昨日レイトショーで「GSワンダーランド」を観た。レイトショーともなるとやはり若い人が多い。GSとは、ガソリン・スタンドの事ではなく、グループ・サウンズの略である。1968年から2~3年は大変なGSブームであった。そのGSの時代の物語である。50代60代の人には、とても楽しい映画であった。しかし、若い人にもこの作品を楽しんでもらえるのかはちょっと心配である。
1968年クアトロの父は中学生だった。
「中島くん(クアトロの父のことである)、日劇のウエスタンカーニバルへ行きたいんだけど、一緒に行ってくれない」
クラスメートの女の子二人の付き添いで日劇へ出かけることになった。
中学生の女の子だけで日劇へ行くのは親が許してくれないからだという。
「しかたがないな、東京は怖いところだから、俺にまかせておけよ」
先頭に立って常磐線の茶色い電車に乗って柏を出発した。
CM---------------------------
※本日のクアトロの魚
福岡産本マグロ
北海道産サンマ
福島産マコガレイ
天草産朝〆真鯛
福島産ホウボウ
長崎産イサキ
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日劇に着き、ウエスタンカーニバルが始まった。たくさんのGSがジャカジャカジャンと演奏していく。そして、スパイダースが出て、おおとりのタイガースが登場する。付き添いの女の子二人の熱狂はピークを迎えた。ジュリーが登場すると二人はステージをめがけて突進していった。
「ジュリーーーーーーー」
叫んでいる。声を限りに叫んでいる。
失神しそうである。
この時、付き添いの少年は呆然としていた。
帰り道、女の子二人はまだ興奮が冷めない。静かに二人の後に付いて歩く少年は無口だ。