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ユーロ、1.33ドル突破、ドル安懸念で   No255

2004-11-28 09:19:54 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表

 米国為替市場は、Thanksgivings〔感謝祭〕で木、金休場となった。
11月26日、欧州市場では、米ドルは、対ユーロで、1ユーロ=1.33ドルを突破した。
有史以来のドル安である。ドルは対円では、1ドル=102.75円と小幅上げたが、
1999年来のドル安である。

 この日のドル安には中国紙に掲載された中国が米国資産を減らしているとの
記事が影響したと外電は伝えた。
 
上海にある一部中国紙は、中国中央銀行のYu Yongding氏が
中国は現在、今年9月末時点で、米財務省証券を約1,800億ドル
保有しており、それは中国の外貨保有高5,145億ドルの33.9%を占める。
2003年末でそれは39.2%であったと発言したと紹介した。

 為替関係者は中国中央銀行筋の発言に、中国の米資産減らしは
ドル売り材料だと飛びついた。

 ①米国は巨額の赤字解消は海外からの資産でファイナンス
〔資金補填)抜きには議論できない。②中国が米国から
資金を引き揚げる話は額の多少にかかわらずドル売り在材料に
され易い。

 更なるドル売りを食いとめるためには、米資産に海外の投資家を
更なる利上げが予想されるとどんどんエスカレートさせている。
更なる利上げは米景気のマイナスに働くからドル売り材料になると
とまらない。

 2ケ月前、1ユーロ=1.20ドルであった。現在、1ユーロ=1.33ドルである。
約10%ドルは対ユーロで値下がりした。欧州中央銀行はあまりにも
急激なユーロ高は歓迎しないと再々発言している。

 しかし、ドル買い・ユーロ売りの欧州だけでなく米国をも抱き込んだ
協調介入なしと為替ディーラーは高をくくっているようだ。

 ところで、最近の傾向としてドル安の話が出るとお神酒徳利のように
人民元切り上げの話がくっついて出てくるようになった。

 人民元は1994年以降、1ドル=8.3元で固定されている。
それを対ドルでの変動幅を緩やかに拡大するか、ドルだけでなしに
ドル以外の通貨を含めたバスケット通貨帯に対して人民元を
フロートさせれば米国の対中赤字改善の助けとなるとの見方である。

 しかし、人民元を徐々に、かつ、その幅も最大限10%の範囲内であれば
切り上げても相変わらず中国の輸出は増え、米国の中国からの輸入は減らない。
従って、中国の外貨保有は減らず、米国の貿易赤字は拡大を続ける
との見方も根強い。

 相場の世界では理屈はなんとでもつけられるということだ。売り方は
売り材料を並べ、買い方は買い材料を並べたてる。為替市場では
最近の傾向はややドルの売り方が大きな顔をしているに過ぎない。

 米国は巨額の赤字というが、日本の赤字は米国の比ではない。いつなんどき
日本の天文学的な財政赤字を材料に円を売り浴びせてくるか知れたものでは
ないからだ。

 為替取引は一日1.9兆ドルに達しているといわれる、魑魅魍魎の世界である。
最近甘い言葉で為替取引の世界へ素人を誘い込む話をよく聞く。十分な知識も
経験もなしにふらふらと素人が為替取引に手を出すと身包み剥がれるのが
落ちであろう。

 君子危うきに近づかぬとは素人の為替取引においては至言である。(了)

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