『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

 寒い日は炬燵で”小泉八雲”の雪女に…

2014-02-07 13:22:12 | Weblog

 

                                        
                           お借りしました~   道北の寒い所で経験…  

      あなた

 昨日からの寒さは格別です。

 転勤でアチコチ廻っていたころを思い出しました。

 お蔭様で「毛あらし」現象というのも自分の眼で見ることができ、感激しました。

 川に「モヤ」がかかった様に、何も見えない…温泉の湯気が立ち上ったように、ただ、もうもうと…

 そして樹氷…余りの素晴らしさに、しばし寒さを忘れ見入ったものでした。

 ときどき、「パチン」というような弾けた音が木霊し、静けさのなかのざわめき… 

 そんな日の朝は寒くどこのお宅でも、白い湯気が廻りを覆うように…

 きっと「ガス」と「ストーブ」の所為と思う。

 寒くて、寒くて早くこの町を出たいって言っていたけど…

 勝手なもので、今は妙に懐かしい…

 

 ストーブをかなり大にして燃やし炬燵にもぐりこんでも、決して暑くはない。

 チッポケな、わたしの感情など無視し、昨日とは全く違う今日の寒さ…

 まだまだ、こんな日が続くのだろう…

 

         小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)   雪女伝説より~

 武蔵の国のある村に、茂作と巳之吉という2人の樵が住んでいた。

 茂作はすでに老いていたが、巳之吉の方はまだ若く、見習いだった。

 

 ある冬の日のこと、吹雪の中帰れなくなった二人は、近くの小屋で寒さをしのいで寝ることにする。

 その夜、顔に吹き付ける雪に巳之吉が目を覚ますと、恐ろしい目をした白ずくめの美しい女がいた。

 巳之吉の隣りに寝ていた茂作に女が白い息を吹きかけると、茂作は凍って死んでしまう。

 

 女は巳之吉にも息を吹きかけようと巳之吉に覆いかぶさるが、しばらく巳之吉を見つめた後、笑みを浮かべてこう囁く。

 「おまえもあの老人(=茂作)のように殺してやろうと思ったが、おまえは若くきれいだから、助けてやることにした。

 だが、おまえは今夜のことを誰にも言ってはいけない。誰かに言ったら命はないと思え」

 

 それから数年して、巳之吉は「お雪」という、ほっそりとした美しい女性と出会う。

 二人は恋に落ちて結婚し、10人の子供をもうける。お雪はとてもよくできた妻であったが、不思議なことに、何年経ってもお雪は全く 

 老いることがなかった。

 

 ある夜、子供達を寝かしつけたお雪に、巳之吉がいう。

 「こうしておまえを見ていると、十八歳の頃にあった不思議な出来事を思い出す。

 あの日、おまえにそっくりな美しい女に出会ったんだ。恐ろしい出来事だったが、あれは夢だったのか、それとも雪女だったの

 か……」

 

 巳之吉がそういうと、お雪は突然立ち上り、言った。

 「そのときおまえが見たのは私だ。私はあのときおまえに、もしこの出来事があったことを人にしゃべったら殺す、と言った。

 「だが、ここで寝ている子供達を見ていると、どうしておまえのことを殺せようか。どうか子供達の面倒をよく見ておくれ……」

 

 そういうと、お雪の体はみるみる溶けて白い霧になり、煙だしから消えていった。それ以来、お雪の姿を見たものは無かった。

  そんな昔話を読みながら…また、夢の中を彷徨うわたし…

 

           あなた寒いから風邪ひかない様…