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大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

魔法少女マヂカ・109『期末テストが近い』

2019-12-07 13:50:32 | 小説

魔法少女マヂカ・109  

 
『期末テストが近い』語り手:マヂカ 

 

 

 勉強会しようよ!

 

 ノンコが無謀なことを言う。

 どれだけ無謀かと言うと、テーブルを囲んでお昼ご飯を食べる手が一斉に止まってしまうくらい。

 じつは、土日を挟んだ週明けから期末テストなんだ。

 一学期の期末から、テスト前は調理研のメンバーでテスト勉強する習慣が付いている。

 まあ、放課後教室に残って持ち寄りのお菓子を摘まんで、ノートの見せっこやったり、問題を予想したり、提出物の漏れがないか、チェックし合ったり。

 ことさら、みんなでやる必要はないんだけど、みんないっしょというのが嬉しくって続いている。

 

 ただね、ノンコだけ成績が危うい。

 

 中間テストでは、欠点こそは二つだけだったけど、欠点スレスレが四つもある。油断していたら欠点六つと言う悲惨なことになりかねない。

 いつもフワフワと機嫌よく高校生活をエンジョイしているノンコだけど、三学期になって欠点六つには耐えられないだろう。

 学年末に六つも欠点とれば確実に留年する。

 だから、ノンコが勉強に集中できるように勉強会はやらないという暗黙の了解ができつつあったのだ。

「あーー、えとね、ノンコ」

 友里がお箸をおいて、体ごとノンコに向き合った。

「え、なに?」

「だからね……」

 

 勉強会しよーーーよ!!

 

 切り出そうと息を吸い込んだ友里を押しのけて、お弁当持ったサムが割り込んできた。職員室に呼ばれて遅れて来たのだ。

 先月やってきたサムは事情が分かっていないのだ。

「わたしんち、けっこう広かったりするからさ、泊まり込みでやってくれてもいいよ!」

「あ、それいい、わーーい、お泊り会だあ(^▽^)/」

 ノンコが、その気になってしまった。

 呑まれると言うか、勢いに流されるというか、舞い上がった二人に抗することも出来ないまま、二泊三日の勉強会が決まってしまった。

「ちょっと、サム」

 昼食が終わったサムを廊下に呼び出した。

「じつはね……」

「え……ノンコ、やばいの!?」

「うん、ちょっとね」

 瞬間、戸惑いの表情を見せたサムだけど、直ぐに美しい両眼に決意の焔を灯した。

「ちょ、魔法とかは無しだからね!」

「分かってるって!」

 胸を叩くと、腕組みしてグルンと両目を回した。

 こいつ、不二家のペコちゃんに似ている……。    「ペコちゃん」の画像検索結果

 

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乃木坂学院高校演劇部物語・58『大波乱の予兆』

2019-12-07 06:33:02 | はるか 真田山学院高校演劇部物語
まどか 乃木坂学院高校演劇部物語・58   
『大波乱の予兆』 


 
――理由は、その両方だと思いますよ。

「で、おまえ達は、どこまで進んでるんだ?」
「え……」
「その……」
「適当に返事しときゃいいわよ。どうせこの先生の暇つぶしなんだから」
「失礼なババアだな。わしゃ、若者の健全な育成のためにだな……」
「はいはい。ババアはこれで退散いたしますよ。また機械の操作が分からなくなったら声かけてくださいな」  
 奥さんは、意外なくらい新しい鼻歌と共に行ってしまった。
「おばちゃん、なかなかいけてますね」
「少年よ、人も物も正確に見なくちゃいけない。あれは、おばちゃんではない。礼節をもって呼ぶとしても、お婆さんが限界だ」
「でも、あの鼻歌、オリコンで十週連続でトップですよ」
「ただの、オチャッピーのなれの果てさ。ただ、女子挺身隊で電機工場に行っとたせいか、いまだに家電には強いけどな。有り体に言えばクタバリぞこない」
「アハハ、家じゃ、おばあちゃんが、おじいちゃんのことをそう呼んでます」
「あれでも心臓が弱くてな。二度ほど俺が蘇生させてやった。時々後悔するけど、あいつが居らんとテレビも満足に点けられん」
「夫婦愛ですね……」
 忠クンがしみじみ言った。とたんに先生がハデにむせかえった。
「忠友少年。そう言う言葉は、少年の少の字が中になってから言いたまえ……で、どこまで話したっけ?」
「あのう……ね」
 思わず二人は目を合わせた。
「うん、分かった!」
 先生は膝を叩き、メガネをずらしてわたし達を見つめ直して断言した。
「せいぜいキスの段階だな」
「「あの……」」
 同時に声が出た。
「どうだ、大当たりだろう!?」
 当たってはいるんだけど、状況が違う。あれは賞状が風に飛ばされて不可抗力だったんだ(詳しくは第二章を読んでください)
「二人とも、純で真っ直ぐで曇りのない目をしている。今時珍しいと誉めてやる」
「ありがとうございます」
 忠クンは、照れて頭を下げた。
「しかし、二人とも、雰囲気と行きがかりに弱い……ま、それで、火事場の馬鹿力。まどかの命を助けることもできたんだろうけどな。でも、どうだ、俺のおまじない、あらかわ遊園じゃ役にたっただろう。な、まどか」
 やっぱ薮先生は狸だ、こんなことまで知ってるなんて。実際火事の件は近所でも少し評判になった。でも、あらかわ遊園のことはね……よく考えたら、あらかわ遊園以来だ。二人で会うのは……って、狸が一匹オジャマ虫。
「物事には、裏と表があってな。こうやって狸じじいが、出会いの場を作ってやることもあるし、オジャマ虫になることもある」
 先生は、最後のヨウカンを口に放り込んだ。意外においしそうに食べている。

「忠友少年……真っ直ぐで曇りのない目だが、焦りを感じる。まどかに対して、その焦りは禁物だ。自分の人生に対してもな」
「先生……」
「話は最後まで聞きなさい。俺の親父は海軍の軍医だった……」
 先生は、わたしの背後の長押(なげし=襖の上の水平な細い梁みたいなの)に目をやった。
 体をひねっても見えないんで、忠クンの横に行った。忠クンの体温を間近に感じて、少しトキメイタ。それを知ってか知らでか、先生は演説を続けた。
「軍人というと十把一絡げに悪く言うやつもいるけどな、気持ちのいいヤツも多かった。親父は航空母艦の軍医長を長くやっていてな。おれがガキンチョの頃、よく家に若いパイロットを連れてきた。みんな真っ直ぐで曇りの無い目……しかし視点は爽やかなほど彼方にあった。まだ戦争は本格的にはなっていなかったけどな。國を護るということは、こんなに人の心を綺麗にするものかと思って聞いてみたことがある」
 気がつくと、先生は湯飲み茶碗にお酒を注いで飲んでいた。いま飲み始めたのか、さっきからそうしていたのか分からない。顔色を見ても、お酒に強い人なので分からない。
 やっぱ、薮先生は狸だ。

「その人は、こう言ったよ――そんな大げさなもんじゃないよ。航空母艦の飛行機に乗っているとね、潮風と空の風に吹きっさらされて、見えるものは遙かな水平線。で一見爽やかそうなバカッツラができあがるんだよ。秘訣って言えば、曜日を忘れないように、毎金曜日にカレー食うことぐらいかな――ってね」
 長押に掛かった写真は、少し帽子を斜めに被った先生と似ても似つかないイケメン。
 そのイケメンは――どうした若いの、どうしようってんだね――と、挑発している。

 それをわたしといっしょに眺めている忠クンの顔は……ね。
 マクベスの首を獲ったマクダフのようでした(分かんない人は『マクベス』読んでください)

 で、このときの忠クンの顔……というか、想いは、来年に起こる大波乱の予兆だった。ガキンチョのまどかが、それに気づくにはもう少しの時間が必要だった。
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Regenerate・3≪埋伏の時・2≫

2019-12-07 06:26:08 | 小説・2
Regenerate・3
≪埋伏の時・2≫ 



 

 ドッカーン!!

 ハンドルがとられそうな衝撃だった。周囲の通行人の多くが腰が抜けたように尻を落としたり、自転車ごと倒れていた。自動車も何台かぶつかっている。幸いなことに、見渡した限り怪我人はいないようだ。
 Oh my God!
 ドロシーは思わず母国語で叫んでしまった。
「なにが起こってるの!?」
 詩織も訳が分からなかったが、傍で腰を抜かしているお婆さんを立たせてやったり、泣きじゃくる子供をハグしてやったりしていた。
「ここらあだりの人は大丈夫だす。詩織、あだすのあと着いて来い!」
 ドロシーはハンドルを握ると、大学の研究室とは90度反対の東の道を進み始めた。二人の自転車は時速70キロを超えたが、詩織は不思議にも思わなかった。

 10分後、二人はコンテナの中に居た。コンテナは東名高速を走るトレーラーに牽引されている。

「イコライザーをしかけておいたので、直撃は免れたが、研究室は使い物にならない」
 まるで機械の添え物のようにチンマリと座った新島教授が、通販で買ったバッタものが駄目だったような気楽さで言う。
「なして、研究室がわがっでしまったのすが?」
「君たちの顔にスマイリーフェイスをかけたのを逆にたどられたみたいだ」
「あれ、先生だったんですが?」
「君たちの存在を知られるわけにはいかんのでな」
「でも、何重にもダミーを迂回すてあったんでしょ?」
「それだけ、敵も必死だったんだ」
「あの、よく話が分からないんですけど」
「んだべな」
「言えるところまで言ってあげよう。昨日の成田テロは、詩織君。キミが目標だったんだ」
「え、あたしが?」
「ああいうテロリストが出てくれば、君はああいう風に反応する。キミが犯人を確保した段階で起爆させるはずだったが、キミは二重の爆破装置をクラッシュさせた。奴らには想定外だったようだ。だから男のマインドコントロールが解ける前に始末したんだ。まあ、こっちも君たちの顔を隠すために大規模なハッキングをやらざるを得なかったが」
「先生……」
「なんだ?」
「あたしってカンザスから日本文学を研究しにきた、ただの留学生なんです。なんで、こんなことばっかり起こるんですか?」
「本当は、時間をかけて分からせるつもりだった。いま言えるのは、私もドロシーも、そして詩織、キミも普通じゃないということだ」
「普通じゃない?」
「普通のカンザスの女子学生が、テロリストを発見し、やっつけることができるかい? 時速70キロで自転車を漕いで、走っているトレーラーに飛び移れるかい?」
「できないんですか、普通?」
「……まあいい。研究室は、予備のものを使う。情報をダウンロードする。このモニターを10秒間見給え」
 モニターの一つに、RQコードが300回も変わって表示されたが、ドロシーも詩織も理解できた……というより、あらかじめ知っていた記憶が蘇ったように詩織には感じられ、違和感はなにもなかった。
「身に危険が及ばない限り、普通の女子学生をやっていてくれたまえ」

 トレーラーからは、都内某所で降ろされた。

「……晩御飯、どうすべな?」

 ドロシーが発したのは、きわめて日常的な言葉だった……。
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永遠女子高生・21・《京橋高校2年渡良瀬野乃・12・やっぱり》

2019-12-07 06:17:11 | 時かける少女
永遠女子高生・21
《渡良瀬野乃・11・やっぱり》          




「ノノッチ、順調にモデルやってんねんな!」

 それまでの沈黙を破って、愛華がピョンピョンはじけた。下足室のスノコがカタカタとと音を立てる。
「もうセワシナイ女やなあ」
 愛華の善意はわかっているが、こんなところでハジケテもらいたくないのでツッケンドンになる。
「もう、幸せがきたときは素直に喜ばへんと、幸せの神さまは逃げていくで! この、この、この、このおっ!」
 愛華は「この」の度に通学カバンで、野乃のお尻をペシペシ叩く。
「もう、お尻われるやろ!」
「え、われた?」
「キャ! なにすんねん、ヘンタイ女!」
 お尻を掴まれモフモフされた野乃は、愛華を追いかけまわし、下校ラッシュの下足室のいい迷惑になった。
 そして、迷惑とともに、野乃が秀一のモデルになっていることはともかく、恋していることが知れ渡ってしまった。

「一之宮先輩のことは、ぜったいナイショやからな!」

 愛華に念は押しておいたが、幸せお披露目屋への効き目はないだろうなあと思いつつ、京橋から学園都市線に乗り組む。
――どないしょ、もう、この気持ち止められへんやんか――
 車窓のガラスに薄っすらと映る自分が――諦めとき――と言ったような気がした。

「う~ん……」 
 
 秀一の手が止まった。
 もうデッサンの段階は終わり、原形の粘土像を造る段階にきている。
「あ、動いてしまいましたか?」野乃は恐縮した。
「いや、ちょっと休憩しよう」
「あ、ほんなら、ちょっと外の空気吸うてきます」
 モデルをやっているとき以外、秀一と二人きりでいると息苦しくなってくる。それで二回に一回は、工場の屋上に息抜きに行く。
「……もう、すっかり春やなあ」
 屋上から見える景色に、五分咲きの桜がチラホラ見え始めた。東大阪というのは雑駁な街だけど、こうやって見ると、あちこちに桜が植えられているのが分かる。なんだか、ガラッパチな自分にも人を恋する心があるのに似ている。

 ああ、そこキクキク~……と、まるで男の妖精のような声が聞こえてきた。

「どこから聞こえてくるんやろ?」

 耳を澄ますが、どこからかは分からない――じゃ、こんなのはどう?――今度は女の妖精の声もしてきた。
――うん、きく~、あやめのマッサージは、ほんとうに効くなあ……――
「え、先輩とあやめさん!?」
 声は屋上のダクトから漏れていた。どうやら、秀一がいる部屋からダクトを通じて聞こえてくるようだ。
――いつもお父さんのマッサージやってるからね……じゃ、こんなのはどう?――
――おー、いい! ごくらく、ごくらく~――
――ハハ、打てば響くって感じ、なんだか夫婦みたいだね――
――夫婦? そんな水臭い仲じゃないだろ、オレとあやめは――
――そうだね……お、今度は秀が揉んでくれるって?――
――ああ、おかえし――
――……うぉ、どこ触ってんのよ、そ、その……――

 野乃は慌ててダクトから離れた。やっぱり、先輩とあやめさんは……胸が締め付けられる野乃であった。
  
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小悪魔マユの魔法日記・117『消えゆく者・1』

2019-12-07 06:09:58 | 小説5
小悪魔マユの魔法日記・117
『消えゆく者・1』    



 それから、いろんなことがあった。

 レコード大賞の受賞曲をAKR47のメンバーが感激の内に歌っている間、ほんの一瞬テレビの画面にノイズが走った。
 それは、マユのアバターから、浅野拓美の霊が抜けていき、マユ本来の魂に入れ替わる瞬間。ほんの0・5秒ほど、強烈な霊波が出て、中継カメラに影響をあたえたからだ。

 そして、観客席の前方にある出場者の席から、神楽坂24の仁科香奈の姿が忽然と消えた。

 仁科香奈は、マユが拓美にアバターを貸すために自分の魂の居所が無くなり、急ごしらえしたアバターで、魂が抜けてしまえば存在出来なくなる。
 AKRの歌が終わって、大歓声が静まったころ、仁科香奈の横に居た神楽坂の子が気づいた。
「あ……香奈……?」
 最初は、気分でも悪くなったって席を外したのかと思われたが、楽屋にも化粧室にも香奈の姿は無く、マネージャーやスタッフ総動員で、ホール中探したが見つからず、除夜の鐘が鳴るころには警察に捜索願が出された。

――アイドル蒸発!!――

 マスコミも、一カ月ほどは、特集番組を組むなどの大騒ぎになったが、神楽坂24に新メンバーが補充され、梅が堅い蕾をつけるころ、世間は関心を失っていった。
――これでいい。
 
 マユはそう思った。
 
――あんたの、やってることって訳分かんない!
 オチコボレ天使の雅利恵からは、そんな思念が送られてきたが、利恵も何かを察したのか、それ以上のことは言ってはこなかった。

「さあ、がんばるんだ。三つ葉のクローバー!」

 黒羽が三人の顔を見ながら言った。
「はい!」
 元気の良い返事が、萌、知井子、潤の三人そろって発せられた。
「萌は愛情、知井子は信仰、潤は希望。そして、三人の想いが一つになったとき、幸福という、四枚目の葉っぱが現れる。稽古通り対応できるように……いいね」
 念を押す黒羽の後ろで、会長の光ミツルが笑っている。
「そろそろ、スタンバイお願いします」
 ADが密やかに声をかけた。三つ葉のクローバーのデビューは、坂東テレビの看板歌謡番組「ヒットチャート10」の最後に行われる。AKRのメドレーが終わって、スタンバイしている三人にカメラが向けられる。


《ハッピークローバー》

 もったいないほどの青空に誘われて アテもなく乗ったバスは岬めぐり
 白い灯台に心引かれて 降りたバス停 ぼんやり佇む三人娘

 ジュン チイコ モエ 訳もなく走り出した岬の先に白い灯台 その足もとに一面のクロ-バー
 これはシロツメクサって、チイコがしたり顔してご説明

 諸君、クローバーの花言葉は「希望」「信仰」「愛情」の印 
 茎は地面をはっていて所々から根を出し 高さおよそ20cmの茎が立つ草。茎や葉は無毛ですぞ

 なんで、そんなにくわしいの くわしいの

 いいえ 悔しいの だってあいつは それだけ教えて海の彼方よ

 ハッピー ハッピークローバー 四つ葉のクロ-バー
 その花言葉は 幸福 幸福 幸福よ ハッピークローバー

 四枚目のハッピー葉っぱは、傷つくことで生まれるの 
 踏まれて ひしゃげて 傷ついて ムチャクチャになって 生まれるの 生まれるの 生まれるの
  
 そうよ あいつはわたしを傷つけて わたしは生まれたの 生まれ変わったの もう一人のわたしに

 ハッピー ハッピークローバー、奇跡のクローバー 

 一番が終わって、それは現れた……一瞬の決めポーズになった三人の後ろから、その子が現れた。そして、三つ葉のクローバーは四つ葉になり、曲は二番、三番と続いた。
「やった! カメラを通しても透けない!」
 モニターを見ながら司準教授はガッツポーズ。
「本番中よ」
 横の仁和明宏が、頬笑みながらたしなめた。

 マユは、驚いた。
 
 四番目の子は、そっくりだった……浅野拓美に! 
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