お借りしました~ 道北の寒い所で経験…
あなた
昨日からの寒さは格別です。
転勤でアチコチ廻っていたころを思い出しました。
お蔭様で「毛あらし」現象というのも自分の眼で見ることができ、感激しました。
川に「モヤ」がかかった様に、何も見えない…温泉の湯気が立ち上ったように、ただ、もうもうと…
そして樹氷…余りの素晴らしさに、しばし寒さを忘れ見入ったものでした。
ときどき、「パチン」というような弾けた音が木霊し、静けさのなかのざわめき…
そんな日の朝は寒くどこのお宅でも、白い湯気が廻りを覆うように…
きっと「ガス」と「ストーブ」の所為と思う。
寒くて、寒くて早くこの町を出たいって言っていたけど…
勝手なもので、今は妙に懐かしい…
ストーブをかなり大にして燃やし炬燵にもぐりこんでも、決して暑くはない。
チッポケな、わたしの感情など無視し、昨日とは全く違う今日の寒さ…
まだまだ、こんな日が続くのだろう…
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン) 雪女伝説より~
武蔵の国のある村に、茂作と巳之吉という2人の樵が住んでいた。
茂作はすでに老いていたが、巳之吉の方はまだ若く、見習いだった。
ある冬の日のこと、吹雪の中帰れなくなった二人は、近くの小屋で寒さをしのいで寝ることにする。
その夜、顔に吹き付ける雪に巳之吉が目を覚ますと、恐ろしい目をした白ずくめの美しい女がいた。
巳之吉の隣りに寝ていた茂作に女が白い息を吹きかけると、茂作は凍って死んでしまう。
女は巳之吉にも息を吹きかけようと巳之吉に覆いかぶさるが、しばらく巳之吉を見つめた後、笑みを浮かべてこう囁く。
「おまえもあの老人(=茂作)のように殺してやろうと思ったが、おまえは若くきれいだから、助けてやることにした。
だが、おまえは今夜のことを誰にも言ってはいけない。誰かに言ったら命はないと思え」
それから数年して、巳之吉は「お雪」という、ほっそりとした美しい女性と出会う。
二人は恋に落ちて結婚し、10人の子供をもうける。お雪はとてもよくできた妻であったが、不思議なことに、何年経ってもお雪は全く
老いることがなかった。
ある夜、子供達を寝かしつけたお雪に、巳之吉がいう。
「こうしておまえを見ていると、十八歳の頃にあった不思議な出来事を思い出す。
あの日、おまえにそっくりな美しい女に出会ったんだ。恐ろしい出来事だったが、あれは夢だったのか、それとも雪女だったの
か……」
巳之吉がそういうと、お雪は突然立ち上り、言った。
「そのときおまえが見たのは私だ。私はあのときおまえに、もしこの出来事があったことを人にしゃべったら殺す、と言った。
「だが、ここで寝ている子供達を見ていると、どうしておまえのことを殺せようか。どうか子供達の面倒をよく見ておくれ……」
そういうと、お雪の体はみるみる溶けて白い霧になり、煙だしから消えていった。それ以来、お雪の姿を見たものは無かった。
そんな昔話を読みながら…また、夢の中を彷徨うわたし…
あなた寒いから風邪ひかない様…