湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲

2016年10月09日 | グラズノフ
モリーニ(Vn)不明(ウォレンスタイン?)指揮不明(ロス・フィル?)(RICHTHOFEN:CD-R他)1950年代LIVE

計算し尽くされたソリストの表現力もさることながらバックオケの「こんな音があったのか、さすがグラズノフ!」という発見まで促す性能の高さ、双方丁々発止のスリリングなやり取りは実にレベルが高い。ドイツ的な構築性があるにもかかわらず野暮ったさが皆無で、軽快にさえ感じるその理由は演奏精度の高さにあるのだ。前半は客観性が見えテンションは低くはないが飽きる。しかし後半は清々しく楽しい。最後のフラジオがこんなに輝かしく捉えられた録音を私は知らない。で、なんで無印?瑕疵がないなら音が悪かろうが○にしたろう。R盤(版元によればアセテート原盤からそうらしいが)、拍手をフェードアウト・カットするさい、最終音まで切り落としてしまっているのだ。注記はどこにもない。拍手がカットされているとだけ書いている。これを意図的なものではなく、聞き逃したと好意的に解釈したとしても、販元の見識を疑う。同盤を扱っている店舗がいずれもグラズノフの協奏曲程度ですら「知らない」という事実に、クラシック音源業界の落日をはっきり感じた。

悔しい。

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