学校で教えてくれない経済学
今朝のウオールストリートジャーナルのインターネット版
ニュースは、中国が石油備蓄に前向きに取り組んでいると
報道した。
IEA〔國際エネルギー機構〕によれば、2004年の中国の原油需要は
日量633万バレルに達すると見込まれている。英国のシンクタンクの
Petroleum Economics Ltd、Markets Servicesによると2010年には
中国の原油需要は、日量900万バレルとなり、自国産原油が日量
350万バレルで横ばいと見られているため、日量550万バレルの輸入を
中国は余儀なくされるだろうと予測している。
そのうえに現在ゼロの備蓄を30日備蓄へ2010年までに莫大な施設を
完成させるために中国は既に工事に入っていると伝えられるが、
最近、IEAに提出されたレポートによれば、中国はIEAメンバーの
加入条件のひとつである90日原油備蓄も視野に入れていると
今朝のニュースは紹介していた。
2004年、中国は世界の原油需要の増加分の1/3を占めた。今年
中国の原油輸入は日量240万バレルになるとIEAは予測している。
昨年は日量180万バレルであったから33%の大幅増加である。
今年原油相場は昨年対比65%以上値上がりした。中国の原油輸入
急増が影響したことが最大の要因である。中国のGDPの成長率は
来年は多少落ちて年率9%前後と予測されているが、中国の原油輸入が
スピードは落ちても増えることに変りはない。
そこへ備蓄用の原油需要分が増えれば輸入はGDPの伸び率に
嵩上げされる。これは明かに原油相場高値安定の恰好の強気材料に
使われるであろう。
ここへ来てNY原油先物相場がバレル50ドル台へ戻してきている。
ドル安も一つの背景であるが、中国による原油の実需の増加が
相変わらず続くと原油投機家が皮算用していることは十分考えられる
だろう。
日本では新聞やテレビに報道されないと事件にならない傾向が
強い。新聞報道では増税問題と巨悪犯罪が紙面やテレビニュースを
占拠している。つい先日まではプロ野球の話題が占めていた。
兵庫県北部の台風の被害も報道されなくなった。鳥インフルエンザや
SARS問題も事態は全く解決されていないが報道されないと日本人の
視野から消えてしまう。新潟地震でもやがて報道されなくなるだろう。
神戸の地震でも10年経とうとしているが人々の頭から消えたが当の
神戸の住民はいまだに地震を現実の問題として厳しくひきずって
いるのと同じである。総理が痛みをともなう経済改革というが
いかに口先だけであることか、次々化けの皮がはがされてきている。
原油問題も為替問題も同じである。基本的に重要な問題である
ことには変らない。マスコミの責任もあるが、日本人の体質が
忘れ易いというか、水に流す〔実は見ずに流しているのであろうが)
目先のニュースに追いまわされているからにほかならない。
原油問題にも為替問題にも目を離すことは出来ない。(了)
今朝のウオールストリートジャーナルのインターネット版
ニュースは、中国が石油備蓄に前向きに取り組んでいると
報道した。
IEA〔國際エネルギー機構〕によれば、2004年の中国の原油需要は
日量633万バレルに達すると見込まれている。英国のシンクタンクの
Petroleum Economics Ltd、Markets Servicesによると2010年には
中国の原油需要は、日量900万バレルとなり、自国産原油が日量
350万バレルで横ばいと見られているため、日量550万バレルの輸入を
中国は余儀なくされるだろうと予測している。
そのうえに現在ゼロの備蓄を30日備蓄へ2010年までに莫大な施設を
完成させるために中国は既に工事に入っていると伝えられるが、
最近、IEAに提出されたレポートによれば、中国はIEAメンバーの
加入条件のひとつである90日原油備蓄も視野に入れていると
今朝のニュースは紹介していた。
2004年、中国は世界の原油需要の増加分の1/3を占めた。今年
中国の原油輸入は日量240万バレルになるとIEAは予測している。
昨年は日量180万バレルであったから33%の大幅増加である。
今年原油相場は昨年対比65%以上値上がりした。中国の原油輸入
急増が影響したことが最大の要因である。中国のGDPの成長率は
来年は多少落ちて年率9%前後と予測されているが、中国の原油輸入が
スピードは落ちても増えることに変りはない。
そこへ備蓄用の原油需要分が増えれば輸入はGDPの伸び率に
嵩上げされる。これは明かに原油相場高値安定の恰好の強気材料に
使われるであろう。
ここへ来てNY原油先物相場がバレル50ドル台へ戻してきている。
ドル安も一つの背景であるが、中国による原油の実需の増加が
相変わらず続くと原油投機家が皮算用していることは十分考えられる
だろう。
日本では新聞やテレビに報道されないと事件にならない傾向が
強い。新聞報道では増税問題と巨悪犯罪が紙面やテレビニュースを
占拠している。つい先日まではプロ野球の話題が占めていた。
兵庫県北部の台風の被害も報道されなくなった。鳥インフルエンザや
SARS問題も事態は全く解決されていないが報道されないと日本人の
視野から消えてしまう。新潟地震でもやがて報道されなくなるだろう。
神戸の地震でも10年経とうとしているが人々の頭から消えたが当の
神戸の住民はいまだに地震を現実の問題として厳しくひきずって
いるのと同じである。総理が痛みをともなう経済改革というが
いかに口先だけであることか、次々化けの皮がはがされてきている。
原油問題も為替問題も同じである。基本的に重要な問題である
ことには変らない。マスコミの責任もあるが、日本人の体質が
忘れ易いというか、水に流す〔実は見ずに流しているのであろうが)
目先のニュースに追いまわされているからにほかならない。
原油問題にも為替問題にも目を離すことは出来ない。(了)