湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆アイヴズ:管弦楽のための組曲第2番

2016年10月08日 | アイヴズ
○ストコフスキ指揮ロンドン交響楽団(DA:CD-R,M&A他)1970/6/18イギリス初演live

やや不安定なステレオだがライヴ盤にしては十分だろう。これがまたいいんです。アイヴズは時にとても感傷的な心象風景を描くが、この演奏はまさにその感傷性に焦点をあて印象派風に描ききった非常にわかりやすいものである。ストコははっきりアイヴズをロマンティックな語法で読み解いているが、ほんらいアイヴズの音楽は前衛を「狙った」わけではなく結果として「至った」音楽なのであり、作曲時期の問題、またアイヴズの組曲(セット)というのが「演奏されやすいために出版時にてきとうにまとめた」というものである側面もあり、これがそのままアイヴズであると言い切ってしまうと前衛大好き派にはそっぽを向かれそうだが(ミニマル好きとかサウンドスケープ的なものが好きな向きには物凄く推薦するが)、昔のアメリカの未開拓な原野の静かで荒んだ光景を想起させるような「まるで風のような音楽、風にのってやってくるさまざまな音をそのまま録音したかのような譜面」に瞠目せよ。もったいないくらいの演奏です。まあ、録音状態と正統かどうかというところで○にしておくが、個人的に入門盤としてはうってつけと思うわかりやすい心象音楽の描き方である。恐らくイタリア盤CDで出ていたものと同じ。

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