利根川が太平洋に注ぐところに、飯岡がある。天保水滸伝の舞台となったところ。飯岡の助五郎一家と笹川の繁蔵一家の大げんかで有名だ。この話を題材にした「座頭市物語」は傑作だった。座頭市と平手造酒の決闘は日本映画史に残ると思う。黒沢明の「用心棒」をぱくったようなところもある。
飯岡あたりは、風がピューピュー吹き荒れ、「いやな渡世だねぇ」と去っていく座頭市が似合う土地だ。ここで、座頭市のように、じっと渡世の荒波に堪えて育つのが銚子産の磯ガキ。タマゴを持つ6月中旬から7月いっぱいが旬だ。Rの付かない月は食べるなと云われる平ガキとは違い夏が食べ頃の岩ガキの種類である。
今日クアトロにこの磯ガキが入荷した。ちょっと買いすぎたかなと心配していたシェフだったが、すでに昼のお客様でほとんどが売れてしまった。市っちぁんで無くとも目を白黒させてしまう。
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