あなた
去年の福寿草。
まだ、雪の下でひっそりと眠っている。少しは春の気配を感じてるのだろうか?…
早く春にあいたい…待ってるのは、あなたも同じとは思うけど…
目まぐるしく変わる天気…
午後の陽ざしが窓越しにチカチカと眼に痛い…
冬の日の記憶
昼、寒い風の中で雀を手にとつて愛してゐた子供が、
夜になつて、急に死んだ。
次の朝は霜が降つた。
その子の兄が電報打ちに行つた。
夜になつても、母親は泣いた。
父親は、遠洋航海してゐた。
雀はどうなつたか、誰も知らなかつた。
北風は往還を白くしてゐた。
つるべの音が偶々(たまたま)した時、
父親からの、返電が来た。
毎日々々霜が降つた。
遠洋航海からはまだ帰れまい。
その後母親がどうしてゐるか……
電報打つた兄は、今日学校で叱られた。 中原 中也 詩集より
変わった形の雲が、空半分を覆っている。
さきほど、友達がくぐもった声で、電話してきた。
よく、聞き取れない…
彼女は、夫も子供も亡くしている。
失くした存在が口惜しくも、哀しくも!あるだろうけど…
癒してやれる力は、わたしにはない…ごめんね…
気持ちは判るけど~~
あなた、寒い如月の月も半分が過ぎて終いました。
もう少し、もう少し…ガンバル~。