イタリアを代表するワイン・バローロはワインの王、王のワインと呼ばれる。そのワインの絞り粕に漬け込んで造ったチーズがある。「テストゥン・アル・バローロ」と云う。今日クアトロに入荷した。
テストゥンとは頑丈・頑固なという意味があるという。また、このチーズはイタリアがドイツ軍に侵略された折に、チーズをドイツ軍の略奪から逃れるため、ワインの絞り粕の中にチーズを隠したことから偶然に生まれたという。
チーズを熟成させてから、さらにワインの絞り粕に漬け込む手間のかかる造り方が、頑固なのか、侵略されても屈強に抵抗する頑丈さをこのチーズの名前にしたのかは解らない。ただ云えることは、やたらに美味しい。ブドウの香りが鼻孔に漂い、口に入れるとチーズの風味がさらに追い打ちをかける。ここで、バローロでもいただこうものなら、ジュリアス・シーザーの気分である。「我こそは王である」と叫びたくなること必然なのだ。バローロでなくとも、ここは赤ワインでもいただいて、「ヤリッ!」と小さくガッツ・ポーズでも決めたい。
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