大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

高校ライトノベル・魔法少女マヂカ・049『大塚台公園秘密基地完成!』

2019-07-24 14:50:42 | 小説
魔法少女マヂカ・049  
 
『大塚台公園秘密基地完成!』語り手:マヂカ  

 

 

 大塚台公園の秘密基地が完成した。

 

 司令の話だと、もう一か月はかかるという話だったが、原宿空中戦で事情が変わった。

 驚いたことに霊魔が憑依体になって出現したのだ。

 憑依体は、時空の中に閉じ込められた怨念に憑依して亜空間に実体化したものだ。

 魔法少女の経験から言っても、霊魔は独自に成長、変容を遂げるもので、憑依融合して別物になることはあり得ない。

 霊魔の成長は足し算で、10のものが100になるには10回の足し算を経なければならない。

 憑依すると掛け算になる。10のものが100になるには、一度かけるだけでいい。

 怨念は百余年前、東郷提督率いる連合艦隊によって完膚なきまでに叩きのめされたバルチック艦隊だ。

 イズムルードは、バルチック艦隊の二等巡洋艦。海戦に生き残ったが、ウラジオストクを目前に座礁して爆破処分されたという幸運なのか不運なのかよくわからない船だ。それが、こともあろうに東郷神社の池から出現したのだ。

 このままでは、他のバルチック艦隊の艦船霊にも憑依して脅威になることはあきらかだ。

 

 秘密閣議で決定されると、神田明神・将門の協力もあって、五日余りで完成したのだ。

 

 掃除当番が終わると、本館一階の倉庫に急ぐ。ほら、神田明神の巫女さんが出入りに使っていた倉庫。

 それを大塚公園の秘密基地にもコネクトできるようにしたのだ。

 かすかにコロッケの匂い。ついさっきまで、揚げたてコロッケを食っていたやつがいる……たぶんノンコ。

 調理研の三人は北斗のクルーだが、クルーとして働いているうちはポリコウ(日暮里高校)生個人の意識は眠っている。

 出動前にコロッケ食うなとは言えない。

 

 床にうっすらと流三つ巴、神田明神の紋所が浮かんでいる。

 

 流三つ巴の真ん中に立つと、周囲の景色がスパークし、ホワイトアウト……反射的に目をつぶる。

 今日は、秘密基地の完成祝賀会がある。

 特務師団の母体は自衛隊なので、そういう節目のセレモニーというか祝い事は大事にする。

 まあ、初日ぐらいはいいじゃないか。新秘密基地の施設や装備のあれこれを肴に、飲んで騒いで楽しもう。

 知らぬこととはいえ、コロッケを食べてしまったノンコが哀れに思える。

 フフフ……いや、笑っちゃかわいそうだ。

 シュイーーーン

 電子音がして、皮膚が刺激される。

 これは、強制的にポリコウの制服が解除されて魔法少女のバトルスーツに切り替わったことを表している。

 祝賀会なのだからリラックスして、いろいろ食ったり飲んだりしたいが。まあ、自衛隊なのだ、規律は大切だ。

 

「マヂカ、出動だ! 直ちに北斗に乗り込め!」

 

 目の前で来栖司令が青筋を立てている!? しゅ、祝賀会は? どうなっているんだ!?

 

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高校ライトノベル・高安女子高生物語・35〔なんで付いていかなあかんのん!?〕

2019-07-24 06:21:48 | 小説・2

高安女子高生物語・35
〔なんで付いていかなあかんのん!?〕         



 なんで付いていかなあかんのん!?

 思わずダイレクトに聞き返した。
 明菜が、離婚旅行に付いてこいと言うてきた。

 明菜のええとこは、人に接するのが前向きなこと。

 普通メールで済ますことでも、ちゃんと電話してくる。

 せやけど、この距離の取り方と、とんでもない切り口から切り出すのは、人によってはどん引きされる。
 一昨日の「ナポレオンの結婚式の日やから合お」なんか、あとの話聞くとウィットやけど、人によったら「ケッタイなヤっちゃなあ」で、敬遠される。せやから、明菜には友達が少ない……なんや、流行りのラノベのタイトルみたいや。

 ほんで、結局は、いっしょに付いていくことになった。うちも変わり者ではある。

 まあ、アゴアシドヤ代持ってくれる言うんやから、離婚旅行の付き添いいうことを除けばええ話や。
 目的地はハワイ……とまではいかへんけど、有馬温泉。
 明菜のお父さんのセダン……左ハンドルやから外車やいうのは分かるけど、メーカーまでは分からへん。革張りのシートにサンルーフ。後部座席には専用のテレビに、バーセットまで付いてる。なんでか、うちの日常では見慣れたリアワイパーは付いてなかった。

「ああ、リアワイパーが無いのが不思議なんだね?」

 お父さんが、うちの不思議を見破って、すぐに聞いてくれはった。アクセントは関西弁やけど、言葉は標準語。純粋の河内のネエチャンであるうちには、これだけで違和感。

「なんで付いてないんですか?」
 かいらしく素直に聞いておく。
「国産のワンボックスなんかだと、車のお尻とリアウィンドウが近くて、泥が付きやすいんでね。セダンはお尻が長いから付いてなんだ」
「そうなんですか」
 と感心してたら、前走ってる日産のセダンには付いてた。
「フフ、分かり易いけど、知ったかぶりでしょ」
 お母さんが、鼻先であしろうた。
「僕のは一般論だよ。むろん例外はある。日本人にとっては、バックブザーと同じく親切というか行き届いていることのシンボルなんだね。ま、民族性といってもいい」
 お父さんは、構わずに話をまとめた。

「前の車、邪魔ね。80制限の道を80で走るなんて、ばかげてる」

 サービスエリアで、休憩したあと、運転をお母さんが替わって、第一声が、これだった。
「始末するか……」
 ゴミを片づけるような調子で、お母さんが呟くと、ウィーンと機械音がした。明菜もなんだろうって顔をしている。

 地獄へ堕ちろおおおおおおおおおおおおおおおお!!

 スパイ映画の主人公みたいなことを言うと、いきなり機関銃の発射音と、衝撃、そしてスモークが車内に満ちた。お母さん以外の三人はぶったまげた。

 で、前を走っていた車は……あたふたと道を譲った。
「おまえ、おれの車いじったのか?」
「離婚記念にね。大丈夫、映画用のエフェクトだから弾は出ないわ。ここ押すとね、車内だけのエフェクトになって、外には聞こえないわ。今のは若いニイチャン二人だったから、ちょっとイタズラ。まちがってもヤクザさんの車相手にやっちゃいけません」
「こういうバカっぽいとこ、好きだな」
「こんなことで、離婚考え直そうなんて、無しよ」
「それと、これとは別」
「だったら、結構」
「おかげで、時間通りに着けそうだな」

 お父さんは時間を気にしているようだった……。

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高校ライトノベル・里奈の物語・34『猫の恩返し・5』

2019-07-24 06:15:31 | 小説3

里奈の物語・34
『猫の恩返し・5』

 
 

 
 
 伯父さんが差し出した指輪ケースの中は空っぽだった。

「確かに、うちで売ったもんやけど……」
「ケースだけじゃ意味ないわね。これはケースだけ拾たもんの悪戯やろね」
 小母さんは興味を失ってヘッドルーペを外した。伯父さんは「はい」と言ってケースをあたしに渡すと仕事に戻った。
「なにか変ったとこはないんですか?」
 ウズメと知り合ってからの謎が解けると期待していたので、あたしは未練がある。
「内張りが張り替えたある。オリジナルやったら、ケースだけでも5000円くらいはするねんけどな」
「悪戯か……」
 ため息ついて部屋に戻った。ウズメに罪は無いんだろうけど恨めしく思える。
「エロゲでもやるか……」
 拓馬に貸してもらった新作を桃子に入れる。インストールに時間が掛かる。視線が画面からケースに移る。
「あたしも未練がましい女だ」
 吹っ切って画面に集中。まずはコンフィグ画面で音量を調節。ヘッドフォンで聞くので調整しておかないと鼓膜が破れかねない。
「グラフィックが綺麗……」
 拓馬が貸してくれるエロゲはHの凄さよりもグラフィックやストーリーが重視のよう。もっとも拓馬が貸してくれるもの以外は、エロゲなんかやったことないけど。

 今度のは援助交際ものだ。

 テニス部でエースと言われた主人公が肩を痛めてテニスができなくなる。欝々とした時間が流れる中、一年で退学した女友達と街で再会。友だちは援助交際をやっているが、ホストクラブに借金がある。二日以内に十五万円を入れなければボコられる。
 主人公は友だちを助けるために援助交際を始めることになる……ま、ありがちな設定。
 だけどグラフィックは素敵。女の子の顔や体の表現はもちろん、背景になっている街や屋内の描写も一流のアニメを観ているよう。
「あ!」と思った。
 主人公は、お得意の情報管理に二次元バーコードを使っているのだ。これなら万一捕まっても情報が漏れることはない。
「これって……」
 閃いて、指輪ケースの内張りを見る。
「このマダラ模様、二次元バーコード!?」
 さっそくスマホを出して写してみる。
「ん~……深読みし過ぎか」
 マダラ模様からは何も読み取れなかった。

 最初は嫌々やっていた援助交際、客との行為は苦痛でしかなかったけど、次第に目覚めて喜びを知るようになる。喜びを知る自分が汚い者のように思えるが、やがて、その喜びを肯定的に受け入れるようになる。顧客の男たちが喜んでくれることも生き甲斐になっていく。
 むろんエロゲなんで、ご都合主義ではあるんだけど、耽美主義的にはスゴイ完成度だと思う。
 
 ちょっと疑問に思った。

 主人公は二次元バーコードで情報管理をやっているけど、こんなの見つかってクリックされれば全て分かってしまう。凄いと思った自分が浅はかに思える。
 だけど違った。
 主人公のバーコードは、そのままでは参考書の情報しか出てこない。
「……なるほど」
 主人公は顧客と連絡をとる場合、大学の進学情報のバーコードを入力してから参考書のバーコードを読み取る。そこで初めて顧客情報に行きつくことになる。

 ひょっとしたら、このケースも!?

 あたしはケースを握りしめ、お店の方に向かった……。
 

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高校ライトノベル・須之内写真館・7【チェコストーンのドレス・2】

2019-07-24 06:09:15 | 小説4

須之内写真館・7
【チェコストーンのドレス・2】        


 ファインダーに写っているのは、エミーリアそのものだった……。

「あなたは……」
『杏奈の母親のエミーリアです。ちょっと時間の隙間に、ごあいさつをと……』
「日本語がお分かりに?」
『生きてるころに少しだけ。今は心でお話ししているから、言葉の壁はありません』
「杏奈ちゃんは?」
『ここは時間の隙間だから。これが閉じれば、杏奈になります』
「とてもお似合いです、そのドレス」
『ありがとう。杏奈がプラハに来たら、このドレス姿で、あの子の夢の中に現れるつもりでした』
「修学旅行は残念でした」
『ええ……でも、順がこのドレスをネットオークションで買ってくれたんで、いっしょにきちゃいました。まあ、ドレスに付いてるチェコストーンの一つぐらいに思っていてください』
「不慮の事故で亡くなられたんですよね」
『……ま、それは、今は割り切っています。時間がありません。少し直子さんにお願いがあるんだけど』
「はい、あたしで間に合うことでしたら」
『杏奈は、考える前に行動してしまう子です。どうやら、わたしに似たようで……』
「フフ、同じオーラがします」
『順は、忙しくて、その割には稼げなくって。でも杏奈は、そんなこと気にしていません。だからガールズバーのバイトも平気でやっちゃうし』
「あ、それだったら、もう辞めるように……」
『続けさせてほしいの』

「え……」

『プラハのモデルの仕事より安全……今のバイトは、杏奈にとっても役に立ちます。それを直子さんにお願いしたくて』
「……うん、分かりました。なんとかしましょう。一枚撮ってもいいですか?」
『写ればね……』
「大丈夫……」

 直子は、ファインダーに程よくエミーリアをとらえ、シャッターを切った。

「ああ、ドレスって疲れる~」
 杏奈が不平を言って撮影は終わった。
「ビックリするようなものが写ってるわよ」
「え……うわー、ほんと、あたしじゃないみたい!」

 驚いたのは直子の方だった。写っているのは、ポーズこそエミーリアだけど、杏奈そのものだった。エミーリアはエレガントだったが、杏奈は今風の、ちょっとオチャメな笑顔。
 でも、エミーリアとの会話は、直子にとって現実だった。

 直子は、代々続いた江戸っ子である。義理には硬い。

「杏奈、ガールズバーのバイト続けようよ」

「え!?」

 杏奈は表情筋を総動員して驚いた。

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高校ライトノベル・『はるか 真田山学院高校演劇部物語・75』

2019-07-24 06:02:55 | はるか 真田山学院高校演劇部物語

はるか 真田山学院高校演劇部物語・75
『第七章 ヘビーローテーション 13』 

 再びヘビーローテーションの日々が始まった。

 歌もばっちり、台詞も完ぺき。感情も自然に湧いてくるようになった。
『おわかれだけど、さよならじゃない』も、新大阪での経験が生きて、カタルシスになってきた。
 動きのほとんども、稽古の中で出てきた感情や、表情に合ったものに置き換わっていた。

 でも、大橋先生はこう言うのだ。

「スミレとカオルが似てきてしもたなあ……」
「それって、だめなんですか?」
「人間と幽霊いう差ぁはありますけど。同じ世代同士やから、同じ感じになってきてもしゃあない……いうか、ええことちゃいます?」
「いや、やっぱり違う人格やねんから、違ごてこならあかん。だいいち時代性が出てけえへん。特にカオルなあ」
「わたしですか?」
「うん、ゼイタク言うてんねんけどな。やっぱし戦時中の女学生の匂いが欲しいな」
「匂いですか……」
「うん、ちょっとした仕草、物言い、表情とかにな。ま、もういっぺんやってみよか」
「はい」

 そして、さらにヘビーローテーション。

 わたしは戦時中女学生だった女流作家のエッセーや小説なんか読んでみたりした。
 佐藤愛子さんや田辺聖子さんの本なんか参考になったけど、つい中味の面白さにひっぱられ……。
「アハハ」で終わってしまう。
 もうコンクールの地区予選まで一ヶ月を切っていた。
 わたしたちから希望してテスト中も、時間をきって稽古させてもらった。

 そんな五里霧中の中、こんなことがあった。

 学校で一回通しの稽古を済ませて、明日はテストの最終日、わたしがもっとも苦手とする数学がある。
 ベッドにひっくり返って……以前も言ったけど、家で本を読むときは、時に他人様にお見せできない格好をしております。
 もちろん頭は戦闘態勢。苦戦中ではありますが……。
 上まぶたと下まぶたが講和条約を結びそう……。
 鉄壁の防御を破り、y=sinθどもが足許から匍匐前進で、ベッドの下からはy=sin(θ+π/2)どもが攻め上ってくる。身体は金縛りにあったように動かない。
――ウウウ……ウ……と、わたしは苦悶の形相!
 あわや、本塁を抜かれようとした、その刹那。
 一匹の小さな白い狼のようなものが現れ、寄せ来る敵をバッタバッタと打ち伏せて、敵は無数のyや、θ、π、αなどに粉みじんになって消えていった。
 その白いものは、人のカタチをしていた。

――マサカドクン……?

 東京のホテル以来じゃないよ。大阪に来て、こんなに長いこと姿を見せないことってなかったじゃないよ。
 すると、マサカドクンは少しずつ姿を変えていった。
 四頭身の身体がスリムになっていき七頭身ほどになった。
 そして、少しずつピントが合っていくようにあきらかになってきた……。
 その姿はカオルそのものだった。
 そして、何かを伝えようとしているように胸に手を当てた。
 そして、何かを受け取ったような気がした……。

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高校ライトノベル・連載戯曲『月にほえる千年少女かぐや(改訂版)・6』

2019-07-24 05:53:18 | 戯曲

月にほえる千年少女かぐや(改訂版)・6


時   ある日ある時
所   あるところ
人物  赤ずきん マッチ売りの少女 かぐや姫

 

 

赤ずきん: 男は女を愛したらオオカミになるっていうぞ。
かぐや: あの方……オオカミになりながら涙をためていらっしゃった。とても悲しそうに、とてもせつなそうに。だからわたし、そっとハンカチを渡してあげたの。あの方、ハンカチをにぎりしめ、大つぶの涙を流しながら、じっとわたしの目を見つめ……ポツンと一言……
マッチ: おいしそうだ……

赤ずきん: ズコ!
かぐや: ほほほ……
赤ずきん: せっかく真面目に聞いてんのに、まぜっかえすな。
かぐや: まぜっかえさないと焦げついちゃうでしょ、鍋の底とか心の底に。わたし好きよ、そういうの。
マッチ: へへへ
赤ずきん: それで?
かぐや: それでオオカミ男さんは大つぶのよだれをたらし……あら、うつっちゃった。

三人、のどかに笑う。

赤ずきん: 大つぶの涙を流しながら……
かぐや: 大つぶの涙を流しながら……ぼくと同じ目だ。
 
「月の沙漠」のオルゴール聞こえる。

かぐや: 唐突だけど「月の沙漠」を思ったわ。(歌う)金と銀との鞍置いて、ふたつ並んでゆきました……そうしたら、オオカミ男さんも、同じメロディを口ずさんでいた……ね、外に出てみましょうか?
マッチ: う、うん。

三人外に出る。空に月が出ている。

マッチ: うわあ……!
赤ずきん: なに、これ?
マッチ: 砂漠?
かぐや: ううん、鳥取砂丘。月までもどる力は、わたしにも、この家にもない。だから時々ここに来てなつかしんでるの。今のわたしたちの話で、この家がなつかしがったのね。金八郎先生が来たわけじゃないわよ。
マッチ: 砂ばっかりで、砂漠みたい……
かぐや: 「月の沙漠」って、千葉県の御宿海岸がモデルなんだけど。わたしはこの鳥取砂丘のイメージなのよね……
赤ずきん: どうして?
かぐや: それはね……金八郎先生がそう教えてくださったから。
赤ずきん: 金八郎まちがったこと教えたんだ。
マッチ: いけないんだ~。金八郎先生って、かりにも国語の先生だよ。
かぐや: ううん、まちがってらっしゃらないわ。
赤ずきん: どうして?
かぐや: あの先生はご自分の感動を正しく教えてくださったわ。
赤ずきん: でも、まちがってんじゃ、しょうがないじゃん。
マッチ: うんうん。
かぐや: あのね、わたしこう思いますの。すみからすみまで正確な授業でも、感動のない授業なら、教えたことにならないって。
赤ずきん: はあ……
かぐや: 金八郎先生は授業を脱線して「月の沙漠」のお話をなさった。
赤ずきん: 知らないぞ、その話。
マッチ: わたしもよ。
かぐや: あの日は、お二人とも改訂版が出るんでお休みになってましたよ。
赤ずきん: あはは。あたしたちって、売れっ子だから(^^♪
マッチ: うふふ。
かぐや: おしいことをなさいましたわね。それは、それは熱く語ってくださいましてよ。
マッチ: そうなの?

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