つれづれなるままに  1680  竹取物語を読む

2013-01-29 21:14:12 | 雑記

UHB大学教養講座、「竹取物語」を読むと題して、

竹取の老人が竹の中から見つけ女の子、やがて成長して光り輝く美女となる。その老人、翁の人生はどう変わったか、「この子を見つけてのちに竹取るに、節を隔ててよごとに金ある竹を見つくること重なりぬ。かくて翁やうやう豊かになりゆく。」と翁は黄金の入った竹を取り続けて、財力の大きい者になっていきました。

かぐや姫と名付けられた彼女のもとに多くの求婚者が訪れる、この熱心な求婚者をみて、爺は申すこと「聞いてもらえるだろうか」と言うと、かぐや姫は「どんなことをおっしゃっても、お聞きしないことがありましょうか。あなた様をほんとうの親とばかり思い申し上げています」と言う。翁は、「うれしくもおっしゃるものだ」と言った。「爺は、齢七十を越えた。今日とも明日とも分からない命だ。この世の人は、男は女に婿入りをし、女は男に嫁ぐことをする。そうして一門が大きく発展していく。あなたも結婚のないままおられるわけにはいかないと、今も昔も子を思う気持ちは同じ、一門のためにと出世を願った翁、しかし貴公子はどうして翁の手で育てたのに、自分の自由にならないのか、わが子ならどうにでもなるだろうに。この女をもし献上するなら、「翁に五位の位を授けるものを」と翁の人生も竹取老人から、思わ無方向へと変化していきます。最後は帝の求婚をも退いて8月15日、月の国へと帰っていきます。

その後翁は血の涙を流して、悲嘆にくれたものの、何の甲斐もなく、あのかぐや姫が書き残した手紙を読んで聞かせても、「どうして命が惜しかろうか。いったい誰のためにというのか。何事も無用だ」と言って、薬も飲まず、そのまま起き上がりもせず、病に伏せってしまったそうですが、竹取老人としての一生、子を授かってからの人生、どちらが幸せだったのでしょうか。

今回はかぐや姫の話ではなく、竹取老人翁の人生について、改めて物語をいろいろな方向から読むことのおもしろさも知りました。

竹取物語は現存する最も古い物語、作者不明とは言え平安時代の物語文学で9世紀に後半に成立されたと言われています。現代にも共通することがあるように思いました。