保険の更新に訪れたOさん、昔からの馴染みの人である。
家の敷地は二区画を購入しているので庭も比較的広いし、年金生活に甘んじて悠々自適に過ごせばいいのに、定年後も保険事務のようなことをして働いている。
帰りには我家の隅にあった空き缶を持ち帰り、「金気のものはありませんか、バッテリーなんかでも・・・」という。
そういえばここ数年そんなふうに空き缶などを集めている。庭は選別仕分けの金属類で山のようになっているらしい。
どうして?
推して思うに、一人息子さんが失業してもう長い・・・。自分たちの生活に不安はなくても、子供の行く末を案じての苦肉の策。
生きて行くとは、地ベタに這いつくばってもその日の糧を得なければならないということを身を呈して暗示、教えているのではないか。
「ご不要なものはありませんか」車からマイクの声が聞こえる。
わたしの父もそうだった。帰還後、わたしのお産の費用に商売道具だった医療器具類を売り払い、叔父が勧めてくれた工場勤務も断り、やむなく・・・屑や~お払い、リヤカーを引いて帰ってくる父の姿をよく覚えている。
《どうしよう~どうしようもない、でも生きて行かねばならない》
そんな中で育ったわたしである。
家の敷地は二区画を購入しているので庭も比較的広いし、年金生活に甘んじて悠々自適に過ごせばいいのに、定年後も保険事務のようなことをして働いている。
帰りには我家の隅にあった空き缶を持ち帰り、「金気のものはありませんか、バッテリーなんかでも・・・」という。
そういえばここ数年そんなふうに空き缶などを集めている。庭は選別仕分けの金属類で山のようになっているらしい。
どうして?
推して思うに、一人息子さんが失業してもう長い・・・。自分たちの生活に不安はなくても、子供の行く末を案じての苦肉の策。
生きて行くとは、地ベタに這いつくばってもその日の糧を得なければならないということを身を呈して暗示、教えているのではないか。
「ご不要なものはありませんか」車からマイクの声が聞こえる。
わたしの父もそうだった。帰還後、わたしのお産の費用に商売道具だった医療器具類を売り払い、叔父が勧めてくれた工場勤務も断り、やむなく・・・屑や~お払い、リヤカーを引いて帰ってくる父の姿をよく覚えている。
《どうしよう~どうしようもない、でも生きて行かねばならない》
そんな中で育ったわたしである。