ワインほど情報が錯綜するものもめずらしいのではないだろうか。ワイン評論家がもっともらしくコメントすれば、飲み手の舌に大きく影響するものである。
今度の土曜日のクアトロ居酒屋で飲んで貰おうと用意したワインがある。シャトー・ボーモン1980のマグナム・ボトルだ。
シャトー・ボーモンはサンジュリアンとマルゴーの中間にあるシャトーだ。それぞれの個性を併せもっていると云われるがなにやら中途半端なイメージのワインである。
畑のポテンシャルは素晴らしいとある評論家は述べる。素質はあるのだが、実力を出し切っていないと云いたいようである。
別の評論家は、このワインは早飲みで実力を発揮するという。古いビンテージのものは良く無いような表現である。
別の評論家は述べる。カベルネとメルローの良いとこ取りのようなワインだと云う。確かにセパージュにはカベルネ60%とメルロー35%だが、これも中途半端なワインのイメージを持たせる表現である。
さらに評論家は述べる。1977年に霜害で被害を受け1987年には日本のサントリーの資本参加で立ち直ると述べる。その間のビンテージのワインはどうだと云うのだろうか。
さて、シャトー・ボーモン1980のマグナム・ボトルの味わいはいかがなのだろうか。答えは、藪の中なのだろうか。土曜日のクアトロ居酒屋でその真相は解明されることだろう。