二人一組でヘルプに派遣されることになったよ。
ノンコは友里と二人で『ねこのて』に行った。
『ねこのて』は、それこそ猫の手も借りたい忙しさ。
十人いるメイドさんは五人ずつの交代制なんだけど、五人だと手が回らなくって、シフトに入ってる間はろくに休憩もとれないありさまで、まさに猫の手も借りたい忙しさ(;^_^A。
お店の名前でも分かると思うんだけど、人間に恩返ししたいネコたちが猫の神さまの力でメイドになってお給仕しているお店なのニャ……あ、ネコ語になってるニャ!
友里は『ゆゆ』で、ノンコは『のの』。
なんか、まんまって感じなんだけど「『ねこのて』の売れっ子のホーリーネームなのよ」って、ねこまんまが言う。
ねこまんまというのは、ネコママが変化したもので、お店のリーダーなのニャ。
フリフリのメイド服にネコミミカチューシャを付け、胸には猫の手の名札を付けるニャ!
猫の巣って名前の部屋は控室とゆーか休憩室。ロッカーが並んでる突き当りに神棚があって、神棚の前でお祓いを受ける。
お祓いはねこまんまさんが、メイドとは思えないうまさでやってくれるニャ。
かけまくも畏き猫神さまの御前(おまえ)に、かしこみかしこみ申さく。師走みそかの良き日に『ゆゆ』『のの』のふたり、ねこのて乙女として相務めるにあたり、猫神さまの愛しみをこうむらんとて、ここに額ずき、幣を捧げるものなり~ 願わくば、二人のネコ乙女の罪穢れを掃い、つつがなき務めをば為させたまえ~ あなかしこ~あなかしこ~
バサ! バサ!
わたしと友里の頭の上で特大のハタキみたいなのが振られ、友里と二人で榊ってゆう葉っぱ付きの枝を捧げ、お猪口一杯のお酒を頂いたのニャ。
高校生なのにお酒……ま、お神酒ってことだから、ノープロブレムニャ(^▽^)/
お客様が来たら「お帰りなさいませご主人様~」 お帰りになる時は「行ってらっしゃいませご主人様~」 定番のオムライスを出す時には、ケチャップでハートを書くのは普通のネコカフェ、ねこのては『猫の手』を書くニャ。でもって、猫の手の下に「愛してるニャ」とか「ラブニャ」とか書くニャ。
ほんで、テーブルに置いてから「美味しくな~れ、美味しくな~れ、ラブ注入ニャ(^▽^)/」と、定番のお呪いをやったりするニャ。
友里は、最初は蚊の鳴くような声しか出せなかったけど、三十分もしたら、普通にやれるようになったニャ(o^―^o)
ノンコは、学校の勉強とかはからっきしだけど、メイドのお仕事は合ってるニャ!
めっちゃ楽しく一日が過ぎたんだけど、さすがに疲れたニャ。
あと一週間、頑張るニャ!