湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆プロコフィエフ:交響曲第5番

2017年07月27日 | プロコフィエフ
◎テンシュテット指揮ニューヨーク・フィル("0""0""0"classics:CD-R)1977/3/1LIVE

これはびっくりするほどしっかりした出来だ。がっしりしたフォルムはドイツ的な重さを感じさせようなものの全くそんなことはなく、熱狂して最後まで聞きとおす系の熱いものではないが、最後まで「飽きずに」聞き入ってしまう演奏である。この飽きないというところがプロコでは重要であり、テンシュテットが巧いのはプロコのスコアに溢れる客席まで伝わらないくらいの「仕掛け」を、嫌味に聞こえない程度にしっかり表現させているところで、重ねた音の響きの充実ぶりからここまで独特の色彩をもった曲だったのかと思わせるところもあれば、マーラーじゃないかと思わせるくらいの内声の意味深な動きまで聞こえてくるところもある。勿論すべてを浮き彫りにして分析的に振るような人ではないからフランス的な透明感は求めるべくもないが、この人なりのプロコの最も自然で忠実な演奏を最後までやり遂げている。またオケが素晴らしい。たぶんこのオケをしてしか成し得なかった完璧な「テンシュテのプロコ」、激しいアゴーギグに1楽章最後で拍手が入ってしまうほどの熱気、終演後のブラヴォーの嵐は言うまでもあるまい。名演。録音も比較的良好。

※2005/5/13の記事です
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