かんでくる。僕はきっとほぼすべての作品を読んできてるはずだ。でも初めて『キッチン』が一番だ。あの . . . 本文を読む