先日、NHK-BSで日本のフェンシングの強化の歴史を紹介した番組を見ました。
7月に放送されたものの再放送で、日本フェンシング界が北京、ロンドンと連続してオリンピックのメダルを得るまでの50年に及ぶ道筋を再現映像、実写映像で描いたものでした。
ちょっと感動的な内容でした。
「ロシアが300日の合宿をしているなら、弱小日本はそれを超える500日合宿をやるぞ」と宣言し、協会が7千万円を超える資金を集め、熱意ある外国人コーチが日本人の欠点を補う戦術を編み出し、選手たちが血のにじむような練習を重ねて得たメダルであるということ。
そういえば太田選手は銀メダル獲得後に「就職先募集中」と語り、やがて森永製菓に所属することになりました。
裏を返せば、協会の準備した宿舎に寝泊まりし、少ない強化費で衣食をまかない、何年もの間ひたすら自己の生活を犠牲にして夢を追いかけていたことになります。
リオに出場した水球チームにも無職の方がいたように記憶しています。
実業団所属選手が駅伝優先という制約から逃れられないなら陸連が資金を集め、マラソンに適性のある選手をジュニア時代から選抜して本当の意味のナショナルチームを結成して長期的強化に当たればフェンシングの奇跡を再現
できるでしょうし、連続してメダリストを生んでいる水連の仕組みを参考にしてもよいでしょう。
個人的にはオリンピックがすべての競技の最高の舞台だとは思っていません。
スキーのようにW-cupで世界を転戦する仕組みがある競技では、真の王者は1シーズンを通して強い者という定義のほうがしっくりくると思っています。
一発勝負のオリンピックでは運不運も作用して、敗者には過酷すぎることも。
でも、それだからこそ強い者へ弱者がいどむ知恵と努力には感動もできるとも思っています。
陸連に会費を納めている身としては、マラソンの強化にもっとお金を使ってほしいと思うし、そのためなら会費とは別に寄付してもよいと思います。
30km過ぎで日本勢が先頭集団から置いて行かれるような展開のレースを見なくてもよい日が早く来ることを願います。