鈴木聖也は、あたし(渡辺愛華)のとなりの家に住んでいる幼馴染(?)の亡命宇宙人。
秋のある日、駅で暴漢に襲われ、学校では食堂の工事現場の鉄骨に潰されそうになるけど、聖也が時間を止めて救けてくれた。
犯人は、なんと、これまた幼馴染(?)の吉永紗耶香。紗耶香も宇宙人で、聖也を抹殺するために、あたしを殺そうとした。
あたしは聖也の命の素になる宇宙エネルギーを、聖也に合うように変換できるから。
そのために殺されそうになり、救けられもしたんだって……でも、それだけ?
秋のある日、駅で暴漢に襲われ、学校では食堂の工事現場の鉄骨に潰されそうになるけど、聖也が時間を止めて救けてくれた。
犯人は、なんと、これまた幼馴染(?)の吉永紗耶香。紗耶香も宇宙人で、聖也を抹殺するために、あたしを殺そうとした。
あたしは聖也の命の素になる宇宙エネルギーを、聖也に合うように変換できるから。
そのために殺されそうになり、救けられもしたんだって……でも、それだけ?
「なによ、制服なんか着て?」
朝一のお母さんの言葉はボケていた。
「なにって、学校よ」
ボケたお母さんには付き合っていられないので、そのまま玄関へ。
「今日は土曜日だよ」
「え……?」
ローファーを右足だけ履いてフリーズしてしまった。
「やだ愛華、まだ金曜かとか思ってたの?」
「そか、土曜日だったんだ……」
「やあね、ボケるには七十年ほど早いわよ」
「ああ、損した!」
土曜と分かれば、制服なんてウザったいものは着ていられない。さっさと部屋着に着替える。
「しかし、またなんでボケちゃったのよ、こんなの初めてじゃない……朝ごはん食べなおす?」
「うん、休日バージョンで」
ウィークデイはトーストにチーズ乗っけたのに季節のジュースだけ、お母さんはコーンスープとベーコンエッグとサラダを作ってくれた。
「家族三人で朝ごはんなんて、久しぶりだな……」
お父さんは、そう言うと、ベランダ越しの空を見上げた。
「UFOでも飛んでる?」
「いや、雨が降るんじゃないかと思って」
親二人がかりで娘をおちょくる。
「なにって、学校よ」
ボケたお母さんには付き合っていられないので、そのまま玄関へ。
「今日は土曜日だよ」
「え……?」
ローファーを右足だけ履いてフリーズしてしまった。
「やだ愛華、まだ金曜かとか思ってたの?」
「そか、土曜日だったんだ……」
「やあね、ボケるには七十年ほど早いわよ」
「ああ、損した!」
土曜と分かれば、制服なんてウザったいものは着ていられない。さっさと部屋着に着替える。
「しかし、またなんでボケちゃったのよ、こんなの初めてじゃない……朝ごはん食べなおす?」
「うん、休日バージョンで」
ウィークデイはトーストにチーズ乗っけたのに季節のジュースだけ、お母さんはコーンスープとベーコンエッグとサラダを作ってくれた。
「家族三人で朝ごはんなんて、久しぶりだな……」
お父さんは、そう言うと、ベランダ越しの空を見上げた。
「UFOでも飛んでる?」
「いや、雨が降るんじゃないかと思って」
親二人がかりで娘をおちょくる。
あたしが今日を金曜と間違えたのは、聖也が日にちをずらしたからだ。どうも、となりに宇宙人が住んでいるというのは迷惑だ。
朝ごはんを食べなおすと少し余裕が出てきた。夏休みの初日みたいにウキウキしてきた。
そうだ、夏休みにできなかったアレをしに行こう!
朝ごはんを食べなおすと少し余裕が出てきた。夏休みの初日みたいにウキウキしてきた。
そうだ、夏休みにできなかったアレをしに行こう!
で、あたしは十時になるのを待って図書館に出かけた。
「うーん、新刊本が入れ替わってるなあ……」
夏休みは、これで挫折した。
いっぱい本を読もうと図書館に来て、新刊本をあれこれつまみ読みしているうちにくたびれ「また明日にしよう」を数回くりかえして挫折した。
「ハハ、土壇場で選びきれないんだ」
気づくと、すぐ横で宇宙人がニヤニヤしている。
「うーん、新刊本が入れ替わってるなあ……」
夏休みは、これで挫折した。
いっぱい本を読もうと図書館に来て、新刊本をあれこれつまみ読みしているうちにくたびれ「また明日にしよう」を数回くりかえして挫折した。
「ハハ、土壇場で選びきれないんだ」
気づくと、すぐ横で宇宙人がニヤニヤしている。
「ん、いつからそこに?」
「たった今、入ってすぐ愛華が目についた」
「フフ、かわいいから?」
「新刊コーナーを猿みたいにグルグル回ってるのが可愛いと言えるなら」
「なによ!?」
「迷ってるんなら、ルールを決めればいい」
「ルール?」
「うん、例えば、もう一周コーナーを回って、最初に目についた本にするとか」
「なんか占いみたい。ま、他のコーナーも見て回るわ」
「よけい決められなくなるよ」
「大きなお世話」
あたしは文芸書の書架に行った……シャクだけど聖也が言った通り、迷いが大きくなっただけで、諦めの気持ちになる。
シャクだなあ……諦めるのヤだから、けっきょく聖也が言ったルールになる。
でも聖也が言ったマンマは嫌なんで、新刊コーナーを二周することにする。大した違いはないんだけど。
「……これだ!」
二周回って目についたのは『星の王子さま』。なんとも古い本を手にしたものだけど、『星の王子さま』は著作権が切れてから、たくさんの新訳が出ている、きっと最新訳だろうと、真新しい本を手に持ってカウンターへ。
「奇遇だな、オレも『星の王子さま』。オレのは、四十年前のだけどな。ずっと探してて、やっと予約ができたんだ……」
そうやって、聖也が差し出した『星の王子さま』は、あたしが借りた新刊本とソックリだった。
「ん……いっしょだね?」
「……愛華のは復刻版だ」
聖也は、復刻最新刊が出ているとは知らず、四十年前のヨレヨレを、わざわざ予約して借りたんだ。ちょっといい気味。
でも帰り道に思った。なんで聖也と同じ本を読まなきゃならないんだ……!?
「たった今、入ってすぐ愛華が目についた」
「フフ、かわいいから?」
「新刊コーナーを猿みたいにグルグル回ってるのが可愛いと言えるなら」
「なによ!?」
「迷ってるんなら、ルールを決めればいい」
「ルール?」
「うん、例えば、もう一周コーナーを回って、最初に目についた本にするとか」
「なんか占いみたい。ま、他のコーナーも見て回るわ」
「よけい決められなくなるよ」
「大きなお世話」
あたしは文芸書の書架に行った……シャクだけど聖也が言った通り、迷いが大きくなっただけで、諦めの気持ちになる。
シャクだなあ……諦めるのヤだから、けっきょく聖也が言ったルールになる。
でも聖也が言ったマンマは嫌なんで、新刊コーナーを二周することにする。大した違いはないんだけど。
「……これだ!」
二周回って目についたのは『星の王子さま』。なんとも古い本を手にしたものだけど、『星の王子さま』は著作権が切れてから、たくさんの新訳が出ている、きっと最新訳だろうと、真新しい本を手に持ってカウンターへ。
「奇遇だな、オレも『星の王子さま』。オレのは、四十年前のだけどな。ずっと探してて、やっと予約ができたんだ……」
そうやって、聖也が差し出した『星の王子さま』は、あたしが借りた新刊本とソックリだった。
「ん……いっしょだね?」
「……愛華のは復刻版だ」
聖也は、復刻最新刊が出ているとは知らず、四十年前のヨレヨレを、わざわざ予約して借りたんだ。ちょっといい気味。
でも帰り道に思った。なんで聖也と同じ本を読まなきゃならないんだ……!?