学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表
11月12日のウオールストリートジャーナル紙に、中国に
インフレ圧力がかかってきていると報じた。
中国といえば、世界にデフレを撒き散らす厄病神として
名指して非難されていた。ついこの間の話である。
世の中変れば変るものである。
中国国家統計局は、昨日、10月の中国の生産者物価指数は、
前年同月比8.4%上昇し、9月の7.9%増を上回ったと発表した。
これは9年振りの高い伸びである。
生産者物価指数は、消費者物価指数の先行指数となる。
9月の中国の消費者物価指数は5.2%増であった。10月の
消費者物価指数が注目される。
中国国家統計局は、10月の生産者物価の上昇は、原油、石炭、
鉄鋼、非鉄金属相場の上昇によると説明した。原油はじめ國際相場
上昇の影響が中国にも確実に波及していることが分かる。
Goldman Sachsエコノミスト、Hong Liangさんは、中国の
物価上昇について輸入インフレの可能性を示唆している。
中国は従来、輸出加工用の需要を伸ばして経済が発展してきた。
このところの中国はむしろ中国の国内需要の伸びに支えられて
中国経済が拡大していると分析している。
中国政府は、昨日、10月の貿易統計を発表した。
輸出が前年同月比28.5%伸び、同じく29.3%伸びた輸入金額を上回り、
71億ドルの3ケ月振りに貿易黒字を記録した。貿易黒字が増えると
人民元切り上げ圧力となる。
しかし、ドイツ銀行エコノミスト、Jun Ma氏は、中国の今年1~10月の
貿易黒字額は109.7億ドルで、昨年同期の148.7億ドルを下回っていると
指摘している。人民元切り上げ回避のために中国政府が積極的に輸入を
増やしている形跡も窺える。
風が吹けば桶屋がもうかるといっても最近の若者にはピンと来ないらしい。
風は吹くが桶屋がほとんど日本から姿を消したそうだ。中国が吹けば
世界が儲かるといった方がわかるのかもしれない。
日本という国はほとんどの原料を輸入に頼って毎日生活している。
安売りといえばMaid In Chinaと相場が決まっていた。
その中国からインフレの便りである。
先日世銀が中国の貧民層の比率が1990年の70%が昨年32%へ
低下したと発表した。農産物の國際相場の急上昇で中国の農民の
暮らしが良くなったからだと分析していた。
人間一端生活レベルを上げるとなかなか落せないものだ。
中国はデフレ風を世界に撒き散らしていた。いつの世か知らないが、
中国生まれのインフレ風が意外に早い時期に吹いてくるかもしれない。
日本でも野菜が暴騰している。立て続けの災害だけが値上がりの
理由ではなさそうだ。灯油も急騰している。中国の影響がじわりじわりと
日本の台所にも浸透してきた。
中国からのインフレの便りは日本人にとっても
他人事ではなさそうだ。(了)
11月12日のウオールストリートジャーナル紙に、中国に
インフレ圧力がかかってきていると報じた。
中国といえば、世界にデフレを撒き散らす厄病神として
名指して非難されていた。ついこの間の話である。
世の中変れば変るものである。
中国国家統計局は、昨日、10月の中国の生産者物価指数は、
前年同月比8.4%上昇し、9月の7.9%増を上回ったと発表した。
これは9年振りの高い伸びである。
生産者物価指数は、消費者物価指数の先行指数となる。
9月の中国の消費者物価指数は5.2%増であった。10月の
消費者物価指数が注目される。
中国国家統計局は、10月の生産者物価の上昇は、原油、石炭、
鉄鋼、非鉄金属相場の上昇によると説明した。原油はじめ國際相場
上昇の影響が中国にも確実に波及していることが分かる。
Goldman Sachsエコノミスト、Hong Liangさんは、中国の
物価上昇について輸入インフレの可能性を示唆している。
中国は従来、輸出加工用の需要を伸ばして経済が発展してきた。
このところの中国はむしろ中国の国内需要の伸びに支えられて
中国経済が拡大していると分析している。
中国政府は、昨日、10月の貿易統計を発表した。
輸出が前年同月比28.5%伸び、同じく29.3%伸びた輸入金額を上回り、
71億ドルの3ケ月振りに貿易黒字を記録した。貿易黒字が増えると
人民元切り上げ圧力となる。
しかし、ドイツ銀行エコノミスト、Jun Ma氏は、中国の今年1~10月の
貿易黒字額は109.7億ドルで、昨年同期の148.7億ドルを下回っていると
指摘している。人民元切り上げ回避のために中国政府が積極的に輸入を
増やしている形跡も窺える。
風が吹けば桶屋がもうかるといっても最近の若者にはピンと来ないらしい。
風は吹くが桶屋がほとんど日本から姿を消したそうだ。中国が吹けば
世界が儲かるといった方がわかるのかもしれない。
日本という国はほとんどの原料を輸入に頼って毎日生活している。
安売りといえばMaid In Chinaと相場が決まっていた。
その中国からインフレの便りである。
先日世銀が中国の貧民層の比率が1990年の70%が昨年32%へ
低下したと発表した。農産物の國際相場の急上昇で中国の農民の
暮らしが良くなったからだと分析していた。
人間一端生活レベルを上げるとなかなか落せないものだ。
中国はデフレ風を世界に撒き散らしていた。いつの世か知らないが、
中国生まれのインフレ風が意外に早い時期に吹いてくるかもしれない。
日本でも野菜が暴騰している。立て続けの災害だけが値上がりの
理由ではなさそうだ。灯油も急騰している。中国の影響がじわりじわりと
日本の台所にも浸透してきた。
中国からのインフレの便りは日本人にとっても
他人事ではなさそうだ。(了)