『軽業師の休憩』
軽業師、人の目を欺くほどに軟体である。空間の中で自在に自身の身体を移動、あるいは錯覚させる。軽く柔らかく時に記述は切断をすらものにする。
観客の前での隙のない動き、並外れた緊張感。自身を客観視する軽業師の仕事は《動》である。
しばしの休憩があるとしたら、《不動》に他ならない。一瞬の錯視の至極の困難からの解放・・・石のように永遠に動かず静かに眠りたいという願いを抱くのではないか、そうに違いないとマグリットはつぶやく。
身体がバラバラになどなるもんかという薄笑い、軽業師は石壁の中に身体を溶かしゆっくり身体をうずめる。
写真は『マグリット』展・図録
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