『一夜の博物館』
夜の幻想、四つに仕切られたボックス、上段には切り取られた手首、時間を経た果物、下段には石(鉱物)、内部は切り紙細工の模様の紙で遮蔽されている。
この不可思議な組み合わせは何だろう。死に導かれるイメージ。生の存在は隠されているのか・・・。自然・歴史などの資料を納めるべき空間領域に置かれたこの四つの物体。
有機物と無機物、そして隠蔽された謎の不可思議。
見えるものと見えないもの、生と死、永遠・不変・・・一夜、この中には確かに時間がある、変わるものと変わらないもの、朝になれば消えてしまう刹那。
四角の区切りは十字のようにも見えるが、何かの連想を断ち切るもののようでもある。
連鎖を拒むもの、答えを見いだせないもの、迷宮である。
写真は『マグリット』展・図録より
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