rock_et_nothing

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名曲集で初めて聴いた、サラサーテ”ツィゴイネルワイゼン”

2013-01-16 16:32:12 | 音楽たちークラシック
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Itzhak Perlman plays Sarasate / Zigeunerweisen

子供の頃に、母が買った名曲集のレコードの中にあった”ツィゴイネルワイゼン”。
哀愁たっぷりに奏でられる音、めくるめくヴァイオリンの速弾きに、驚き聴き入った曲。
レコードについていた曲と作曲家についての鑑賞ノートを読み、スペインのフラメンコからくる印象を頼りに、遠い異国の地を夢想したものだ。

10枚組みだった名曲集が家にやってきてからしばらく、学校から帰ってくるとすぐさまレコードをかけ、どの曲がお気に入りか聴き比べ遊んだことを思い出す。
もっとも、名曲集といってもクラシックばかりではなかった。
映画音楽やイージーリスニングなども幅広く取り上げた、昭和に流行ったファミリー向け名曲アルバム。
それでも、自分でレコードをセットして音楽を聴くという行為が、背伸びした感覚をもたらしてくれて、子供の自尊心を満たしてくれた。

サラサーテの”ツィゴイネルワイゼン”は、子供の好奇心と自尊心を十分に満足させてくれるものだった。
超絶技巧に支えられたメランコリックな響きは、日本の歌謡曲にはない空気を作り出し、空想の世界へと子供の心を運ぶ。
そうだ、「兼高かおる世界の旅」が大好きでよく見ていた。
その番組で得た情報を空想の足がかりにしていたことを思い出す。
今と違って、情報源は少なく、未知なものに興味深深だった子供は、出会った情報をむさぼるように吸収していた。
テレビ番組はもちろんのこと、洋食器に描かれた模様、海外旅行のお土産の包装紙、絵本や教科書にいたるまで、しつこいくらいに見入っていた。
もしかすると、それも幸せといえるかもしれない。
自発的な渇望は、人に目標を与え、生き生きとしたときを過ごさせる。
つまり、「空腹は最高のスパイス」、そんな感じだろうか。