夕闇にわずかに遅れて灯りゆくひとつひとつが窓であること
時空間を切り取っている。
夕闇という曖昧な彩色からやがて明度を落とし暗幕を張る時刻へと転移していく流れ・・・そのわずかな時の狭間を俯瞰する眼差し。
一つ一つの家庭、団らん、孤独もあるかもしれない。事情はともあれ灯りがともることで明確になる窓という物の形。形に秘められた様々な人間模様を知る術はなく、それぞれの点在が町の呼吸であるかのように明らかになっていく。
夜のとばり、遮蔽の隠匿。窓の明かりという事実だけが一つづつ明確にその存在を知らしめていく穏やかなリズムは、サスペンスをも秘めた不思議な空間である。
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