6月1日、NY株式市場は、5月の米ISM製造業景況感指数が、42.8と前月比2・7ポイント上昇、予想値を上回り、米個人所得が回善したことを好感、GM破たんのニュースも悪材料出尽くしと前向きに評価した。NYダウは、先週末比221ドル、2.6%値上がり、8,721ドルで取引を終了した。S&P平均株価、ハイテク株指数ナスダックともに3%近く値上がりした。
株式市場へ資金が流れ、債券相場が引き続き値下がりした。債券値下がりにより利回りが上昇した。10年物国債の利回りは、0.219%上昇、年3.680%となった。10年物利回りは、米住宅ローン金利引き上げに連動する。住宅ローン金利の上昇は住宅市場回復に水を差す可能性を示唆している。
NYダウ上昇は、エクソンモービル、シエブロンがそれぞれ3.5%、3.8%高、キャタピラー5.9%高、アルコア6.6%高といずれも資源高に関連した材料株が相場をけん引した。NYダウ30種対象銘柄だったGMとシティグループが外され、代わって入るシスコシステムとトラべラーズ株がそれぞれ5.4%、3.1%値上がりしたとWSJ紙は紹介していた。
中国株、香港株に代表されるが、アジア株が軒並み値上がりしたことも影響したと今朝のNHK「おはよう世界」で紹介していた。ブラジルはじめラテンアメリカの株式市場も大幅値上がりした。鉄鉱石、銅、スズなど非鉄金属相場の値上がりがメキシコ、チリ―株を引き上げたと今朝のWSJ紙は紹介していた。
NY原油(WTI)先物相場は、米ISMデータを好感、石油需要回復期待から、バレル前週末比2.27ドル、3.4%高い68.58ドルで取引を終了した。中国物流購入連合会が、5月の製造業購買担当者景気指数が(PMI)が、0.4ポイント悪化したが、53.1だったと前向きに評価したことも原油相場を下支えしたと今朝のWSJ紙は解説している。
石油関連では、NY原油がバレル68ドルを超えたことを受けて、中国政府は、国内のガソリン価格を油種別にリッター当り4.78元、5.19元、5.52元へそれぞれ6%引き上げると発表したと香港テレビをNHKBSが紹介していた。
一方、NY外国為替市場は、株高、米政府による債券買いを嫌気して引き続き売られ、対ユーロでは、1ユーロ=1.4240ドル、対英ポンドでは1英ポンド=1.6495ドルまで下げ、ほぼ全面安の展開となった。午後の取引では、ややドルが買い戻され、1ユーロ=1.4150ドル、1ドル=96.65円で取引された。
中国訪問中のガイトナー米財務長官は、「米国は大型景気対策を実施しており、米国国債は安全だ」と語ったと今朝のCNNテレビが紹介していた。中国は3月末時点で7,678億ドルの米国債を保有している。中国の米国債売りのうわさは消えていない。事あるごとに中国の米国債に関する動きが、ドル売り材料に使われるだろう。
今朝のトピックスはGMが、米連邦破産法第11条申請の二ユースである。NHK「おはよう世界」でも、米CNN,英BBC,ドイツZDFそれぞれ詳しく紹介していた。BBCは「米国の夢の終わり」と述べ、ドイツZDFは「納税者には高くつく」と解説していた。
米CNNは、オバマ大統領が、「将来の子供たちのために政府は放置できなかった」と国民に理解を求めたと紹介していた。CNNはGMのヘンダ―ソンCEOの会見を紹介したが、経営陣の入れ替え、車種の削減、工場閉鎖、効燃費車、環境にやさしい車種を生産する。顧客を第一に考える、世界レベルの優秀な車を作る会社になると語っていた。
今朝のNY株式市場は、大幅に上げたが、このまますんなりと上昇を続けると見る専門家は少ない。GMが破産法申請後、果たして改革が軌道に乗るか誰にもわからないと言うのが正直な感触であろう。米国の長期金利が上げに転じれば住宅需要の回復を遅らせる。
米国の貯蓄率が、着実に上がってきているというデータも出てきている。アメリカ人の過剰消費に助けられて世界のお金が回転していた。アメリカ人に長年染みついた生活パターンが一朝一夕に改善するかどうか。アメリカが普通の国に変わるとなれば、アメリカに肩代わりしてどこの国が消費してくれるかであろう。
このところの原油相場上昇に伴い、ガソリン相場が上がれば、その分米個人消費の足を引っ張る。中国政府はガソリン価格を一律6%値上げした。中国は年間消費の日量800万バレルの半分を輸入している。今回の値上げが、中国の原油輸入にブレーキをかけるかもしれない。
過ぎたれば、なお及ばざるが如しである。食べ過ぎが健康に一番良くない。原油価格はバレル68ドルまで上げたが、わずか2ケ月前の2倍と上げピッチが速すぎる。ここは一息いれてもおかしくない。(了)
株式市場へ資金が流れ、債券相場が引き続き値下がりした。債券値下がりにより利回りが上昇した。10年物国債の利回りは、0.219%上昇、年3.680%となった。10年物利回りは、米住宅ローン金利引き上げに連動する。住宅ローン金利の上昇は住宅市場回復に水を差す可能性を示唆している。
NYダウ上昇は、エクソンモービル、シエブロンがそれぞれ3.5%、3.8%高、キャタピラー5.9%高、アルコア6.6%高といずれも資源高に関連した材料株が相場をけん引した。NYダウ30種対象銘柄だったGMとシティグループが外され、代わって入るシスコシステムとトラべラーズ株がそれぞれ5.4%、3.1%値上がりしたとWSJ紙は紹介していた。
中国株、香港株に代表されるが、アジア株が軒並み値上がりしたことも影響したと今朝のNHK「おはよう世界」で紹介していた。ブラジルはじめラテンアメリカの株式市場も大幅値上がりした。鉄鉱石、銅、スズなど非鉄金属相場の値上がりがメキシコ、チリ―株を引き上げたと今朝のWSJ紙は紹介していた。
NY原油(WTI)先物相場は、米ISMデータを好感、石油需要回復期待から、バレル前週末比2.27ドル、3.4%高い68.58ドルで取引を終了した。中国物流購入連合会が、5月の製造業購買担当者景気指数が(PMI)が、0.4ポイント悪化したが、53.1だったと前向きに評価したことも原油相場を下支えしたと今朝のWSJ紙は解説している。
石油関連では、NY原油がバレル68ドルを超えたことを受けて、中国政府は、国内のガソリン価格を油種別にリッター当り4.78元、5.19元、5.52元へそれぞれ6%引き上げると発表したと香港テレビをNHKBSが紹介していた。
一方、NY外国為替市場は、株高、米政府による債券買いを嫌気して引き続き売られ、対ユーロでは、1ユーロ=1.4240ドル、対英ポンドでは1英ポンド=1.6495ドルまで下げ、ほぼ全面安の展開となった。午後の取引では、ややドルが買い戻され、1ユーロ=1.4150ドル、1ドル=96.65円で取引された。
中国訪問中のガイトナー米財務長官は、「米国は大型景気対策を実施しており、米国国債は安全だ」と語ったと今朝のCNNテレビが紹介していた。中国は3月末時点で7,678億ドルの米国債を保有している。中国の米国債売りのうわさは消えていない。事あるごとに中国の米国債に関する動きが、ドル売り材料に使われるだろう。
今朝のトピックスはGMが、米連邦破産法第11条申請の二ユースである。NHK「おはよう世界」でも、米CNN,英BBC,ドイツZDFそれぞれ詳しく紹介していた。BBCは「米国の夢の終わり」と述べ、ドイツZDFは「納税者には高くつく」と解説していた。
米CNNは、オバマ大統領が、「将来の子供たちのために政府は放置できなかった」と国民に理解を求めたと紹介していた。CNNはGMのヘンダ―ソンCEOの会見を紹介したが、経営陣の入れ替え、車種の削減、工場閉鎖、効燃費車、環境にやさしい車種を生産する。顧客を第一に考える、世界レベルの優秀な車を作る会社になると語っていた。
今朝のNY株式市場は、大幅に上げたが、このまますんなりと上昇を続けると見る専門家は少ない。GMが破産法申請後、果たして改革が軌道に乗るか誰にもわからないと言うのが正直な感触であろう。米国の長期金利が上げに転じれば住宅需要の回復を遅らせる。
米国の貯蓄率が、着実に上がってきているというデータも出てきている。アメリカ人の過剰消費に助けられて世界のお金が回転していた。アメリカ人に長年染みついた生活パターンが一朝一夕に改善するかどうか。アメリカが普通の国に変わるとなれば、アメリカに肩代わりしてどこの国が消費してくれるかであろう。
このところの原油相場上昇に伴い、ガソリン相場が上がれば、その分米個人消費の足を引っ張る。中国政府はガソリン価格を一律6%値上げした。中国は年間消費の日量800万バレルの半分を輸入している。今回の値上げが、中国の原油輸入にブレーキをかけるかもしれない。
過ぎたれば、なお及ばざるが如しである。食べ過ぎが健康に一番良くない。原油価格はバレル68ドルまで上げたが、わずか2ケ月前の2倍と上げピッチが速すぎる。ここは一息いれてもおかしくない。(了)