時間にゆとりを持った高齢者、いろいろな所で講座が開催されています。UHB大学も私が入学した当時は70名近い新入生が入りました。その間、市民大学を初め多くの場所で教養講座が開講され、それと共にUHB大学の新入生も激減しています。今年の新入生どうでしょうか.
毎年入学希望者の為に公開講座が行われます。今回も多くの受講者で会場は満席でした。
今年は江戸の四季と題して、1回目は「江戸っ子の暮らしと風俗」
江戸の町は圧倒的に武家地で人口の約半分を占め、後の残りの70%近くは庶民、ほとんど長屋に住んでいたと言われています。長屋は往来に面した表店と住宅の裏店とがあり、表店は長屋の所有者が住んでいることもありました。裏店は4畳半に土間付が多く所帯道具も必要最小限度、家賃は1万6000円ほどだったそうです。
裏長屋は大変狭く必要な暖房器具は「火鉢」、物を収納する長火鉢や手を温める「手あぶり」、たまに「こたつ」もありました。
次に箪笥、裏長屋の住人はあまり衣装を持っていません、1枚の着物を夏は裏地を取り、寒くなれば裏地を付ける、場所をとる衣装箪笥必要なかったのです。寝具といえば敷布団と掛け布団1枚、1枚しか無いときは柏餅のように包まって寝たそうです。
江戸時代の貨幣を現代の貨幣に換算すると1両が12万、1分が3万、1朱が7,500円、1分が30円、1匁が約2,000円となり上職人、大工や石切、左官などは1日の手間賃が約5,940円となり、酒は1升80文で2,400円、居酒屋でお銚子1本12文で360円、桜餅は1個4文120円と値段は高かく、いつも生活が苦しかった事が伺えます。
ほとんど自給自足の生活、水は家の側の川や井戸、トイレの糞は貴重な肥やし、山で薪をとり、稲わらを燃やし灰も使いきる、紙だとてお尻りをふいた紙も回収し漉きなおし再びトイレの紙として使う徹底したリサイクルでした。
洗濯は木灰を水に溶かした上澄みの灰汁、ムクロジ、トチの実、水路の水を汲んでたらいに入れ、このような天然素材の洗剤で衣類を洗い、汚れた水は肥料や家庭菜園などに使う、江戸時代の隅田川には汚水が流れず、川の水を汲んでお茶も沸かしたそうです。
不自由ない生活を送っている現代人、たまに江戸の暮らしも振り返ってみる事も必要なことだと思いながら、話を聞いていました。もうすぐ70歳になります。
我々の祖先は人生50年と言う意識を持っていました。52歳で亡くなった井原西鶴は「人間五十年の究り、それさえ我にあまりたるに、ましてや浮世の月見過ごしにけり末二年」と人よりも二年も長生きしたことを喜んでいます。
現在の50歳は働き盛り、私も70歳とは言え、まだまだ人生が残されています。私の寿命・・80歳としてもあと10年、この10年をどのように過ごすか、自分次第ですね。