続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

春うらら。

2013-04-06 06:54:52 | 日常
 足早に来てすでに散り初めている桜・・・それでも今日は小中学校の入学式、若いお母さん方の華やぐ姿にあちこちで行き当たる。

 天気は上々、春うらら。

 息子の入学式、つい昨日の事のような気がするけれど、もうあれから三十余年の月日。青年老い易く学成り難し・・・本当に・・・実感する。飛ぶように早い月日は、自分が老いてしまった事実を認識できないほどである。


 ピンクの大きなボタンをつけた一年二組のわたしはそれこそ六十年も前のこと。
「うちでお前だけ見ているといいけど、みんなの前では目立たないねぇ」と嘆いた母。その通り目立たないまま老女になったわたし・・・。目立たない地味な花に水をやりながら朽ちていくのを見届けている。


 語りかけぬ年月。逆らうことなく肯定的に自然体で生きて行く。
《それでもいい》《それでも尚》と、過ぎて行く時間を楽しみ遊ぶ気持ちで過ごしている、そう在りたいと。


 春うらら・・・目立っているよ、この日差しの輝き。この幸福を甘受している。

『セロ弾きのゴーシュ』50。

2013-04-06 06:46:48 | 宮沢賢治
「ではこれっきりだよ」
ゴーシュは弓をかまえました。かっこうは、
「くっ」とひとつ息をして、
「ではなるべく永くおねがいいたします」といってまた一つおじぎをしました。
「いやになっちまうなあ」ゴーシュはにが笑いしながら弾き始めました。するとかっこうはまたまるで本気になって、
「かっこう かっこう かっこう」とからだをまげてじつに一生けん命叫びました。


☆救いの則(道理)を映し逸(かくしている)。
 照(あまねく光があたる=平等)の談(はなし)である。
 翻/形を変えた 鬼(死者)が溢れている西の冥(死後の世界)の況(ありさま)である。

『城』1234。

2013-04-06 06:42:05 | カフカ覚書
ふたりの助手たちが、その仕切り窓を押しあけて、腹がへったぞとどなりこんだ。すると、ほかの連中までも、ぞろぞろ顔をのぞかせた。低い、しかし合唱でうたっている歌ごえまで聞こえだした。

 腹がへる/Hunger→hangen/絞首刑。
 合唱/merstimmigen→mehr stimmung/より多くの、気分。
 歌ごえ/Gesang→gesamt/すべての。
 低い/leisen→reissen/引き裂く。

☆助手(頭脳)たちは、先祖の痕(傷痕)の出くわし、絞首刑だ、と叫んだ。死における信念は来世で現われたのである。それどころか先祖を引き裂く、そういう気分がすべてに引き継がれていた。