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G8閉幕、IMFに「出口戦略」作成要請(学校で教えてくれない経済学)

2009-06-15 10:51:01 | 経済学
 G8(8ケ国財務相会合)が13日閉幕した。開催場所のレッチェ(Lecce)がどこかとインターネットで調べたところ、イタリアの長靴のかかとのところにあることがわかった。

 会合のあと発表された、A4サイズ二枚程度の声明文が今朝のWSJ紙に出ている。そこに“Exit strategies” という日本語に訳せば「出口戦略」という目新しい言葉が出ていた。

 選挙では、「出口調査」という言葉が使われる。投票を終えて出て来た人に個別に聞き、候補者ごとの投票結果予測の参考に使う。世界の金融問題を討議する場がG8であるが、嵐が収まったあとそれぞれの国が表に出てくる。その時の戦略が今回のG8で話し合われた。

 今朝のWSJ紙によれば、ガイトナー米財務長官は、「嵐が完全に過ぎ去った時に、持続可能な金融政策に戻れるかどうかがはっきりすれば、経済と金融両面の回復はより確かなものになるだろう」と語った。

 英国のダーリング財務相は、「多くの不透明な箇所を残している。対策を必要とするリスクがなお存在している」と話した。

 声明文によれば、「出口戦略は国によって異なる。長期にわたり持続的な回復を促進することが欠かせない。IMF(国際通貨基金)に分析を求めた。」とある。

 ドイツとカナダは、更なる公的資金の投入にブレーキをかけるべきとする立場を鮮明にした。米国と英国は、依然として、金融不安は収まっていない。引き続き公的資金の投入を含めた一連の景気刺激策継続を求めたことが今朝のWSJ紙の記事ににじみ出ている。

 声明文は北朝鮮制裁問題について触れている。しかし、国連決議1874を順守して、効果的かつ時宜を得た対応を確認したと書くにとどめた。商品相場の行き過ぎた動きは経済成長のリスクであると指摘、特に商品デリバティブ取引に触れ、取引の透明性を求めた。

 一方、IMFが資金不足に見舞われた関係国に対して、金その他の資産売却などを通じて、貸出能力を拡大するよう要請している。各国とも台所は苦しい。IMFに肩代わりさせようとするアメリカの考えが透けて見える。当然、金づるとして日本が狙われるだろう。

 声明文を走り読みして、事務局が作ったたたき台をマル飲みした印象を強く受けた。これがロシアを入れた先進8ケ国財務相会議の偽らざる現状だろう。問題点は指摘した。金はない。先進国は揃い踏みでペーパーマネーを刷り続ける以外ない。G8は実態経済の回復には時日を要することを確認した。投機資金が自分の出番と虎視坦々、狙っている。(了)

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