四つに仕切られた箱の中、上段は手首、腐食しつつある果実。死と死に至る手前…。
下段は不特定な石(鉱物)らしきものと内部を隠蔽した切り紙細工模様の紙(平面)。死を特定できない物である。
自然・歴史などの過去の経由、それらの資料の蒐集であるべき博物館。
一夜ということは光の無い時間帯ということで、幻、非現実(仮想)ということかもしれない。その必然性は明らかに知り得るものと、決して知り得ないものとの並置によって浮上する《無常観》ではないか。
見えているが、見えていない深淵なる深層心理。作家は鑑賞者に解釈は自由に委ねるが、決して答の見つからないであろう難問を吹きかけたのである。
そして、見つからないものこそが《現実》であると。
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