あなた
来ました!きました!ヒヨドリです。
どういう訳かたった一羽で…
何時もなら二羽揃って仲良く来るのに…
一羽でリンゴを貪ってる(むさぼる)姿が何処か自分に似て…身につまされる…
「キミもひとりになったの?」
でも、「そんな同情はいらない」って…美しい姿で飛んで行った。
かと、思うと30分もしないうちにまたやってくる。
あの鋭い「キキッ」って甲高い声で鳴きながら…
「呼んでも・呼んでも」二羽になることことなく、ただ、美しい姿で悠々と消えていった…
いくら、優雅に振る舞う鳥だって淋しいんだよね…
中原中也 の詩集より~
冬の日の記憶
昼、寒い風の中で雀を手にとつて愛してゐた子供が、
夜になつて、急に死んだ。
次の朝は霜が降つた。
その子の兄が電報打ちに行つた。
夜になつても、母親は泣いた。
父親は、遠洋航海してゐた。
雀はどうなつたか、誰も知らなかつた。
北風は往還を白くしてゐた。
つるべの音が偶々(たまたま)した時、
父親からの、返電が来た。
毎日々々霜が降つた。
遠洋航海からはまだ帰れまい。
その後母親がどうしてゐるか……
電報打つた兄は、今日学校で叱られた。
今わたしは「中原中也」の世界にどっぷり、浸かっています。
今日は寒い日です。