ウォッカは、クセのないスピリッツでカクテルに使いやすい。ウォッカを使ったのカクテルをバー一軒づつ訪ねて広めていきアメリカでのウォッカのシェアを独占したのがスミノフ。ウォッカと云えばロシアや東欧のものなのだが、最も生産量と消費量の多いのはアメリカであり、スミノフの市場開発の賜だ。地道な努力で成功した手本である。
クアトロにも以前、若いご夫婦が来店し、このお店のジンジャエールは何を使っているのかと聞かれた。ジンジャエールにはこだわりもなく、きょとんとしていると、ウイルキンソンのジンジャエールを知っていますかと聞かれた。知りませんと答えると、残念そうに帰った。後日、そのお客様はウイルキンソンのジンジャエールを二種類持ってクアトロに差し入れてくれた。辛口と甘口のジンジャエールだ。早速、いただいてみると刺激的で旨い。酒屋さんに聞くとウイルキンソンのジンジャエールはカクテル用に流通しているとのこと。早速、クアトロのジンジャエールはウイルキンソンにした。するとお客様の反応もとても良く、売れ筋のドリンク・メニューになった。あの若いご夫婦のお客様はあれ以来いらっしゃらない。また別のお店を開発して歩いているのだろうか。ウイルキンソンの回し者ではないかと今では思う。
昨日、長男が父の日のプレゼントにウォッカを届けてくれた。ゴッホの絵がビンの中に浮かぶそのウォッカを眺めながら、商売は地道にやらなければいけないと思う。それにしても、父の日はあっても良い記念日かもしれない。